ブラームス
2009年に公開され、観に行った。
「クララ・シューマン 愛の協奏曲」
原題は「Beloved Clara」、最愛のクララだ。
監督、脚本はブラームスの子孫、
ヘルマ・サンダース・ブラームス。
シューマンはショパンと共に、
ロマン派の代表で、歌曲に優れていた。
そして、ショパン同様、
人間らしく悩みながら生きていく。
特にクララ・シューマンとの関係、
さらに若きブラームスとの関係は、
ロマン主義の象徴であった。
特にそれまで僕は、ブラームスを古典回帰、
ベートーヴェン崇拝として、想像していたので、
この映画で、人間らしさを知って見直した。
それこそブラームス監督の思うツボである。
シューマンの楽曲より、
ブラームスの楽曲を聴くことが増えた。
いずれシューマンを聴くことになることも、
なんとなく僕自身わかっていたからだ。
大好きなベートーヴェン以外の交響曲で、
ベートーヴェンらしさを感じるのは、
やはりブラームス以外にいない。
ブラームス自身、そこにとてつもない苦痛があり、
改めてベートーヴェンの偉大さを思う。
着想から21年と言われる1876年に、
交響曲第1番ハ短調作品68。
この第1楽章の冒頭、聴くたびに戦慄した。
85年に最後の交響曲第4番を完成させる。
まるでブラームスの傑作の森だ。
最後のピアノ協奏曲第2番は81年だった。
ポリーニをはじめ、今もよく演奏されている。
1896年にクララ・シューマンが亡くなり、
ブラームスは後を追うように97年に逝去した。
まさに、ロマン主義の王道である。