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會澤のスタメン起用がなければ最終順位は変わっていたのか?

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

今季もシーズン中の様々な新井采配に賛否が飛び交っていましたが、その中の1つに會澤のスタメン起用の是非があります。ただでさえ得点力不足に苦しむチームにおいて、打力が乏しい會澤をスタメンで起用するべきではないという考えは正しいようにも思えますが、最も難しいポジションである捕手を務める経験豊富なベテランという役割は唯一無二であり、首脳陣もその経験値を評価してスタメン起用を続けたものと思われます。
そこで、本noteでは會澤のスタメン起用の是非と、スタメン起用がなければどれだけ勝利数が増え、最終順位が変わっていたのかどうかを考えるためのデータをまとめていきたいと思います。みなさんが會澤のスタメン起用の是非を論じる上での1つの材料にしていただければと思います。


スタメン起用の是非

 まずは、會澤スタメン起用の是非に関して私なりの考えを述べていきます。
 會澤スタメン起用時には、基本的には正捕手の坂倉がファーストに回るか、坂倉を休ませてファーストに堂林が入るという形になっていました。そのため、會澤をスタメン起用しなかった場合には

  1. C坂倉1B堂林

  2. C石原1B坂倉

  3. C石原1B堂林

という3つの選択肢が考えられます。実際にはこの他にもC磯村や1B林、シャイナーなどの選択肢も考えられますが、今回はそれらの選択肢は省いています。

打撃成績

 それでは、各選手の打撃成績を見ていきましょう。

 特に目立つのは、會澤のwRC+(得点創出能力)の低さです。この指標は100を平均としているため、117の坂倉には平均的な選手の1.17倍の得点創出能力があるということになるのですが、會澤のwRC+は20のため、平均的な選手の0.20倍しか得点創出能力がないということになります。今季期待に応えられなかった堂林でも70であることを考えれば、かなり低い数字であることが分かるかと思います。打撃成績だけを見ると、會澤のスタメン起用は妥当ではないように思えます。

守備成績

続いて、捕手陣の守備成績を見ていきましょう。

 會澤はARM(送球による貢献)とErrR(失策抑止による貢献)のどちらもマイナスとなっており、TZR(総合守備指標)もマイナスとなっています。坂倉と石原はどれもプラスとなっており、守備面においても會澤を起用する理由は見当たらないようにも思えます。しかし、フレーミングとブロッキングはどちらもプラスで、フレーミングは2人を凌いでトップと、近年捕手にとって重要であるとされる技術に関しては會澤が1番優れていた可能性も考えられます。
 ただ、やはり総合的に考えて會澤をスタメン起用するべきではなかったと私は考えます。先発投手からの指名もあったことが考えられるため難しいところではありますが、第3捕手としてベンチに控えておくのが理想的な形だったのではないでしょうか。

敗戦試合における會澤の打席状況

 ここからは、會澤スタメン起用時の敗戦試合20試合で、會澤にどのような状況で打席が回ってきたのかをまとめていきます。極端な話ではありますが、全て2死無走者で回ってきていれば、例え會澤がどれだけ優れた打者であったとしてもチームを勝利に導くことはかなり難しいためです。逆に、全てチャンスで回ってきていたとすれば、會澤以外を起用していれば勝利していた可能性はかなり高かったと言えます。確認していきましょう。
カープ〇-〇ビジター(スコア) 〇死〇塁 打撃結果 相手投手 という形で記載していきます。 一打出れば同点もしくはリードできていた場面は太字にしてあります。

