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【メンバーインタビュー】大企業との副業 ロケット開発から細胞管理へ、システム開発で新しい価値創造を
サイトロニクス株式会社(以下「Cytoronix」)のメンバーインタビュー第3弾。今回は、副業で関わるエンジニア 井出尭夫さんにインタビューしました。
プロフィール
井出 尭夫 | プロフィール
大阪大学工学部、同大学院修了。2012年、株式会社IHIに入社。入社当初より株式会社IHIエアロスペースに出向し6年間、イプシロンロケットの電気系システム(アビオニクスシステム)開発に従事。2018年に株式会社IHIの現所属に出向復帰し、グループ企業内共通のIoTプラットフォームの開発・運用を担当。2021年8月からCytoronixにボランティアとして参画開始。2021年12月からはDigital Culture Roomの凍結細胞スマート管理機能開発の本格化に伴い、IHIの兼業(社外副業)制度を利用し本格的に参画中。
【所属】
株式会社IHI
高度情報マネジメント統括本部
IoTプロジェクト部ビジネスプラットフォームグループ
Cytoronixにジョインするまで
― 井出さんは元々CEOの今井さんの知り合いとのことですが、お二人が出会ったきっかけを教えてください!
今井さんとは、大学、学部、学科が一緒でした。名前順でクラス分けされる大学で、学籍番号が近く同じクラスになったのがきっかけで親しくなりました。お互い同じ大学院に進んだのですが、今井さんは3年で大学を卒業したので、今井さんが大学院を卒業するまでの5年間はよく会っていました。その後も連絡は取っていて、彼が浜松の大学にいた時も遊びに行きましたし、就職後もSNSでつながっていました。
― そこからCytoronixにジョインしたのはどういう経緯だったのですか?
今井さんが新規事業を考えているという話は数年前から聞いていました。実は、当初オファーがあったのは私ではなく私の妻だったんです。
― そうだったのですね!
はい。妻は大学で事務の仕事をしていたので、Cytoronixの事務職としてオファーをいただいたのですが、子育てなどで忙しくお断りする結果になりました。
ただ、会社の概要を一緒に聞いているうちに、現在自分がしているIoTの仕事が何か使えそうだなと思い、「何かできることがあったら手伝おうか?」と軽いノリで伝えました。昨年の夏くらいに川崎のオフィスに遊びに行かせてもらい、その日にはもう一緒にやることになっていましたね(笑)。
副業を行うには会社への申請が必要だったので、本格的に関わるようになったのは、昨年の12月からになります。
― 申請すれば副業できる会社だったのですね。
元々副業はできなかったのですが、2021年1月から新制度が設けられ副業が解禁されました。コロナ禍で在宅勤務をするようになったり、週に一度は休業するという一時帰休を行っていたり、働き方の変化に応じて、制度としても多様な働き方ができるように変わってきましたね。
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ロケット開発から始まった大手メーカーのキャリア
― 本業では何のお仕事をされているのですか?
IHIでIoTの仕事をしています。時代の流れもあって、IHIでも製品をIoT化していきましょう、データをとってクラウドに集めて価値創造していきましょうという動きがあり、グループ全体に向けてクラウドのプラットフォームを自社開発しています。私はその運用や開発に携わっています。
― IHIではどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
2012年4月にIHIに入社し、最初はIHIエアロスペースというロケットをつくる会社に出向しました。そこでは「イプシロンロケット」という、「H-IIロケット」の脇に複数本付いている白い補助ロケットをベースにした衛星を打ち上げる小型ロケットをつくっていて、その電気制御のシステム設計を担当していました。
― 元々ロケット開発に関わることを志望されていたんですか?
それがそうでもなくて(笑)、元々は別の部署を志望していました。大学時代はプラズマについて研究していて、宇宙空間のプラズマを模擬する実験を行っていたこともあり、宇宙関係の会社に配属されました。今振り返ると、入社時がちょうどイプシロンロケットの1号機を打ち上げる直前だったので、人材が必要だったんだと思います。2012年から2018年1月までIHIエアロスペースにいて、2018年2月から現在のIoTの部署にいます。
ロケットから細胞管理のシステム開発へ
― Cytoronixではどんな業務を担当していますか?
