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【データ分析】2024年を振り返る ー石原貴規捕手ー
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。
本日は石原貴規捕手です。
選手詳細
石原 貴規 (いしはら ともき) 捕手 26歳 173cm85kg 右投右打 2019ドラフト5位
基本成績
一軍
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二軍
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寸評
堅実な守備とパンチ力のある打撃が持ち味の若手捕手。今季は2年ぶりに一軍出場を果たすと、攻守でチームに貢献してWAR1.2とキャリアハイの数字をマークした。正捕手である坂倉の壁は高いが、なんとかレギュラーを掴み取りたいところだ。
分析
※二軍成績はサンプル不足のため割愛させていただきます。
Pitch Value
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ストレート・2シーム・カットボール・シンカーがプラスとなりました。球速が速い球種を得意としていたようです。特に2シームのプラスが大きく、内に食い込んでくるボールを苦にすることなく打ち返せていたことが推測されます。ただ、最も被投球割合の多いストレートは0.01、次に多いスライダーは-0.38と多く投じられる球種に対してはあまり良い数字を残せていないため、来季はこれらの球種の数字も改善していきたいところです。
Plate Discipline
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空振り率が11.8%と平均より悪くなっていますが、これは57.5%という高いスイング率が影響しているためであり、コンタクト率とWhiff%は平均よりわずかに良くなっています。コンタクト能力にはそこまで問題はないようです。ただ、ボールゾーンスイング率が43.2%と平均より10%以上高くなっており、ボール球を振らされるケースが多くなっていたことが推測されます。積極的なバッティングスタイルをどうするのかも含め、この弱点をどのように改善するのかを考えていく必要がありそうです。
Batted Ball
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フライ率の方が高くなっています。パンチ力のある打撃が魅力のため、長打を増やそうというアプローチになっていた可能性が考えられます。
打球方向は、センターと引っ張りが多くなっています。ただ、流し方向が極端に少ないわけではなく、コースに合わせた打撃を心掛けている可能性も考えられます。
打球の強さは、Soft/Hard%ともに平均よりわずかに悪くなっています。フライ率の高さも考えると、打球管理はそれなりといったところでしょうか。
Advanced
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三振と四球はどちらも少なく、スイング率の高い選手らしい数字となっています。四球の少なさを改善するために、やはりボール球を振らないことが重要となってくるでしょう。打率・出塁率・長打率・OPSはいずれも平均以下となっていますが、ISOは平均.096に対して.123とある程度高くなっており、長打力は発揮できていたことが分かります。wRC+は106とキャリア初の100超えとなりました。これは100打席以上の捕手では両リーグで7番目に高い数字となっており、坂倉ほどではないにしろ、石原も球界有数の打てる捕手であったということになります。
Fielding Standard
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全て捕手での出場でした。エラーは1つ、盗塁阻止率は.476とやはり守備は堅実であったことがうかがえます。
Fielding Advanced
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併殺完成による貢献(DPR)こそわずかにマイナスとなったものの、それ以外の指標は全てプラスとし、UZRもプラスとなりました。特に盗塁阻止による貢献(rSB)が2.0で両リーグ合わせて5位と優秀で、やはりスローイングで数字を稼いでいたことが分かります。
Win Probability
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RE24とREWはわずかにプラスでしたが、WPAはわずかにマイナスとなりました。重要な場面ではそこまでは結果を残せていなかったようです。
Value
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Battingが0.8、Base Runningが-0.9と打撃で稼いだ数字を走塁が打ち消してしまいましたが、Fieldingが2.2と捕手の守備でプラスを稼いだことでWARは1.2となりました。捕手という非常に難しいポジションを任されながら、打撃と守備でチームに貢献できていました。
まとめ
ある程度優秀なコンタクト能力と打球管理で長打を多く放ち、wRC+106と優秀な数字を残していました。wRC+106とUZR0.0以上の両方を達成した捕手はD宇佐見・De山本・H甲斐・F田宮と石原の5人しかおらず、攻守のどちらも優れた貴重な捕手であったことが分かります。究極に理想なのは143試合フルイニング坂倉捕手固定なのですが、疲労なども考慮すると現実的ではないため、坂倉をファーストやベンチに回し、石原を起用する試合もかなり多くなってくるでしょう。代表クラスの打撃を備えた坂倉・攻守が平均以上の石原という捕手の2枚看板は、カープの大きな強みと言えそうです。
画像引用
データ参照