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ChatGPT:プロンプトをAIに直してもらうテクニック
生成AIにプロンプト(指示文)を言い換えることで指示の意図を明確に伝え、より良い答えを引き出すRaRメソッドを紹介します。この方法は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者によって発表された「RaR(Rephrase and Respond)」の論文をもとにしています。
RaRメソッド(Rephrase and Respond:言い換えて応答する方法)
論文を超ざっくりと要約
RaRメソッド(Rephrase and Respond)は、大規模な言語モデル(LLM)を使って、応答生成の精度と関連性を高めるための手法です。これは、受け取った情報や問題を「言い換える」という方法でより明確に理解し、それに基づいて適切な対応を提案します。具体的には、元の質問を異なる形に言い換えてLLMに提示し、その結果から応答を生成します。このプロセスにより、モデルが正確な情報を提供し、関連性の高い応答を行うことが目的です。この手法によって、AIとのコミュニケーションが効率的になり、問題解決のためのアイデアを豊富に得ることができます。具体的なテクニックについては以下の2つが述べられています。
1.One-step RaR(ワンステップRaR)
ワンステップRaRは、質問を一度だけ言い換えてAIに提示するシンプルな方法です。このテクニックは、すぐに情報が必要なときや、質問の意図を明確にしたい場合に特に有効です。
具体例: あなたが料理のレシピを探しているとします。
・元の質問: 「夕食に作る簡単なレシピは?」
・言い換え: 「30分以内で作れる夕食のレシピはありますか?」
・効果:時間制限を明確にすることで、AIからの回答がより有用なものになることが期待されます。
2.Two-step RaR(ツーステップRaR)
ツーステップRaRでは、質問を2段階に分けてAIに提示します。最初に広範囲な質問をし、その回答をもとにさらに具体的なフォローアップの質問を行います。これは、より詳細な情報や深い理解が必要な場合に役立ちます。
具体例: あなたが新しい趣味を探しているとします。
・ステップ1の質問: 「家でできる趣味は何がありますか?」
・ステップ1の回答を受けてのステップ2の質問: 「その中で初心者でも始めやすい趣味はどれですか?」
・効果:最初の質問で得た情報を基に、より具体的な情報を深掘りすることができます。これにより、自分に合った趣味を効率的に見つけることが可能になります。
結論
いずれのテクニックとも生成AIとのやり取りを最適化するための有効な手法です。ワンステップRaRは情報を素早く収集するのに役立ち、ツーステップRaRは詳細な情報や深い理解を求める場合に適しています。これらのテクニックをマスターすることで、日常生活のいろんな場面で生成AIの能力を効果的に活かすことができます。
AI自体に質問文を直してもらうプロンプト
RaRメソッドを利用して、AI自体にプロンプトを修正してもらう方法も効果的です。曖昧な箇所は、情報を追加して改善していくことで、意図や目的がより明確になるでしょう。なお、GPT-3では、追加情報を求める傾向があるようですが、GPT-4では不明瞭な情報を拡張してプロンプトを提案してもらえることが多いです。
RaRメソッドを応用したプロンプト
上記の質問文を、あなたが、より良い回答ができるように改善してください。ただし、元の質問の意図を保持しつつ、不明瞭な点を補い、具体的な情報や文脈を加えることで、質問がより理解しやすい形になるよう言い換えてください。
使用例(環境問題について、どう思いますか?)
環境問題について、どう思いますか?
上記の質問文を、あなたが、より良い回答ができるように改善してください。ただし、元の質問の意図を保持しつつ、不明瞭な点を補い、具体的な情報や文脈を加えることで、質問がより理解しやすい形になるよう言い換えてください。
ChatGPT
「環境問題、特に気候変動、プラスチック汚染、または生物多様性の減少に関して、あなたはどの分野が最も緊急に対処すべきだと考えますか?これらの問題に対して、政府や個人が取り組むべき具体的な行動は何だと思いますか?」
この改善された質問は、以下の要素を含んでおり、元の質問の意図を保持しながら、より明確で具体的な回答を促します。
特定の環境問題の識別:気候変動、プラスチック汚染、生物多様性の減少といった、具体的な環境問題を明示しています。これにより、回答者は特定の問題に対する見解を表明しやすくなります。
緊急性の評価:「最も緊急に対処すべきだと考えますか?」と尋ねることで、現在の環境問題の中から優先順位を決めるよう促します。
対策に関する意見の要求:政府や個人が取り組むべき「具体的な行動」について尋ねることで、実践的な解決策や提案を引き出します。
これらの要素を加えることで、質問はより具体的な文脈を提供し、回答者が自分の見解を詳細に、そして具体的に表現するためのガイドラインを設定します。
まとめ
RaRメソッド(言い換えて応答する方法)は、AIとの対話を有効に活用するための方法です。ビジネスシーンでも、要約や要点を明確にして相互の理解を確認する場面は多くあります。ビジネスでこのメソッドを上手く使う人は、AIにも適切な指示することが得意かもしれませんね。
これからも、生成AIに関連する情報やデジタル関連の記事を中心に投稿しています。もしよろしければ、スキやフォローしていただければ幸いです。