【データ分析】2024年を振り返る ー戸根千明投手ー
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。
本日は戸根千明投手です。
選手詳細
戸根 千明 (とね ちあき) 投手 32歳 174cm102kg 左投左打 2014ドラフト2位
基本成績
寸評
がっちりとした体格に見合った勢いのあるストレートを投げ込むリリーフ左腕。現役ドラフトで加入した昨季は一軍で24試合に登板したが、今季は一軍登板は0に終わり、オフに構想外を通達された。
分析
Pitch Type
ストレート・2シーム・スライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォークの7球種で構成されています。割合が多いのはストレート・スライダー・カーブ・チェンジアップで、主にこの4球種を軸に投じていたことが分かります。平均球速は142.1km/hとわずかに上昇していましたが、リリーバーとしてはやや寂しい数字となっています。
Pitch Tempo
昨季のTempo+/-はマイナスでしたが、今季はプラスとなっており、投球テンポが遅くなっていたことが分かります。Slow%も2.9%とランナーがいなくとも30秒以上の間隔を要してしまっていたケースもあったようです。
ランナーを背負った場面では昨季に続いてTempo+/-はマイナスとなっていますが、昨季よりは数字が小さくなっています。今季は全体的にややテンポが悪くなっていたようです。
Pitch Value
2シーム・カーブ・チェンジアップがプラス、ストレート・スライダー・カットボール・フォークがマイナスとなっています。軸としているストレートとスライダーがマイナスとなっており、成績の悪化は避けられない数字となっています。
Plate Discipline
空振り率は平均以上だった昨季よりもさらに上昇しており、リリーバーらしく空振りは多く奪えていたことが分かります。しかし、ゾーン率とファーストストライク率が30%台、ストライク率(CSW%)が29.8%から25.3%へ低下するなど、制球には苦しんでいたようです。奪三振と与四球のどちらも増加していたことが推測されます。
Batted Ball
昨季はフライの方が多くなっていましたが、今季はゴロの方が多くなっています。ただ、フライとライナーを合わせればそちらの方が多く、ゴロが極端に多くなっていたわけではありません。
Soft/Hard%は大幅に改善されており、打球が発生した時は打ち取っているケースが多くなっていたようです。もっとゾーンに投げ込めていれば、成績は改善されていたかもしれません。
Advanced
ほぼ全ての指標が悪化しました。与四球が増加しているのは想定内でしたが、奪三振は増加するどころか率にして10%近く低下しており、空振りは多くなっていたものの三振は奪えていなかったことが分かります。ゾーンに投げ込める確率が低下したことで、2ストライクまでたどり着くことができなくなっていたのかもしれません。K-BB%-1.4%という悲惨な数字に加え、LOB%が45.8%と非常に運も悪くなっており、防御率が10点台となってしまっていたようです。tRAは5.15と極端に悪いわけではなく、防御率の悪化には運の悪さが影響していたことが分かります。
まとめ
10点台の防御率には運の悪さが影響していましたが、制球力の低下によってK-BB%がマイナスとなってしまったことで構想外を通達されてしまったのではないでしょうか。リリーバーが二軍でここまでの数字を残してしまっては、このような結果となることはやむを得ません。
数字とは関係ない話になってしまいますが、愛犬家の一面があり、個人的に好印象を抱いていた選手の一人でもあったので、カープを去ることとなったのは非常に残念です。次のステージでの活躍を願うばかりです。
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