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【データ分析】2024年を振り返る ー小林樹斗投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。

本日は小林樹斗投手です。


選手詳細

小林 樹斗 (こばやし たつと) 投手 21歳 182cm88kg 右投右打 2020ドラフト4位

基本成績

寸評

高卒1年目から一軍登板を果たすなど、将来のエース候補ともなっている本格派右腕。今季はコンディション不良や中継ぎ起用がメインとなったことも影響し、自己最小の18.2イニングの登板に終わり、オフに構想外を通達された。最終的には育成再契約とチャンスは与えられたため、来季は是が非でもこのチャンスを活かしたいところだ。

分析

Pitch Type

 ストレート・2シーム・スライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォークの7球種で構成されています。2桁台となっているのはストレート・スライダー・カットボールの3球種で、これらの球種を軸としていることが分かります。最も割合の多い変化球は、ルーキーイヤーから一貫してカットボールとなっていましたが、今季はスライダーの方が多くなっており、ピッチングスタイルを変えようとしていた可能性が考えられます。
 また、昨季までと比べるとストレートの割合が増えており、平均球速も2km/hほど上昇しています。中継ぎでの登板が増えたことで出力が上がって球速も上がり、ストレートで押す場面が増えたことが推測されます。

Pitch Tempo

※ランナーなし時

 昨季は-1.4だったTempo+/-が1.1となっており、テンポが悪くなっていたことが分かります。これも中継ぎ登板が増えた影響によるものだと推測されます。

※ランナーあり時

 ランナーを背負った場面でもテンポの悪さは変わっていません。リリーバーにはテンポが悪い投手が多くいますが、小林もその例に漏れなかったようです。

Pitch Value

 プラスはカットボールのみとなっています。ルーキーイヤーから最大の武器として操っていたカットボールは今季も有効に使えていたようですが、それ以外の球種は上手く操ることができていなかったようです。ここまで多くの球種でマイナスが出てしまうのであれば、思い切って球種を2,3個減らし、得意とする球種の割合を大幅に増やすのも1つの手かもしれません。

Plate Discipline

 空振り率にWhiff%、ボールゾーンスイング率・コンタクト率・2ストライクからの三振率(Put Away%)といった指標が軒並み悪化してしまっています。ボールとなる球を振らせることができず、打者にコンタクトされやすくなっているために空振りも奪えなくなり、奪三振も少なくなってしまっていることが推測されます。ただ、ゾーン率やファーストストライク率、見逃しストライク率やストライク率といった制球に係わる指標は良化しているため、与四球は減少しているものと思われます。

Batted Ball

 昨季と同じく、フライ率の方が高くなっています。この傾向は2年目から続いており、ストレートがホップしている可能性も考えられます。

 Soft/Hard%は大幅に悪化しています。フライ率が高い状態でここまでHard%が高くなってしまうと、長打を浴びるケースもかなり増えてしまうでしょう。平均球速は上がっているため、ストレートの球威不足でここまでの数字になったとは考えづらいです。恐らく変化球の精度や質の方が大きな問題となっていると思われるので、来季は変化球のブラッシュアップが必須となってくるでしょう。

Advanced

 ほとんどの指標が悪化しました。奪三振と与四球の減少はPlate Disciplineの項目で推測した通りでしたが、K%の低下の方が大きかったため、K-BB%は昨季より悪化となっています。被打率が.372まで跳ね上がったのはDER.603という不運さも影響していますが、Soft/Hard%の悪さも考えると、ある程度妥当な数字であるとも言えます。制球力にさらなる改善が見られたのは明るい材料なので、この制球力を維持しつつ、奪三振も増やしていきたいところです。

まとめ

 中継ぎ起用となったことで平均球速は上昇しましたが、変化球の精度などに問題があるのか打球管理の面でキャリアローの数字となってしまいました。個人的には7球種のうち6球種のValueがマイナスとなっていることが最大の問題に思えるので、来季は使えない球種は封印し、最大の武器であるカットボールと球速の上がったストレートを軸とし、リリーバーとしてなんとか支配下昇格を目指してもらいたいところです。

画像引用

データ参照


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