【データ分析】2024年を振り返る ー九里亜蓮投手ー
どうも、キュプリーヌス（@cyprinus_wrc）です。
昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。
本日はFA権を行使してバファローズに移籍した九里亜蓮投手です。
選手詳細
九里 亜蓮(くり あれん) 投手 33歳 188cm97kg 右投右打 2013ドラフト2位
基本成績
寸評
11年目にして自身初の開幕投手を務めたタフネス右腕。リーグ最多投球回を誇った昨季から一転、今季は規定投球回に届かず2桁敗戦となってしまった。来季は新たなユニフォームを身に纏って腕を振る。
分析
Pitch Type
ストレート・2シーム・スライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォークの7球種で構成されていますが、実際にはさらに球種は多いものと思われます。ストレートの割合が20%台前半と純粋なフォーシームは少なく、変化球中心の配球となっています。平均球速は昨季より約2km/hほど低下していました。
Pitch Tempo
Tempo+/-は-1.1となっており、投球テンポは平均より早かったことが分かります。ピッチクロックが導入されたとしても問題はありません。
ランナーを背負った場面ではさらに平均より早くなる傾向があり、今季のTempo+/-は-4.3となっていました。あまりランナーを気にするタイプではないことが分かります。
Pitch Value
カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォークがプラス、ストレート・2シーム・スライダーがマイナスとなっています。チェンジアップは投球割合が0.1%未満のため、半分がプラス、半分がマイナスという形になっていたことが分かります。フォークに分類されているのが昨季から投じ始めたスプリットチェンジのため、やはりこの新球は効果を発揮していたことが分かります。九里の場合はそこまでストレートを投じる必要もないので、マイナスとなっているストレートはさらに投球割合を減らすのも1つの手かもしれません。
Plate Discipline
あまり三振を奪うタイプではないこともあり、空振り率やWhiff%など空振りや三振に関する指標は平均以下となっています。ストライク率(CSW%)は平均以上となっているため、カウントを整える能力は優れていることが分かります。
Batted Ball
九里といえばゴロを打たせてアウトを取る投手というイメージを持っている方が多いかと思われますが、その通りであることが数字にも表れています。このタイプは長打を浴びる確率は低くなりますが、内野守備次第で成績が大きく変わる可能性も秘めているので、新たなチームでどうなるかは注視したいところです。
Hard%が平均より高くなってしまっています。今季は捉えられた打球がやや多くなっていたようです。平均球速の低下＝球威の低下が原因となっていることが考えられます。
Advanced
K%はわずかに低下しましたが、元々低かったBB%をさらに低下させることに成功し、K-BB%も12.5%と平均以上の数字を残しました。四球による出塁を減らしたため、被打率は上がったもののWHIPは下がっていました。しかし、被本塁打が増えたこともあってtRAは平均より悪い3.57となってしまっています。
Win Probability/Value
昨季と比べると、ほとんどの指標が悪化となりました。Clutchは1.01と苦しいシーズンながらも勝負どころでは力を発揮していたようですが、そもそもの投球内容があまり良くないためWARも0.9と1を割ってしまいました。来季は最低でも規定投球回には到達し、持ち味を発揮していきたいところです。
まとめ
キャリアハイとなった昨季を超えることはできませんでしたが、ローテを守るには充分な数字を残していました。今季に限って見ても129.1イニングを投げているため、この穴をtRA3.57というクオリティを維持しながら埋めるのはなかなか難しいでしょう。カープにとっては痛手となるのは間違いありません。
バファローズに移籍するうえで好材料なのは、周回効果が期待できることです。別リーグに移籍すれば多くの打者とはあまり対戦がないため、打者が九里の投球に慣れるまではそれなりに良い数字を残すでしょう。打者の西川が苦戦したのが良い例です。一方で、内野守備の良いチームから悪いチームへの移籍となるため、成績が低下する可能性が高いというのが懸念点です。来季で34歳と肉体のピークも過ぎているため、過度な期待は禁物かもしれません。
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