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【データ分析】2024年を振り返る ー森翔平投手ー
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。
本日は森翔平投手です。
選手詳細
森 翔平 (もり しょうへい) 投手 27歳 177cm82kg 左投左打 2021ドラフト2位
基本成績
一軍
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二軍
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寸評
覚醒が期待される先発ローテ候補左腕。今季は一軍での登板が昨季から約半分となったが、プロ初完投をマークするなど結果を残し、WARも昨季を上回る0.4をマークした。来季は九里が抜けた穴を埋める活躍が期待される。
分析
Pitch Type
一軍
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二軍
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基本的にはストレート・2シーム・スライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォークの7球種で構成されています。一二軍ともにストレートの割合が40%以下となっており、変化球中心の配球となっていたことが分かります。二軍ではパームやナックルに適用されるSP%が0.1%となっており、チェンジアップやフォークとも違う特殊な球種をわずかに投げていたようです。
平均球速は一軍で143.5km/h、二軍で142.6km/hと平均よりも遅くなっています。全体的に球速は低下しており、意図的かそうじゃないかは分かりませんが、出力は低下していたことが推測されます。
Pitch Value
一軍
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二軍
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一二軍ともにプラスとなっているのは、ストレート・カーブ・チェンジアップです。特にチェンジアップは一軍の割合の多い球種の中では最も大きなプラスとなっており、得意球として機能していたことが推測されます。
Plate Discipline
一軍
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二軍
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一二軍ともにWhiff%とゾーン率が平均よりも優れており、奪空振り能力と制球力のどちらも平均以上であったことが分かります。特にボールゾーンコンタクト率が平均よりかなり低く抑えられており、ボール球で空振りを多く奪っていたことが推測されます。
Batted Ball
一軍
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二軍
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一軍ではゴロ率、二軍ではフライ率の方が高くなっています。プロ入り以降の森は基本的にはゴロ率の高いグラウンドボールピッチャーなのですが、昨季と今季の二軍ではフライ率の方が高くなっています。原因は断定できませんが、一軍と二軍で球質が変わるということはないはずなので、配球が変化している(高めの要求が増えているなど)可能性が考えられます。
一軍
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二軍
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Soft/Hard%は一二軍ともに昨季より良化しています。二軍のHard%がやや平均より高くなってしまっていますが、それ以外では平均より優れた数字を残しており、打球管理に関してはある程度結果を残していたと言えそうです。
Advanced
一軍
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二軍
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一軍では多くの指標が良化しました。特にBB%は平均7.0%に対して3.7%とほぼ半分にまで抑えられており、与四球が非常に少なかったことが分かります。そのため、K%が15.6%と平均以下ながらも、K-BB%は11.9%と平均以上となっています。無駄な出塁を許していないことでWHIPも1.09となっており、FIPとtRAも2点台と優れた数字を残しています。
二軍では多くの指標が悪化しました。ただ、これは昨季の数字が非常に優れていたためであり、今季もK-BB%は17.6%、tRAは2.95と充分な数字を残しています。
Win Probability/Value
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こちらの項目は一軍の数字のみを掲載します。
良化した指標が多くなっていますが、未だマイナスなものも見られます。ただ、昨季からイニング数を減らしながらWARは伸ばすことができているため、今季の投球内容が優れていたことがよく分かります。
まとめ
奪空振り能力と制球力で結果を残したシーズンでした。特に制球力が優れており、BB%の低さはリーグの先発投手ではトップクラスでした。打球管理にも優れているため、奪空振り能力をさらに伸ばしてK%も平均以上にすることができれば、失点阻止能力はさらに向上し、堂々とローテを守れるような投手に成長できるでしょう。来季の活躍が楽しみな投手の1人です。
画像引用
データ参照