ショパン
ベートーヴェンの次に僕がよく聴いたのは、
フレデリック・ショパンだ。
ピアノを弾いていたせいもあるが、
大好きなポリーニが、ショパンをよく弾いた。
ショパンのほとんど全てを録音したと思う。
若い時とまた違う演奏の再録も多い。
ショパンは1810年に生まれる。
ベートーヴェン、傑作の森の時期だ。
その年は名曲「エリーゼのために」や、
ピアノ・ソナタ第26番「告別」作品81を、
作曲したと言われる頃だった。
産業革命やフランス革命によって、
ヨーロッパ大陸はますます狭くなり、
民族や階級の対立が強まっていく。
ショパンはフランスに長く滞在したが、
ポーランド人として母国を慕う。
ピアノ・ソナタ第2番変ロ長調作品35「葬送」、
ポロネーズ第6番作品53「英雄ポロネーズ」など、
愛国心の誇りから、数々の名曲が生まれた。
ショパンは病弱で、39歳の生涯だった。
ジョルジュ・サンドとの交際や、
ドラクロワとの親交など、ロマン主義の象徴だ。
ショパンの楽曲は、抒情豊かである。
1960年、ショパン国際ピアノコンクールを、
18歳で優勝したポリーニは、
その卓越した技巧だけでは満足しなかった。
ドイツ・グラモフォンで、
録音を始めたのは1971年。
いつの間にかショパンの、
ほとんどのアルバムを持っていた。
ポリーニは2000年代、よく来日した。
日本人もショパンが大好きだ。
2001年、2002年のポリーニ・プロジェクト、
2004年、2005年、2006年と続く。
毎回、ショパンを弾いてくれた。
アンコールを待つあの時間や、
サントリーホールを出る時の、
あの高揚が忘れられない。
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