【語彙力】へそ曲がりの作詞術⑧【表現力】

はいこんにちは。
投稿に時間など関係ない!派の作詞家、藤橋です。
noteにしろSNSにしろ、平日の日中や夜中に投稿することが多いです。
大事なのは発信すること。あとは誰がどう受け取ろうが関係ないぜ!
という、表現者にあるまじき雑なスタンスです。だめですね。
アンチコメントお待ちしてます。

恒例の自己紹介はこちら。

さて、今回は
作詞に語彙力は必要か?という話です。

まぁ、正解はYES一択なんですけども。

中にはNOを唱える人もいるでしょう。
実際、J-POPの歌詞に使われている単語に理解不能なものは
ほぼ出て来ません。
「感じたままを聴いてほしいのさ」という人もいると思います。

では、なぜ語彙力が必要か。
興味ある方だけを対象に、ちょっと語らせていただきます。

作詞のプロセス

まず、作詞をする上で必要なこと、それは経験です。
喜怒哀楽を刺激する経験からしかちゃんとした歌詞は書けません。

語彙力は、この経験に関わってきます。
語彙数の差は、経験から直感的に連想される言葉や感情に差を生みます。

例えばあなたが「赤いリンゴを見る」という経験をしたとします。

語彙数の少ない人は
・赤い
・リンゴだ
・おいしそう
など、オーソドックスな連想に留まります。

語彙数の多い人は、それに加え
・色の移り変わり
・味や香りの変化
・引力
・握力
・兎
・PPAP(笑)
など、そのもの直撃の印象から一歩進んだところを連想することが一瞬でできます。

言葉は隣の言葉に紐づけて覚えていきますので、語彙数が多い=発想が豊かであるとも言えます。
脳内で隣の単語にスルスルと繋がっていくイメージです。

つまり、同じ経験をしても、語彙数の多い人と少ない人とではその内容に歴然たる差が出るということです。

余談ですが、これに関して言うと
質問に対して一つ隣の話を始める人っていませんか?
あの手の人は、要注意です。
コミュニケーション力がないだけ、と侮っていたら
実は頭の回転が速すぎて先の話をしているだけ、というパターンがあります。
会話が噛み合わない=完全にダメ、というわけではないことを覚えておきましょう。


テーブルの上の語彙

では、いざ作詞をする際、語彙力のある人にはどんな強みがあるでしょう?

それは、テーブルに乗せた言葉が多いほど表現の選択肢が広がる、ということです。

同じ「好き」という歌詞があったとしても、
それしか選択肢がなくて出た「好き」と
100通りの選択肢の中から選び抜いた「好き」では
全く重みが違ってきます。

もっと言うと、その前後の文脈にも違いが出ますし、
「好き」のグラデーションですら綺麗に表現することができます。
例えば「好き」と「大好き」の間にある幾層もの言葉を表現する、なんてことができたら素敵ですよね?

これが語彙力の差です。

語彙と表現

冒頭で書いたように、
J-POPの歌詞に使われている単語に理解不能なものはほぼ出て来ません。

だからと言って、彼らに語彙力がないかと言うと、そんなことは決してないということがお分かりいただけたでしょうか。

本当に力のある人は、難しいことを簡単に伝える能力に長けている場合が多いです。
多くの選択肢の中から、誰にでも伝わって力のある言葉を選び抜いて、メロディラインとの親和性を吟味した上で決定した「血の通った」言葉を、
我々は何気なく聴いているのです。
これができるのも語彙力ゆえ、と言っても過言ではないでしょう。

逆に言うと、アホの歌詞はすぐ分かりますより良い作品を知るためにも語彙力は必要、ということです。

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最後にちょっと自分の話をさせてください。

ふと、そんなこと言ってる自分はどうなのか気になって
ネットに落ちている語彙力検定のようなものをやってみました。

9万6000語、と出ました。

本当かな。

成人平均が4万8000語だそうです。
端くれ作詞家の自分でも(多分)これくらいあるということです。

特段、本を読むのが好きというわけではありません。
特別なトレーニングをしているわけでもありません。
ただ、分からない言葉が出てきたらすぐに調べます。
あと、何かを経験したら3つ以上の言葉で表現できるよう日頃心がけています。

わざわざ単語帳を買ってきて語彙力を上げるトレーニングをするべきだ!等と言いたいわけではありません。
ただ、このような考え方もあると知っていただけると幸いです。


以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
ではでは。

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