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【D2Cブランド分析】〜小柄な女性のためのブランドCOHINA〜
「D2Cの教科書」ライターの永野です。
最近は、MBさんのYouTubeにはまっており、改めてユニクロの偉大さを感じております。
そんな本日はアパレルのD2Cブランドの分析です。
今回は株式会社newnが行っている155cm以下の小柄女性のためのブランドCOHINAについて分析しました。
【newnの会社概要】
会社名:株式会社newn
所在地:東京都新宿区新宿1丁目16−9 3F
設立 :2018年04月24日
代表者:中川綾太郎
事業 :D2C事業
音声メディア事業
ビジョン
newnは上記のビジョンのもとインターネットから、新しい体験価値を生み出すベンチャー企業です。
newnには、大きく3つの事業がありますが、今回はCOHINAについて考察していきます。
【COHINAの特徴】
COHINAには以下の3つの特徴があります。
小柄の女性に寄り添ったデザイン
COHINAは、20~30代の女性で、なおかつ身長155cm以下の女性のみを対象としています。
このブランドは、共同創業者の田中さん、清水さんの原体験である、「低身長の女性が好きな洋服を自由に選べない」と言う不満を解消し、小柄な女性でもファッションを楽しめるようにするために生まれました。
販売/企画担当がよりダイレクトに繋がる販売手法
COHINAの2つ目の特徴は、販売/企画担当がダイレクトに繋がる販売手法をとっていることです。
具体的には、定期的に行われる、インスタLIVEを活用して、商品を作る過程や、商品の特徴の紹介、視聴しているユーザーの質問にリアルタイムで回答したり、リクエストに応えてアイテムを試着などを行っています。
リアルタイムでブランドと、ユーザーが双方向のコミュニケーションをとることで、よりダイレクトに商品の販売/企画を行っています。
このインスタLIVEについて、COHINAのディレクターである、田中さんがnoteを書いていたので、ぜひご覧ください。
個人的には、以下の部分がとても勉強になりました。
「わからないから、直接聞いてみよう!」ということで、ライブ配信を通じてお客さんに意見を聞いていました。
ブランドとお客さんが"繋がり合いたい"という思いを実現しやすかったのが、たまたまインスタライブだったんです。
ここを私なりに解釈すると、
COHINAの思い=小柄な人がお洋服を楽しめる世界観を作りたい
→そのためには、ユーザーの声を手取り早く知る必要がある
→COHINAのターゲット層にマッチするユーザーはインスタグラムにいる
→インスタLIVEでインタラクティブにユーザーと繋がれば良い
→結果、ユーザーとの距離感や速さが楽しくて毎日続け、ユーザーの声をブランドに反映させたり、購買につながった
こんな感じです。最後に田中さんがまとめとして
どんなブランドにしたいのか、どんな距離感でお客さんと一緒にいたいのか、深ぼった時に浮かんだ答えを実現する手段は、この時代だからこそたくさんあるはず。
と言及していました。これを読んでいて、ブランドにおいて、どうゆう距離感で、ユーザーと接するかをあらかじめ定義するのが重要だと思いました。
COHINAの場合は、ユーザーと伴走する、つまりユーザーと近い距離で商品を作っていくブランドだと思います。
逆に、高級なブランドであれば、ユーザーとの距離は遠くなる気がしています(手の届かないイメージなどをブランディングさせるために)。
なので、ここの距離感は
どのユーザーをターゲットにするのか?
→ターゲットに合うようにどのようなブランディングをしていくのか?
→そのためにどのくらいの距離感でユーザーと接していくのか?
