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質の悪い直球より、質の良い変化球を中心に投げた方がよいのではないか?

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

以前、DELTA社が有料会員向けに配信しているメールマガジン「1.02 Weekly Report」にて、ボストン・レッドソックスが速球の割合を減らすことで、投球成績を改善したという記事が取り上げられていました。簡単に説明すると、質の悪いストレートを投げるのを辞めて、質の良い他の球種を投げようということなのですが、よくよく考えてみれば至極当然のことでもあるように思えます。
ストレートを中心に変化球を織り交ぜるというのがピッチングの常識となっていますが、その常識を覆し、得意球種を多めに投じた方がよいのではないでしょうか?そこで、本noteではPitch Valueがマイナスとなっている球種を多く投じている投手を確認していきたいと思います。対象とするのは一軍で10イニング以上を投げている投手です。


ストレートがマイナスの投手

床田

 一般的な投手と比べるとストレートに頼り切りというわけではない床田ですが、それでもストレートの割合が最も多く、そのストレートのPitch Valueが-0.74とマイナスとなってしまっています。割合の少ないパームが1.42とプラスなため、もう少しストレートをパームに置き換えてもよいかもしれません。

九里

 こちらもストレートに頼り切りというわけではありません。しかし、2シームと合わせると36%と速球系が3割以上を占めており、どちらもPitch Valueがマイナスとなっているため、質の悪い速球を多く投じていると言えるかもしれません。その2つに加えてスライダーもマイナスとなっているため、来季はこれらの球種をカット・カーブ・フォークと置き換えてもよいかもしれません。

玉村

 投球割合はストレートが1位、スライダーが2位というオーソドックスなものになっています。ただ、Pitch Valueはストレートがマイナスとなっている一方でスライダーはプラスとなっているため、もっとスライダーを増やしてもよいかもしれません。また、同じ速球系でも2シームは1.40と最大のプラスとなっているため、ストレートを2シームに置き換えるのが得策かもしれません。

コルニエル

 ストレートが6割近くと投球の中心となっていますが、Pitch Valueは-0.81と質はあまり良くはなかったようです。また、2シームも-1.14と悪くなっており、速球系はどちらも質が悪かったようです。変化球3つはプラスとなっているため、もっと速球を変化球に置き換えた方がよさそうです。

割合の多い変化球がマイナスの投手

森下

 ストレートが中心で、Pitch Valueは1.00とプラスを生み出せていますが、2番目に割合の多いカットボールが-0.23と悪くなっています。これまでの投手とは逆に、ストレートの割合を増やした方がよいかもしれません。チェンジアップもプラスのため、ストレートとチェンジアップで緩急をつけるパターンを多くしてもよいのではないでしょうか。

塹江

 ストレートが7割以上とかなり頼り切りになっていますが、Pitch Valueが0.13とプラスになっているため、そこまで問題はなさそうです。ただ、第二の武器であるスライダーは-0.83とマイナスとなっているため、3割弱の変化球の構成は再考の余地がありそうです。

矢崎

 ストレートとフォークのツーピッチとなっていますが、フォークのPitch Valueが-0.27とマイナスとなってしまっています。スライダーは2.08とプラスとなっているため、スライダーの割合を増やした方がよさそうです。

松本

 ストレートが56.6%と半分以上を占め、Pitch Valueは2.41とプラスとなっています。一方で、ストレートの次に割合が多いカットボール-5.39とマイナスとなっており、これは割合を減らした方がよさそうです。イニング数が少ないために数字が大きくなっている感はありますが、カットボールとカーブを減らしてストレートとチェンジアップを増やしてみるのも、再び一軍で輝くための1つの手かもしれません。

常廣

 ストレートの割合が55.4%、Pitch Valueは3.05とプロの一軍レベルでも常廣のストレートは通用していたようです。ただ、変化球は3球種ともマイナスとなっているため、こちらはまだ通用していなかったようです。常廣に関してはルーキーのため、割合を変えるというよりは精度を上げることを目標とすべきでしょうか。

まとめ

 以上、球種構成を変えるべきかもしれない投手を確認していきました。
 確認してみると、ストレートの割合が多いもののPitch Valueがマイナスの投手は意外といないことが分かりました。NPBのストレートの投球割合の平均は43.8%なのですが、それより割合が多くてマイナスなのはコルニエルのみでした。全体的にそこまで球種構成を変える必要はないかもしれませんが、床田のパームや九里のカットボール、玉村の2シームなどは割合を増やせば成績が良化する可能性もそれなりにありそうです。特に玉村はストレートがマイナスのため、ストレートと球速がほぼ同じの2シームに置き換えることも容易なのではないでしょうか。来季の球種構成に注目しておきたいと思います。

画像引用

データ参照


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