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怪物育成ルーキー佐藤啓介とはどんな選手なのか?

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

2024年のウエスタンリーグは3月15日に開幕し、早2か月半が経過しましたが、その2か月半で結果を出し続けているのが育成ドラフト2位指名の佐藤啓介です。カープファンであれば1度は名前を聞いたことがあるとは思いますが、一体彼はどのようなタイプの選手なのでしょうか?二軍成績を見ながら確認していきたいと思います。

※データは5/30時点のものになります


基本成績

 まずは基本成績の確認です。

ウリーグを代表する選手

 ファームで唯一の50安打以上をマークし、打率.378、OPS.950もともにファームトップと素晴らしい数字を残しています。WARも2.1でリーグトップとなっており、1年目からウエスタンリーグを代表する選手となっています。

Pitch Value

 続いて球種別の得点増減の確認です。

直球に強さを発揮

 2シームとスライダーがマイナスになっていますが、その他の球種は全てプラスとなっています。特にストレート(wFA/C)は3.37でファームトップとなっており、2位の正木の2.06を大きく上回っています。二軍レベルではありますが、プロのストレートに対して1年目から強さを発揮していることが分かります。

Plate Discipline

 続いては打席内容の確認です。

※平均はウエスタン

振るべき球を振れている

 ボール球スイング率(O-Swing%)は平均以下、ゾーンスイング率(Z-Swing%)は平均以上と振るべき球をしっかりと振れていることが分かります。スイング率が平均以上と積極的な打撃スタイルでありながら、ボール球の見極めはできているということになります。

ボール球に手を出しても当てることができる

 ゾーンコンタクト率(Z-Contact%)は平均より2.5%低く、ゾーン内の球に対してはやや空振りが多くなっていますが、ボール球コンタクト率(O-Contact%)は平均より7.2%も高く、ボール球に手を出してもあまり空振りはしていないことが分かります。ボール球をそこまで振らされておらず、振らされたとしてもバットに当てることができているということになります。

当然空振りは少ない

 ここまでの数字を見れば当然と言えますが、空振り率(SwStr%)は平均以下となっており、空振りは少ないことが分かります。また、見送りストライク率(CStr%)も平均より2.2%低く、ストライクに対して振りにいけていたことが改めて分かります。

Batted Ball

 続いては打球性質の確認です。

※平均はウエスタン

長打はあまり期待できない?

 平均と比べるとフライ率とライナー率が低く、ゴロ率が高くなっています。長打を打つためにはもちろんフライやライナーを飛ばすことが基本的には必要となるため、この数字だけを見ると佐藤はあまり長打を多く打つタイプではないことが推測されます。

ある程度広角に打ち分けている

 引っ張り方向と流し方向への打球が平均よりも多く、ある程度広角に打ち分けることが出来ていると言えそうです。

打ち取られた打球が少なく、強い打球が多い

 弱い打球(Soft%)が平均より少なく、強い打球(Hard%)が平均より多くなっています。バットの芯で捉える確率が高いと言えそうです。このHard%の高さが、高打率の1つの要因になっていることが推測されます。

Advanced

 続いて打撃結果の確認です。

※平均はウエスタン

リーグ上位の選球眼

 四球率(BB%)と三振率(K%)はどちらも平均より約3%優れており、BB/Kも0.87でリーグ8位となっています。3,4月終了時点ではBB%がK%を上回っていたため、数字は落ちてきてしまっていますが、それでも充分に優秀な数字を残していると言えます。選球眼は優れているようです。

二軍ではホークス近藤級の打者に

 打率/出塁率/長打率はいずれも平均より1割以上高くなっており、OPSは.950と平均を3割近く上回る異次元の数字となっています。ボールが飛ばないと言われている今季は例年以上に数字を残すのが難しくなっており、一軍のOPSトップも近藤の.949となっているため、二軍ではNPB最強打者である近藤と同じレベルの打者になっていると言えそうです。

長打力もあり、得点創出能力は平均の2倍以上

 Batted Ballの項目で長打を多く打つタイプではないと述べましたが、純粋な長打力を測る指標であるISOでも平均以上の数字を残しており、実際は長打力も兼ね備えていることが分かります。また、リーグ平均の選手と比べてどれだけ得点を生み出せるのか?という指標であるwRC+は215と異常な数字となっています。これは佐藤の得点創出能力が2.15倍であることを示しており、平均的な選手の倍は得点を生み出しているということになります。まだシーズンは序盤ではあるものの、2020年以降のファームで最も高かったのが現ベイスターズの細川の178であるため、このままいけば近年のファームではダントツトップの数字を残すこととなりそうです。

Fielding Standard

 続いては守備の基本成績の確認です。

エラーはやや多め

 全てセカンドで318.1イニングを守っています。エラーは8個で守備率(FP%)は.960となっています。ファームの規定到達者ではどちらも最も悪い数字となっており、守備は上手いとは言えないかもしれません。

Fielding Advanced

 最後に、守備の詳細成績の確認です。

併殺奪取能力が課題か?

 併殺完成による貢献(DPR)と守備範囲(RngR)がマイナスとなっており、総合指標であるUZRもマイナスとなっています。5月15日時点では1.6でしたが、約2週間で急激に悪化してしまった形です。これにはほぼフルイニング出場を続けていることも影響しているかもしれません。ただ、15日時点でのUZRもRngRをプラスにして稼いでいたものだったため、併殺奪取能力は課題と言えそうです。

まとめ

優れた選球眼を活かした高出塁率に長打力を兼ね備えセンターラインを守れる理想的な選手

 ここまで様々な数字を見てきましたが、とにかく攻撃力が優れた選手であることが分かったかと思います。佐藤の特徴をまとめると、

  1. 無駄なボール球を振らずストライクには手を出す

  2. コンタクト能力が高く三振は少なく四球が多い

  3. 広角に強い打球を打ち分け安打を量産

  4. 長打力もあり、得点創出能力は平均の2倍

  5. 守備は平均をやや下回る

といった感じでしょうか。
 セカンドの守備は破綻してはいないため、ひとまずはセカンドで育てていくべきであると個人的には考えています。タイプはやや違いますが、攻撃力に秀でたセカンドという意味では、ベイスターズの牧のような選手になれる可能性を秘めています。長年カープを支えてきた菊池とは違うタイプではありますが、セカンドのレギュラーを奪うことはできるのでしょうか?まずは1日でも早く支配下登録を勝ち取りたいところです。

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