みたいに深ぼっていくと自ずと見えてくる部分なんだなと。
この部分は、今回COHINAを分析していく中で見えた発見でした。
小柄な女性が役に立つ情報を得られるインスタグラム
後にも記述しますが、上記のインスタLIVEや、インスタグラムの投稿を見る限り、小柄な女性が役に立つ情報を得られるようなアカウント設計を行っていました。また、サブアカウントで実際に買ったユーザーのCOHINAコーデを紹介しているのもポイントです。
実際に、インスタグラムについて共同創業者の清水さんも、記事でこのように言っていました。
小柄な女性がフォローすると、何かしら役立つ情報を得られる場所にしたかった
商品もない段階から、インスタグラムを開設し、当時は小柄な女性に役立つ情報を発信しており、この軸は今もぶれていません。
COHINAの特徴が分かったところで、フレームワークに沿って、COHINAを分析して行きます。
【PEST分析】
コロナの影響で外部環境は大幅に変化しました。COHINAで言うと、リモートワーク増加によって、ECの利用率が増えたことや、外出自粛によって外出用の私服を着る/買う機会が減っていることが影響していそうです。
【競争環境】
COHINAを取り巻く、業界競合、価値競合、ユーザーのニーズをまとめると、上記のようになります。この上で、COHINAが競合には満たせていない、ユーザーのニーズを満たしているものが成功している要因になります。
洋服をオンラインで売る上で、重要なポイントは、その服のサイズ感や、着た際の雰囲気をどのように表現し、それをユーザーに理解してもらえるかだと思います。
これを踏まえた上で、COHINAは、先ほど言及した通り、インスタグラム上での投稿や、インスタLIVEを通じて、ユーザーと密接につながりながら、販売し、ファンを獲得していました。
そこでCOHINAと競合企業のインスタグラムのフォロワーや投稿の内容を比較してみると、何個か気付きがありました。
まず、競合のインスタグラムの投稿を見てみると、
1枚目の投稿(投稿のTOPに表示される画像)に、服単体の画像や、服にフォーカスしている画像が多く、服の印象がわかる投稿が多かったです。
一方、COHINAでは、
モデルの身長を一緒に明記しており、アカウントに再来訪した際に、自分の身長にあったモデルの投稿が直感的にわかるようになります。
そのため、自ずとエンゲージメント率が高くなり、投稿が読まれる確率や、リピート率、投稿を保存してもらえる確率が高くなると考えられます。
また、IGTVの投稿も同様で、モデルの身長が書いてあり、見やすかったです。
また、インスタグラムの投稿を保存した際にも、同じように身長が明記されているので、保存した投稿が見やすいように設計されています。
上記のことからわかるように、COHINAのインスタグラムは、小柄な女性のために考え抜かれたアカウントと言えるでしょう。
さらに、インスタグラムのフォロワーや投稿件数などの全体感(2020年8月現在)を比較すると下記のようになります。
以上のことから、他の競合と比べて、インスタグラムのフォロワーの数、コンテンツの質/量共に、競合を凌駕していることがわかります。
【マーケティングミックス】
基本的にプロモーションはWEBのみでした。その中でも、上記の特徴や競合環境のところでも書いてあるとおり、インスタLIVEによる双方向のコミュニケーション、ユーザーに寄り添ったインスタグラムの投稿は特徴的です。
また、現在は非アクティブですが、SNS広告などの有料広告も行っていました。
最後に競合のECサイトとのセッション数の比較をすると、下記のようになります。
インスタグラムと同様で、COHINAがダントツでセッション数が多いです。
【STP分析】
セグメンテーション/ターゲット
ターゲットとしている層は20~30代の女性です。
行動特性としては、SNSで情報収集をすることが多い
YouTubeやTikTokなどの動画を通じて、物を衝動的に買ったりなど、インフルエンサーの影響を受けやすい
などが考えられます。
また嗜好性としては、
コミュニティなど、人との繋がりを大切にする
使用シーンやプロダクトのオシャレさを重視する
可愛い系よりもシンプル、きれいめの服を着たい
などが考えられます。
KWとしては、
・コミュニティなど、人との繋がりを大切にする
・SNSや動画で情報収集
・可愛い系よりもシンプル、きれいめの服
がポイントになってきます。
ポジショニング
上記のターゲティングを踏まえて、売り場(オンライン/オフライン)× ユーザーと距離のポジショニングを取りに行っていると考えられます。
まとめ
以上D2CブランドCOHINAの分析でした。
インスタグラムを通じて小柄な女性に価値を届けているCOHINAに目が離せないですね。
最後に、D2Cの教科書を運営している株式会社NILでは、D2Cブランド立ち上げのサポートを行っております。
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また「ぜひnoteに取り上げて欲しい!」というD2Cの会社様がいらっしゃいましたら、同様にこちらから連絡ください!