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【データ分析】2024年を振り返る ートーマス・ハッチ投手ー
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。
本日はトーマス・ハッチ投手です。
選手詳細
ジョン・トーマス・ハッチ (John Thomas Hatch) 投手 30歳 185cm88kg 右投右打
基本成績
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寸評
球威のあるストレートと高い制球力が持ち味のスターター。先発ローテの一角としての働きが期待されたが、一軍では5試合の登板で防御率7.36と結果を残せず、二軍のイニング消化が主な役割となってしまい、1年で退団となった。
分析
Pitch Type
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ストレート・2シーム・スライダー・カットボール・チェンジアップ・フォークの6球種で構成されています。一軍でもストレートの割合は39.8%と少なくなっていましたが、二軍では26.5%とさらに少なくなっていました。アメリカではカットボールを多投していましたが、今季はスライダーの割合が多くなっており、日本では大きく曲がるスライダーの方が有効と考えて配球を変えていた可能性が考えられます。
平均球速は一軍で149.9km/h、二軍で148.0km/hとなっており、平均を優に超えています。外国人らしい数字と言えるでしょう。
Pitch Tempo
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Tempo+/-は一軍でマイナス、二軍でプラスとサンプルの多い方でややテンポが悪くなっていました。ただ、Timer Equiv.は8.5/9.4とピッチクロックが導入されても問題ありません。ピッチクロックを経験してからの来日をした投手なので当然と言えるかもしれません。
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ランナーを背負っても当然テンポは早めかと思われましたが、一二軍ともにTimer Equiv.が20秒を超えており、ピッチクロック違反の数字となっています。ピッチクロックを経験していても、縛りがなければしっかり投球間隔を取りたいという投手が多いのかもしれません。
Pitch Value
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二軍ではフォーク以外がプラス、一軍ではスライダーのみがプラスとなりました。二軍で軸としていたスライダーは一軍でも有効だったようです。一方で、20イニング以上を投げた先発投手でリーグ5位の平均球速だったストレートのValueは振るわず、スピードの割に効果的に使えていなかったことが分かります。球質や制球力に問題があったのかもしれません。
Plate Discipline
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ゾーン率とファーストストライク率は一二軍ともに平均以上となっており、制球力には問題はなかったようです。空振りも二軍では平均以上に奪えていますが、一軍ではやや平均以下となっています。奪三振と与四球のどちらも少ないことが推測されます。また、スイング率が高くなっているため、際どいコースよりは甘めのコースに投じるケースが多かった可能性が考えられます。
Batted Ball
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一二軍ともにゴロ率の方が高くなっています。これはアメリカ時代と変わらない傾向となっています。制球良く変化球を散らし、ゴロでアウトを積み重ねていくタイプの投手だったようです。
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Soft/Hard%は二軍では平均に近いものの、一軍ではHard%が約40%になるなど捉えられた打球が多くなっていました。スイング率が高く、打者にコンタクトされるケース自体が多いため、被安打は多めだったことが推測されます。
Advanced
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K%が一二軍ともに平均以下となっており、やはり奪三振は少なかったことが分かります。BB%は二軍では平均より低く抑えられていますが、一軍では高くなってしまっており、一軍では奪三振が少なく与四球が多いという厳しい状態になっていたようです。HR%と被打率も高く、被本塁打と被安打のどちらも多くなっていました。二軍では多くの指標が平均より良くなっているため、一軍でもう少し登板機会があれば数字が好転していた可能性もなくはなさそうです。
Win Probability/Value
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こちらの項目は一軍の数字のみを掲載します。
全ての指標がマイナスとなりました。投球内容が完璧に悪かったとは言い切れませんが、結果としてチームの勝利にはほぼ貢献していません。
まとめ
明確に良かったと言えるのは平均球速くらいでした。制球力も一軍では発揮しきれておらず、被安打や被本塁打も多かったので失点が嵩むのも仕方ないところです。スイング率とHard%が高くなっているため、比較的甘めの球が多く、簡単に打者に捉えられてしまっていた可能性が考えられます。ボールが飛ばない今季の環境ならばそのスタイルも間違いではないのですが、裏目に出てしまった感があります。活躍できるポテンシャルは秘めていただけに残念な結果となってしまいました。
画像引用
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