4/13 vsG

  1. 0-0 2死1,2塁 右安 堀田

  2. 0-0 1死1,2塁 併殺 堀田

  3. 0-1 1死1塁 左飛 中川

  4. 2-2 1死無走者 遊ゴ 大勢

  5. 2-2 1死無走者 二ゴ 高梨

5/11 vsD

  1. 0-0 無死無走者 中飛 柳

  2. 0-0 2死無走者 三ゴ 柳

5/15 vsS

  1. 0-0 1死1,3塁 併殺 松本

  2. 0-1 1死無走者 三ゴ 松本

  3. 0-1 1死無走者 二ゴ 松本

5/22 vsT

  1. 0-2 1死無走者 遊ゴ 大竹

  2. 0-2 2死1,3塁 中飛 大竹

  3. 0-2 無死無走者 右飛 桐敷

5/31 vsH

  1. 1-1 無死無走者 左飛 モイネロ

  2. 1-1 2死無走者 一邪飛 モイネロ

  3. 1-1 無死無走者 遊安 松本裕

6/12 vsL

  1. 0-0 1死無走者 中飛 隅田

  2. 0-5 無死無走者 空三振 隅田

  3. 0-5 無死無走者 二飛 隅田

7/2 vsT

  1. 0-0 無死無走者 空三振 才木

  2. 0-0 無死無走者 右安 才木

  3. 0-0 無死無走者 投安 石井

7/6 vsD

  1. 0-0 無死無走者 空三振 梅津

  2. 0-2 1死無走者 見三振 梅津

7/9 vsG

  1. 0-0 1死無走者 左安 山﨑伊

  2. 1-3 無死無走者 左飛 山﨑伊

7/27 vsS

  1. 0-0 無死無走者 空三振 高橋

  2. 0-0 2死無走者 見三振 高橋

8/8 vsG

  1. 0-0 2死1,3塁 中飛 戸郷

  2. 0-0 1死無走者 左安 戸郷

8/17 vsS

  1. 0-1 2死2塁 捕邪飛 高橋

  2. 1-1 1死無走者 遊飛 高橋

8/27 vsD

  1. 0-0 2死3塁 三ゴ 髙橋宏

  2. 1-0 1死1塁 見三振 髙橋宏

  3. 1-2 1死無走者 空三振 髙橋宏

  4. 1-2 2死2塁 中飛 マルティネス

9/3 vsDe

  1. 0-1 2死1,3塁 三ゴ 東

  2. 0-5 2死無走者 左飛 東

9/6 vsD

  1. 0-3 1死無走者 遊ゴ 松葉

  2. 0-3 2死2塁 右飛 松葉

  3. 0-3 2死無走者 空三振 清水

9/10 vsG

  1. 0-1 無死1塁 空三振 菅野

  2. 0-4 無死無走者 左飛 船迫

  3. 1-6 無死無走者 左安 バルドナード

9/13 vsT

  1. 1-1 無死無走者 空三振 髙橋

  2. 1-4 2死無走者 一ゴ 髙橋

  3. 3-6 1死無走者 右飛 桐敷

9/16 vsDe

  1. 1-6 2死1塁 左飛 東

  2. 1-6 無死無走者 四球 東

9/20 vsG

  1. 0-4 無死1塁 見三振 井上

  2. 1-4 無死無走者 空三振 井上

9/22 vsD

  1. 1-1 無死無走者 二ゴ 涌井

  2. 1-1 2死無走者 遊ゴ 涌井

表にまとめると以下のようになります。

 まとめてみると、ランナーなしで回ってくることが圧倒的に多いことが分かります。これは、8,9番での起用が多かったことが影響したものだと思われます。一打出ればという場面は7度ありましたが、対戦相手が戸郷・髙橋遥・髙橋宏・マルティネス・東と難敵揃いだったため、代わりの選手が出ていても勝敗は変わっていなかったのではないでしょうか。唯一4/13のジャイアンツ戦だけは、相手先発が堀田で最終的には2-3でサヨナラ負けだったため、坂倉か石原にしていれば勝利となっていたことも考えられます。ただ、この試合に勝利していたとしても、最終順位に影響はありません。

まとめ

 以上、會澤のスタメン起用の是非について述べていきましたが、みなさんはどのように考えたでしょうか?個人的には、會澤の【スタメン起用は妥当ではないが、最終順位には影響を及ぼさなかったのではないか?】と思います。
 そもそも會澤のスタメン時は27勝20敗2分と貯金を7つ作れているため、結果が出ていなかったわけではありません。この勝利が會澤の力によるものかどうかは微妙なところですが、少なくとも會澤のせいで負けた試合が多かったわけではないでしょう。逆に會澤のおかげで勝てた試合もそこまで多くはないと思われるため、【スタメン起用は妥当ではないが最終順位に影響は及ぼしていない】という結論に至りました。
 ただ、これはあくまで結果論であり、得点創出能力が著しく低い會澤をスタメン起用することは得策とは思えません。来季は坂倉と石原のスタメン起用をさらに増やしてもらいたいところです。

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