【データ分析】2023年を振り返る ー秋山翔吾外野手ー
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。
今日は秋山翔吾外野手です。
選手詳細
秋山 翔吾(あきやま しょうご) 外野手 35歳 184cm86kg 右投左打 2010ドラフト3位
基本成績
一軍
二軍
寸評
NPBのシーズン最多安打記録保持者でもある、言わずと知れた天才打者。今季は開幕から好調を維持し、多くのチームの勝利に貢献したが、6月以降は調子を崩し、負傷離脱もするなど不完全燃焼のままシーズン終了となった。来季は一年間一軍に帯同し続け、NPB復帰後最高のシーズンとしたいところだ。
分析
※二軍成績はサンプル不足のため割愛させていただきます。
Pitch Value
2シーム・スライダー・カットボール・シンカーがプラスとなりました。特にシンカーは、2年連続で13点台と非常にプラスが大きく、かなり得意としていることが分かります。また、スライダーとカットボールも2年連続でプラスとなっており、スライダー系の球種を得意としていることも推測されます。
Plate Discipline
コンタクト率・空振り率・Whiff%はいずれも平均よりも優れた数字となっており、空振りは少なめであったことが分かります。また、Put Away%が18.3→12.9と大幅に改善されており、三振は少なくなっていたことが推測されます。昨季よりも追い込まれてからの粘りを発揮できていたようです。
Batted Ball
昨季はフライボールヒッターでしたが、今季はグラウンドボールヒッターとなっています。これまでのキャリアを見ても2014年以降は毎年ゴロ率の方が高くなっていたため、今季は例年通りの数字に戻ったと言えそうです。
打球方向は、昨季に続いてセンターが最も多くなっています。引っ張りと流しに大きな差はなく、センターを中心に3方向にまんべんなく打ち分けていたようです。
打球の強さは、Soft%・Hard%ともに昨季より良化し、平均よりも優れた数字となっていました。特に、Soft%が29.3→12.7と劇的に改善されており、打ち損じがかなり少なくなっていたことが推測されます。
Advanced
良化したスタッツが多くなっていました。BB%とK%はともに良化し、BB/Kは平均より優れた0.43となっていました。昨季はMLBとNPBのストライクゾーンの違いに苦しんだものの、今季はしっかりと適応できていたことが推測されます。しかし、打率は上昇したものの、長打率が低下したことでOPSも低下しており、ISOも.101とルーキーイヤーを除くとキャリアワーストタイの数字となっていました。長打力にはやや衰えが見えてきているようです。ただ、それでもwRC+は107と平均以上の数字を残しており、まだまだレギュラーに相応しい選手と言えそうです。
SPDとUBRは平均以上とプラスとなっており、35歳になってもなお、スピードも走塁技術も衰えてはいないことが推測されます。
Fielding Standard
センターとライトに就きました。ほとんどがセンターでの出場となりましたが、4エラーで守備率(FP%)は.984と若干低い数字となってしまいました。
Fielding Advanced
ライトのUZRはマイナスとなりましたが、センターでは5.2と近本に次いでリーグ2位の数字をマークしました。これは2014年以降では2015年の5.4に次いでキャリアで3番目に高い数字となっており、35歳にして若手の頃と変わらぬ守備能力を有していることが推測されます。特にARM(送球による貢献)が高く、強肩でチームに貢献するケースが多くなっていたようです。
Win Probability
全てのスタッツが良化となりました。重要な場面で結果を残し、得点期待値を上昇させるケースも多くなっていたことが推測されます。
Value
こちらも全てのスタッツが良化となりました。特に守備(Fielding)が-3.1→4.3と劇的に改善され、WARを3.0まで伸ばすことに成功しました。ただ、2014年からMLBに移籍する2019年まで毎年5.5以上のWARを残していた秋山としては、この数字は納得がいくものではないでしょう。年齢的にフル出場して5.5以上を残すのは難しいかもしれませんが、今季よりさらに1勝分積み上げた4.0以上を来季は目指してもらいたいところです。
まとめ
後半の失速もあり、OPSやwRC+は昨季を下回ってしまいましたが、それでも平均以上の数字は残していました。NPBのストライクゾーンに再適応してBB/Kを改善し、打ち損じも減らしてSoft%を低下させるなど35歳ながら衰えに抗って成長する姿も見せてくれました。好不調の波をなくし、怪我による離脱もなくなればチームを優勝に導く活躍もできるはずなので、来季はどれだけ良いコンディションを保てるかに注目したいところです。
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