【分かりやすさ】センスの正体【語感】

はいこんにちは。
ノートPCを荒く持ったら膝とスネの間の柔らかい所にゴチンといって悶絶中の作詞家、藤橋です。
人生は因果応報、これもたぶん何かの報いです。甘んじて受け入れましょう。イテェ

恒例の自己紹介はこちら。

さて今回は、センスって何?という話をしたいと思います。

「センス」の語源

まず、センスという言葉の語源を知りましょう。
辞書を引くと
物事の微妙な感じや機微を感じとる能力・判断力。感覚。
との記載があります。
つまり、本来の意味としては、繊細な感覚やデリカシーみたいなことを言うのだと思います。sensitiveのsenseですね。

これがうまいことねじ曲がって和訳され、
「センスがある」=「その道について一定の理解が(初期から)備わっている」くらいの感じで使われているようです。
ちょっとニュアンスが違うんですね。

こういうことってよくあります。
「スマート」とかもそうですよね。
英語圏では「賢い」という意味で使われていますが、日本語だと細身の体型を指します。
「グラス」もそうです。
英語圏ではガラス全般のことを言いますが、日本語だとガラスコップのことを指します。
一応理解しておくと良いと思います。


作詞におけるセンスとは

まず、歌詞の持つ一番大きな役割は何でしょう。

答えは、
「伝えたいことが伝わる」ようにすることに他なりません。

何言ってるか分からない歌詞を読んで
「この人センスあるわぁ」とはなりませんよね。
同じく、知らない言語の歌詞を見てもセンスなんて分かりません。

なので、ポイントは伝わるか否か
まずはこれに絞って考えれば大丈夫です。

では、伝えるという行動において大切なことは何でしょう。

メラビアンの法則によると、
人同士のコミュニケーションにおいて、
バーバルコミュニケーションが占める「伝わる度」の割合はわずか7%程度だそうです。93%はノンバーバルで伝わります。

作詞家はその7%の中で戦います。
大勢に影響のない数字にも見えますが、場合によっては93側を0にしてしまう可能性もありますので、こと「伝える」点に関してはシビアに考えなければなりません。

ものを伝える方法論については色んなサイトに堅苦しいことが載っていますが、
その中でも特に大切なポイントは
「誰にでも分かるように伝える」「語感」の二つかな、と思います。


誰にでも分かるように、と言われても

これ、意外と難しいんです。
難しい言葉遣いや独特の言い回し、してみたくなりますよね。
変な単語を使いたくなるのも作詞家の本能だと思います。

あと、「誰にでも」のサジ加減が本当に難しいと感じることでしょう。

ただ、「誰にでも」と言っても、全世界のどの層にも分かるように、という意味ではありません。
この楽曲を聴く人なら誰でも分かるようにする、ということです。

なので、簡単なのはターゲットを決めてしまうことです。

好奇心旺盛な10代男子に向けて書くのか、
タワマンワイン会女子に向けて書くのか。
おじいちゃんに噛んで含めるように伝えたいのか、
おばあちゃんにひたすら甘えたいのか。

どこに向けて書くかによって、使う言葉が全然違ってきますよね。

このターゲットの中の人なら必ず解ってくれるであろう言葉選びをするのが大切だ、ということです。

通常、相手が誰であっても同じ言葉遣いをする人ってあまりいません。
相手を思いやる想像力があれば尚のことです。
ターゲットにとって馴染みのある言葉か、を基準に考えると良いと思います。


語感って何さ

もっと難しいのがこれ、語感です。

言葉の意味とは関係なく、言葉の音が脳へ直接もたらすイメージのことを語感と言います。

ここの感覚がない人の文章は読むのが苦痛です。IQが低く見えます。LINEすらしたくないです優れている人の文章は、読んでいて楽しいです。

多分これ、人生における人とのコミュニケーション量に大きく左右されるのではないでしょうか。

例えば相手に謝りたい時、事態の大きさや相手との距離感、関係性、真剣味などを加味して伝える言葉を決めると思います。
「ごめん」「すみません」「申し訳ございません」など。
場面に応じて適切な言葉選びをできる=語感が優れている、とも言えます。

また、言葉には強さや色、時には独特の匂いや味のようなものもあります。
周りの言葉と揃えるのか、敢えてそこだけ外すのか。
そして全体を通して見た時に不自然ではないか。
こんなことを考える必要があります。

笑いのセンスもこのあたりじゃないでしょうか。
多分、作詞の脳とお笑いの脳ってとても近いところを使っている気がします。

では、この「語感」なるものを鍛えるにはどうしたら良いか。
つまり、場面に応じて適した言葉選びをできるようになるにはどうしたら良いか。

これはもう、まずはどれだけ言葉の選択肢があるかに依る部分が大きいです。

人生は長いです。
なんか有名な人が、「一日1つ言葉を覚えれば一年で365個覚えられる」的なことを言っていた気がします。

語感は
知らない言葉はすぐに調べる、新しい文章に触れる、みたいな機会を意識して作ることでしか得られない感覚だと思うので、コツコツやってみましょう。


まとめ

センスは一朝一夕で培われるものではありません。
天才でない限り、最初から備わっているわけがないのです。
ぼくたち凡人は、日々の積み重ねを大切にしていきましょう。


最後までお読みいただきありがとうございました。
ではでは。


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