見出し画像

【データ分析】2024年を振り返る ーアドゥワ誠投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。

本日はアドゥワ誠投手です。


選手詳細

アドゥワ 誠 (あどぅわ まこと) 投手 26歳 196cm84kg 右投右打 2016ドラフト5位

基本成績

一軍

二軍

寸評

長身から繰り出す動くストレートが持ち味の先発右腕。今季は開幕ローテ入りを果たすと、106イニングを投げて6勝とキャリアハイの成績を残した。ただ、1年間ローテを守り抜いたわけではなかったので、来季は開幕から10月まで一軍に帯同し続けることが目標となりそうだ。

分析

※二軍成績はサンプル不足のため割愛させていただきます。

Pitch Type

 ストレート・スライダー・カーブ・フォークの4球種で構成されています。2シームを投じず、フォークの割合をかなり増やしており、昨季のストレートとスライダーを軸にした投球ではなくなっていたことが分かります。また、2022年まで投じていたカーブを今季は再び投じるようになっていました。
 平均球速は1.8km/低下して143.5km/hとなっています。先発としての登板がほとんどだったため、出力は若干低下していたことが推測されます。

Pitch Tempo

※ランナーなし時

 Tempo+/-は-0.6となっており、平均よりも早いテンポで投じていたことが分かります。先発に専念した影響が表れていたようです。Timer Equiv.も9.0と問題ない数字になっています。

※ランナーあり時

 ランナーを背負った場面でも、テンポが早い傾向は変わりませんでした。Tempo+/-は-3.1と、平均よりもかなり早かったことが分かります。ピッチクロックが導入されても全く苦労はしないでしょう。

Pitch Value

 ストレートとフォークがプラスとなりました。軸としている2球種がプラスとなっているため、他の2球種のマイナスはある程度カバーできていたと言えるでしょう。ただ、フォークの次に割合の多いスライダーが-3.39と大きめのマイナスを生み出していたため、来季はスライダーの割合をさらに減らしてもよいかもしれません。

Plate Discipline

 コンタクト率・空振り率・Whiff%は平均よりも悪く、空振りはあまり奪えていなかったことが分かります。この傾向はルーキーイヤーから変わっていません。その影響もあり、ストライク率(CSW%)も平均以下となっていますが、ゾーン率は48.4%と昨季ほどではなくとも依然として高い数字をマークしており、制球力にはそこまで問題はなかったことが推測されます。

Batted Ball

 ルーキーイヤーから一貫してゴロ率の方が高くなっていたのですが、今季はフライ率の方が高くなっています。アドゥワといえば動くストレートを中心に低めにボールを集めてゴロを打たせて取るピッチングスタイルでしたが、今季は投じるコースやストレートの球質などに変化が表れていた可能性が考えられます。

 Soft/Hard%はどちらも良化していました。Hard%が1.9%平均より高くなっていますが、Soft%も3.1%高くなっているため、被打球管理はそこまで悪くなかったと言えそうです。ただ、フライ率が高いため、長打は多くなっていた可能性が考えられます。

Advanced

 ほとんどの指標が悪化しました。K%が平均よりも悪いのは仕方ないところではありますが、BB%も平均よりわずかに悪くなっているのは気になる点です。極端に悪いわけではありませんが、奪三振がかなり少ないだけに、与四球は平均よりもかなり少なく抑えておきたいところです。この奪三振の少なさと与四球の多さ、被本塁打の多さもあってtRAは4.11と平均よりも悪くなっています。6勝という勝ち星の多さには、運の良さも作用していたことが推測されます。

Win Probability/Value

 WPAは0.15となっており、重要な場面でも多少の結果は残せていたことが分かります。ただ、RE24とREWがどちらもマイナスとなっているため、そこまで重要ではない場面で失点を重ねるケースが多々あった可能性が考えられます。また、投球内容がそこまで優れていなかったこともあり、WARは0.0となっています。

まとめ

 開幕ローテ入りを果たして6勝と、比較的チームに貢献していたように思えましたが、WARは0.0となっており、イメージと実際の貢献度にギャップがあったことが分かりました。このようになってしまった要因の1つに、K-BB%の低さがあります。奪三振の少なさの割に与四球が多く、投球の質はあまり良くなかったと言えます。飛ばないボールや打線の援護など、様々な幸運が味方して6勝を挙げることができましたが、来季は今季ほどの勝ち星は挙げられないかもしれません。どこまで数字を改善できるかが注目されます。

画像引用

データ参照


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集