今担当しているのは、細胞を管理するためのシステム開発です。細胞を小指くらいの大きさのカプセルに入れて-80℃や-196℃の冷凍庫に保管されるお客様に対して、何をどこに入れたか管理をするためのクラウドシステムを開発しています。冷凍庫を何度も開けたり、開けっ放しにしたりすると冷凍庫内の温度が上がってしまうので、開け閉めしなくても冷凍庫のどこにどの細胞がいくつ保管されているかを分かるようにする仕組みをつくっています。新しいシステムをつくるために、お客様がどういう業務フローで細胞を取り扱って冷凍保管庫を使っているのか、どのような機能があると良いのか、昨年の10月くらいからヒアリングをしてきて、2月にソフトウェアの新機能としてリリースできました。
プレスリリース:細胞管理クラウドウェア「Digital Culture Room」凍結在庫スマート管理機能をリリース
― ちなみに、本業を活かせそうだと思ったのはどのようなところですか?ロケットと細胞管理、規模は違っていても、システム開発という意味では共通する部分もあるのでしょうか?
当然、ロケットと細胞管理は全然別物なのでつくり方は全く違います。とは言え、システムを組み立てるためのパーツは似たようなものを使っています。システムをどう組み合わせれば良いのかはこれまでの知識としてあるので、それを念頭に置きつつ、細胞管理の場合はお客様にヒアリングしながらどういうものをつくれば良いのかを定義して進めています。大事なのは「いかにお客様のニーズにマッチしたものをつくれるか」なので、そこの定義は丁寧に行うようにしています。これまでの仕事は自分が使う側でもあったので、ある種自分が使いたいものを自分でつくるという感覚がありましたが、Cytoronixでは人が欲しいものをつくるということころが違いますね。
― そうなると、お客様へのヒアリングが重要になってくるんですね。
はい!めちゃめちゃ重要だと思っています!
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本業大企業、副業スタートアップのリアル
― 大企業とスタートアップでの違いは感じますか?
やはりスピード感が全然違いますね。何かをやろうと思ってから実際にやってみるまでが、本当に速いです。大企業では何かをする度に決裁が必要で時間を要するので、Cytoronixではそういったことに時間をかけずに、お客様のところにすぐに聞きに行って、その後すぐにソフトをつくり始めることができています。
― 本業と副業のバランスは上手くとれていると思いますか?
ちょっと微妙ですね。現時点では本業が若干忙しくて、本当はもっと副業に時間を割きたいけどできてない、という感じです。本来はスタートアップのスピード感で動きたいのですが、100%フルコミットしているわけではないので、少しもどかしさがあります。一方で、速い時には3日間くらいでダダダダッと物事が進むので、そのスピードに乗っているときは楽しさを感じます。
これからの目標
― 今後Cytoronixでどんなことを実現していきたいですか?
まずは、今の仕組みをちゃんと充実したものにしていきたいです。お客様が「これは必要だ」、「これは役立つ」と思えるものをつくって届けていくことに貢献できたらいいなと考えています。
― 本業やCytoronixに限らず、キャリアの夢や目標はありますか?
会社を辞めてラーメン屋を開きたいと思っていた時期もあったのですが(笑)、ITやIoTは特に技術の進歩が速い世界なので、新しい技術を取り入れながら新しいものをつくっていくというのを常に続けていきたいと思っています。新しいことが必要とされているか怪しくなる時もあるのですが、逆にこれは何に使うと良いだろうと、役立つ先を考えるのも楽しいですね。
Cytoronixで一緒に働きたいのは「ディスカッションを楽しめる人」
― 仕事をする上で大事にしていることや心掛けていることはありますか?
楽しくやりたい、遊び心を大事にしたいと思っています。みんなで集まってわいわいがやがやというのも楽しいですし、一人で黙々と作業しているのも楽しいです。自分がこうかなと思ったこと、自分がやりたいと思ったことをちゃんとやれているかが楽しさにつながっているのだと思います。色々な人のアイデアを吸収しながら自由にやりたいことができるとさらに楽しいですね。
― Cytoronixではどんなメンバーと一緒に働きたいですか?
Cytoronixは今までにないものをつくっている会社なので、開発の過程でいろいろ仮説が出るんですよね。それをメンバー同士で、ああじゃないかこうじゃないかとディスカッションしながら進めています。そういったディスカッションを楽しめる方と一緒にできたら良いと思います。実際、話すと結構熱くなるんですよね。KBICのオフィスで今井さんや香西さんと夜20時や21時くらいから話し込んで盛り上がる日もあります。「今までにないものをつくりたい」という想いがあり、ディスカッションを楽しめる方に、ぜひジョインしていただきたいです。
― 井出さん、ありがとうございました!
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