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【データ分析】2024年を振り返る ー宇草孔基外野手ー
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。
本日は宇草孔基外野手です。
選手詳細
宇草 孔基 (うぐさ こうき) 外野手 27歳 185cm84kg 右投左打 2019ドラフト2位
基本成績
一軍
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二軍
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寸評
優れた身体能力が最大の武器のハイシーリングな外野手。今季は4月9日の一軍昇格後、27日までに3本のHRを放つなど覚醒を予感させたが、その後は成績を落として7月に二軍降格となり、その後は二軍暮らしが続いた。来季こそは春先の勢いを秋まで維持したいところだ。
分析
Pitch Value
一軍
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二軍
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一軍ではストレート・2シーム・スライダー・チェンジアップ・シンカーがプラスとなりました。これまでのキャリアを見ても一軍でのストレートのValueは全てプラスとなっており、一軍レベルのストレートにはしっかりと対応できていることが分かります。一方で、二軍でのストレートのValueは昨季に続いてマイナスとなっており、二軍ではストレートにやや苦戦しているようです。球速別の通算OPSを見ると150km/h以上が1.102、140km/h未満が.765となっているため、緩いストレートにはあまり強くないことが推測されます。
Plate Discipline
一軍
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二軍
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一二軍ともに空振り率が2桁台となっており、空振りが多い打者であることが分かります。特に一軍ではWhiff%が33.6%とかなり高くなっており、一線級の投手達に対して苦戦を強いられていたことが推測されます。コンタクト能力の低さが宇草の最大の課題と言えるかもしれません。
Batted Ball
一軍
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二軍
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長打力が持ち味の選手ではありますが、ゴロ率の方が高くなっています。この傾向はキャリアを通して一貫しており、宇草は完全にグラウンドボールヒッターであると言えます。ただ、俊足も持ち味の1つではあるので、このアプローチも間違いではないでしょう。
打球方向は、今季は一二軍ともに引っ張りが最も多くなっており、引っ張りの意識が強かったことが推測されます。
打球の強さは、二軍ではSoft/Hard%ともに平均より悪く低調な数字となっていますが、一軍ではSoft%が9.1%と打ち取られた打球がほとんどなかったことが分かります。ストレートのValueの高さやWhiff%の高さなども考えると、一軍では強いストレートに対して思い切りスイングし、強くコンタクトすることを意識しているためにSoft%が低くなっているのかもしれません。
Advanced
一軍
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二軍
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一軍では、低いBB/Kに高いISOと、三振が多いが長打も多いといった数字になっていますが、二軍では高いBB/Kに低いISOと三振が少ないが長打も少ないといった数字になっています。二軍で残した数字の大半は一軍登録抹消後のため、一軍で出た三振が多いという課題を解決しようとした結果、一軍とは真反対の数字となったことが考えられます。二軍で残したBB/Kと一軍で残したISOを一軍で両立させることが理想となってきます。
Fielding Standard
一軍
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二軍
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主にレフトでの出場となりました。一二軍合わせて200イニング以上を守ってエラーは1つとなっています。
Fielding Advanced
一軍
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二軍
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こちらもAdvancedと同じく、一二軍で真反対の数字となっています。ただ、守備指標に関しては相対評価の指標となるため、二軍は守備のレベルが低いために宇草の数字が良くなっているという可能性も考えられます。レフトは守備に難がある選手が集まりやすいポジションでもあるため、その中ではUZRは常にプラスに保っておきたいところです。
Win Probability
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こちらの項目は一軍の数字のみを掲載します。
WPAは-0.09とそこまで重要な場面で活躍できていたわけではないようですが、RE24とREWはプラスとなっており、得点期待値を上昇させることはできていたようです。
Value
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こちらの項目も一軍の数字のみを掲載します。
BattingとBase Runnningはともに1.4となっており、打撃と走塁ではチームに貢献できていたものの、Fieldingは-0.4となっているため守備では貢献はできていなかったようです。宇草孔基という選手のイメージ通りとも言える結果ですが、WARは0.4とわずかながらもプラスとなっており、守備難を補える攻撃力を持つ選手であると言えそうです。
まとめ
明確に課題であると言えるのは守備力です。DHがない現行のセリーグでレギュラーを掴むためには、最低限の守備力は必須となってくるため、ここはなんとか解決しておきたいところです。
打撃面では、一二軍で傾向の異なる数字も出ているため断言するのは難しいところではありますが、少なくともコンタクト能力が課題であることは間違いないでしょう。150km/h以上のストレートへの対応力という明確な強みがありますが、それ故に一軍では変化球中心の配球に苦しむという傾向が続いているとも解釈できます。この変化球への対応さえクリアできれば、高速化が進むNPBにおいて優秀な成績を残せる可能性が高まってくるでしょう。
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