黒原拓未は左打者の内角に投げられないのか?
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
強力ブルペン陣の活躍が目立つ今季のカープですが、ファンの間で最もその起用法が疑問視されているのは黒原拓未ではないでしょうか。新人王も狙えると言われる中、ここまでは勝ちパターンでもないリリーバーという微妙な立ち位置となってしまっています。
なぜ黒原がそんな微妙な立ち位置となっているのか?という問いに対する答えの1つとして、「左打者の内角に投げ切れないから」という意見が度々見られます。
実際、黒原はルーキーイヤーにジャイアンツの吉川に対して頭部死球を与えた後は一軍登板がなく、今季も初先発のマウンドでベイスターズの度会に頭部死球を与えているため、左打者の内角に投げることに対して恐怖心を覚えてしまっているのではないか?という推測は成り立ちます。
そこで、本noteでは実際に黒原が左打者の内角に投げられなくなっているのかを確認していきます。
※今回使用するデータには多少の誤差がある可能性があります。予めご了承ください。
基本成績
まずは、黒原の基本成績を確認します。
圧巻の成績
通算ではK-BB%23.5、tRA2.03と圧巻の成績で、勝ちパターンに入るべき数字になっていると言えるでしょう。ただ、対右と対左でK-BB%は22.2%、tRAは2.25の差があり、左投手ながら左打者を得意にできていないことが分かります。「得意にできていない」と表現したのは、対右成績が圧倒的すぎるだけで、対左の数字もそこまで悪いものではないためです。左右関係なく1イニングを任せていい投手ではあるでしょう。
左右別投球内容
本noteで確認するのは左打者の内角に投げられているのか?ということなので早速左右別の投球内容を見ていきます。
極端に少ない左内への投球
やや情報量が多い表ですが、注目するのは構えと結果の左内のみでよいでしょう。
まず、左打者の内角に捕手が構えたのは15回だけと非常に少なくなっています。そして、実際に投じられたのは63球で逆球が59球、つまり、意図して左打者の内角に投げられたのは4球しかありません。やはり、左打者の内角には投げられていないと言えます。
わずか4%
割合にすると分かりやすいですが、左打者に対しては捕手は約9割は外角に構えていることが分かります。内角に構えたのはわずか4%で、対右とは19%の差があります。捕手はなるべくリスクの低い配球をすると仮定すると、黒原が左打者の内角に投げるのはリスクが高いため、極力投げさせないようにしていると推測されます。捕手の目線から見ても、黒原は左打者の内角には投げられなくなっていると言えるでしょう。
まとめ
本noteは一先ずここまでとさせていただきます。
やはり、黒原が左打者の内角に投げられなくなっているのは事実のようです。ただ、それが勝ちパターン入りや先発登板を勝ち取れない理由とは言い切れません。ローテ投手がある程度確保できており、優勝を狙える位置にいるというチーム事情も関係しているかもしれません。
また、7月以降に左内への構えが増えてきているため、最近は状態が改善されている可能性もあります。また後日、このnoteの改訂版を書いてみようかと思います。
データ参照
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