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【データ分析】2024年を振り返る ー塹江敦哉投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。

本日は塹江敦哉投手です。


選手詳細

塹江 敦哉 (ほりえ あつや) 投手 27歳 178cm90kg 左投左打 2014ドラフト3位

基本成績

寸評

豪速球が持ち味の左腕リリーバー。今季は黒田アドバイザーの助言を受けてサイドスローに転向したが、これが見事にハマって開幕一軍を勝ち取り、53試合に登板するなど1年間一軍のブルペン陣を支え続けた。来季はセットアッパーやクローザーなど、よりよいポジションでの登板を狙っていきたいところだ。

分析

※昨季の一軍成績はサンプル不足のため割愛させていただきます。

Pitch Type

 ストレート・2シーム・スライダー・フォークの4球種で構成されています。ストレートが70.6%、スライダーが25.5%と2球種で96%以上を占めており、ほぼ2ピッチであると言えます。ルーキーイヤーからこの2球種が軸となっていましたが、ストレートはこれまで60%を超えたこともなく、今季は特にストレートの割合が多くなっていたことが分かります。サイドスローに転向し、ストレートにかなり手応えを感じていた可能性が考えられます。
 平均球速は149.8km/hと150km/hに迫る数字を残しています。40イニング以上を投げた日本人左腕では2番目に速い数字となっており、日本人左腕という括りでは屈指の球速となっていることが分かります。

Pitch Tempo

 ランナーがいない場面ではTempo+/-が0.0、Timer Equiv.は9.6となっており、平均的なテンポで投じていたことが分かります。一方で、ランナーがいる場面ではTempo+/-は1.8と平均よりもテンポが悪く、Timer Equiv.も21.5でピッチクロック違反となる数字になっています。ランナーがいない場面での投球テンポは改善する必要がありそうです。

Pitch Value

 2シームとフォークがプラスとなりました。軸となっている2球種はどちらもマイナスと意外な結果になりました。0点台とマイナスを小さく抑えることはできており、全く効果的に使えていなかったというわけではありませんが、2シームやフォークの割合をもう少し増やすべきかもしれません。

Plate Discipline

 コンタクト率・空振り率・Whiff%はいずれも平均より悪くなっており、空振りはそこまで奪えていなかったことが分かります。ゾーン率とファーストストライク率はキャリアハイとなっており、空振りを多く奪うより、ゾーンに投げて打たせて取ろうという意識が強くなっていたという可能性が考えられます。

Batted Ball

 ゴロ率がフライ率の倍以上となっています。これまでのキャリアを見ても基本的にゴロ率の方が高くなってはいましたが、ここまで高くなったのは今季が初めてです。サイドスローにしたことで、ストレートの質(縦変化量など)に変化が生まれていた可能性が考えられます。

 Soft/Hard%はどちらも平均より低くなっていました。凡打になる確率が高い打球、安打になる確率が高い打球のどちらも少なかったことが推測されます。

Advanced

 空振りが少なく、ゾーンに投げ込む確率が高いことをPlate Disciplineにて確認しましたが、K%とBB%のどちらも平均より高いという意外な結果となりました。K-BB%が平均以上のため、結果としては良いのですが、なぜこのような数字になったのかは気になるところです。コースギリギリに多く投じたことによって空振りを奪わずとも三振が奪えたり、ボールが増えて与四球が多くなっていたりしていた可能性が考えられます。
DERが.647とチームの守備力を考えると低い数字になっており、やや運が悪かったことが推測されます。
tRAは2.48と2点台前半にまで抑えられています。被本塁打がなかったこと、K-BB%が高かったこと、Hard%が低かったことなどが要因であると推測されます。

Win Probability/Value

 WPAはプラスと、重要な場面である程度結果を残せていたようです。勝ちパターンに入ることができれば、さらにこの数字は伸びてくるでしょう。また、RE24とREWもプラスとなっており、得点期待値を低下させるピッチングはある程度できていたようです。WARは0.4とチームのリリーバーでは5番目に高い数字となっていました。

まとめ

 ストレートの割合の増加・ゴロ率のさらなる上昇などサイドスロー転向に伴い、数字の変化も多かったシーズンとなりました。ゾーン率もキャリアハイの47.6%と大きく上昇しており、課題となっていた制球難は克服できたと言ってもよさそうです。フライ率を低下させたことで被本塁打もなくせており、とにかく長打を打たれづらい投手になっていたと言えそうです。DER.647という運の悪さがあっての好成績だったため、来季も今季のような成績が期待できそうです。

画像引用

データ参照


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