よなよな73 よなよな波
ばな子
ロマン
うちの母って、再婚の略奪され婚なんですけれど、母が前に結婚していた人が次に結婚して生まれたお子さんたち(と言ってももう私より歳上の)に会ったんですよ。
賢く現実に長けているすばらしい人たちで、母がどういう人と結婚していたのか、なんとなくわかった気がしました。
その時期に母が書いた小説っていうのが先日発掘されて、さすが私の母(逆か)、文章がものすごくうまくて感動するほどだったのですが、内容がもうほんと「女!」って感じだったんですよ。
おお、これはわしと性格が合わないはずや、となぜか関西弁か岡山弁で思いながら、そうか、私は父を「男!」として見たことがないけど、そういう目で見たら、全く違う人物なんだろうねえ、とも思いました。
内容は、前の結婚のうまくいかない点や病気のつらさをつらつらと書きながらも自滅的な感じを匂わせているものだったんですけれど。まだ父が母の人生に登場する前の、いちばんエロかった時期というか。
何回かエッセイやよなよなで書きましたが、母が一瞬薬でボケたとき、「家に帰る」って言うので、「もう少し入院かもしれないねえ」と言ったら、「Aさんのところには帰りたくないわ、だって面白くないんだもの」と前のだんなさんの名字を言うので、「吉本さんのところは?」と聞いたら、「吉本さんならいいわよ、だって吉本さんかわいいんだもの」と言っていて、姉妹でゲラゲラ笑ったという。
そのあとは一生そんなこと言わなかったので、あの根本、聞いておいてよかったと思いました。
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よなよな、人生について意味なく語り合うばな子とまみ子。 全然違うタイプだからこそ、野生児まみ子の言うことを聞くとばな子こと小説家吉本ばなな…