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【データ分析】2024年を振り返る ー矢崎拓也投手ー
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。
本日は矢崎拓也投手です。
選手詳細
矢崎 拓也 (やさき たくや) 投手 29歳 176cm99kg 右投右打 2016ドラフト1位
基本成績
一軍
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二軍
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寸評
昨季は栗林の代役として24Sを挙げた強心臓右腕。今季はホールド数こそ昨季と同じ10だったが、登板機会は半減してしまった。球威のあるストレートと落差のあるフォークにさらに磨きをかけ、全盛期の輝きを取り戻したい。
分析
※昨季の二軍成績はサンプル不足のため割愛させていただきます。
Pitch Type
一軍
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二軍
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ストレート・スライダー・フォークの3球種で構成されています。基本的にはストレートとフォークの2ピッチとなっており、典型的なリリーバーと言えます。平均球速は一二軍、球種問わず低下しており、勤続疲労の影響が出ている可能性も考えられます。
Pitch Tempo
一軍
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二軍
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Tempo+/-は昨季に続いてプラスとなっています。リリーバーは全体的にテンポが遅い傾向にありますが、矢崎もその例には漏れないようです。ただ、Timer Equiv.が9.8のため、ピッチクロックが導入されたとしても問題はありません。
一軍
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二軍
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ランナーがいない時とは打って変わって、テンポが平均よりもかなり早くなっています。リリーバーはランナーを背負うとかなり時間をかけるケースが多いのですが、矢崎はあまりランナーを気にしない投手のようです。
Pitch Value
一軍
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二軍
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昨季一軍ではプラスだったフォークがマイナスへと転じており、決め球となる球種を有効に使えていなかったことが推測されます。二軍ではかなりのプラスを生み出しているため、そこまでレベルの高くない打者にはしっかりと通用していたようです。投球割合の半分を占める球種のため、この球種のValueをプラスにできるかどうかが一軍定着のカギとなりそうです。
Plate Discipline
一軍
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二軍
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一軍の空振り率やWhiff%はわずかに悪化しているものの、2桁を切ってはいないため悪い数字というわけではありません。気になるのはボールゾーンのスイング率とコンタクト率が悪化している点です。フォークのValueが悪くなっていたのが先ほど確認できましたが、ボールとなるフォークを振らせることができていない/振らせても当てられていることで数字が悪くなっていることが推測されます。制球力や変化量に変化があったのかもしれません。
Batted Ball
一軍
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二軍
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フライ率がゴロ率よりも高くなっています。球威のあるストレートも武器の投手のため、フライの方が多くなるのは自然なことと言えます。球威に乏しい投手だと長打を量産される危険性がありますが、球威があればフライが多くとも長打はそこまで多くはならないため、特別不安視する要素ではありません。
一軍
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二軍
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一二軍ともにSoft/Hard%は良い数字となっています。打ち取った打球が増え、捉えられた打球は減っていたと言えます。平均球速が低下していましたが、球威はそこまで悪化していない可能性が考えられます。
Advanced
一軍
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二軍
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三振が減り、四球が増えたことでK-BB%は3.7%と平均を大きく下回る数字となっています。昨季から平均を下回る数字ではあったのですが、今季はそれがさらに悪化してしまっていました。リリーバーとしてはかなり厳しい数字と言えそうです。勢いのあるストレートと落差のあるフォークで打者を制圧するイメージもある投手ですが、実際にはそこまでの制圧力は近年は発揮できていなかったようです。ただ、二軍ではK-BB%10.9%、被打率.163と好成績を残しています。
Win Probability/Value
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こちらの項目は一軍の数字のみを掲載します。
全ての指標が悪化しました。イニング数が半減しているためWARを稼げないのはもちろんですが、WPAやClutchなどの数字も悪化しており、重要な場面で好成績を残せてはいなかったようです。
まとめ
昨季は運が良かった部分もあったため、今季も活躍できるのかという不安があったのですが、嫌な予感が的中してしまった形となりました。ただ、逆に言えば今季のような数字は最低限残してくれるとも言えます。防御率3点台後半のリリーバーであれば、充分1年間一軍に帯同することは可能でしょう。
ルーキーイヤーのノーヒットノーラン未遂から見守ってきたカープファンとしてはかなり寂しさがありますが、新天地でさらにレベルアップし、スワローズファンから愛される投手となることを願うばかりです。
画像引用
データ参照