【データ分析】2024年を振り返る ー床田寛樹投手ー
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
昨季に続き、今季もnoteにてデータ分析記事を上げていきたいと思います。
本日は床田寛樹投手です。
選手詳細
床田 寛樹 (とこだ ひろき) 投手 29歳 181cm94kg 左投左打 2016ドラフト3位
基本成績
寸評
地元開幕戦も任された左のエース。今季は昨季を上回る167イニングを投げ、昨季に並ぶ11勝を挙げたが、9,10月は0勝4敗とチームとともに失速する悔しい終わり方となった。来季は失速することなく、最後まで走り抜けたいところだ。
分析
Pitch Type
ストレート・スライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップ・シンカー・パームの7球種で構成されています。ストレートとシンカーを軸とし、多彩な球種を散りばめるという構成は変わっていません。今季は新たにカットボールを習得して投じていましたが、22.1%とシンカーに次ぐ割合となっており、かなり手応えを感じていたことが推測されます。
平均球速は143.1km/hとわずかに上昇していました。若干ではあるものの、出力は向上していたようです。
Pitch Tempo
イメージ通り、テンポはかなり早くなっています。2年連続のスピードアップ賞受賞も納得の数字となっています。
ランナーを背負っても傾向は変わりません。イメージ通りすぎて語ることがないほどです。ピッチクロックが導入されても一切問題はありません。
Pitch Value
スライダー・カットボール・シンカー・パームがプラスとなっています。最も割合が多いストレートこそわずかにマイナスとなったものの、その次に割合の多いシンカーとカットボールをプラスとし、カバーしていました。元々ストレートの割合のキャリアハイが42.9%とそこまでこだわりがないようなので、来季はさらにストレートの割合が減り、シンカーやカットボールの割合の方が多くなっているかもしれません。また、代名詞ながらここ2年はマイナスとなっていたパームですが、今季はキャリアハイの1.43と再び有効な球種として機能していたようです。
Plate Discipline
コンタクト率・空振り率・Whiff%は昨季よりは改善されているものの、依然として平均より悪くなっています。三振を多く奪うタイプではないとはいえ、やはりなるべく空振りは多く奪えるようになっておきたいところです。また、ボールゾーンの数字を見ると、スイング率が低下してコンタクト率がほぼ変わっていないため、今季はボール球を見極められるケースが多かったことが推測されます。
Batted Ball
今季もゴロ率の方が高くなっています。基本的にこの傾向は変わっておらず、イメージ通りゴロを打たせてアウトを奪うタイプであることが分かります。
Soft/Hard%はどちらも平均よりわずかに低くなっていました。ゴロ率は高いため、被打球管理は可もなく不可もなくといったところでしょうか。
Advanced
悪化した指標が多くなっています。ボール球を見極められていた影響があってか、BB%は2.5%上昇して平均以上となってしまっており、K-BB%は6.8%で規定到達者の中では最低となっています。これまでも高い方ではありませんでしたが、9%未満となったのはキャリア初のことであり、今季は特に悪い数字であったことが分かります。被本塁打が減ったことや、リーグ全体の失点率が低かったこともあってtRAは良化こそしたものの、平均よりは悪くなっています。
Win Probability/Value
ほとんどの指標が悪化しました。ただ、WPAは2.49で大瀬良・栗林に次ぐチーム3位となっており、重要な場面ではなんとか踏ん張れていたようです。投球内容は悪くなったものの、11イニング多く消化したこともあってWARは昨季と同じ1.5でした。
まとめ
今季までの実績を考えると文句なしの左のエースですが、踏み込んだ指標を確認すると来季以降への不安も感じられます。やはり空振りが奪えずK%が低いというのは不安要素ですし、今季はそれに加えてBB%が平均より高くなるなど与四球の多さも目立ってしまっていました。三振が奪えず与四球も多いとなると、アウトの奪い方が味方の守備頼みとなり、無駄なランナーを出しているために少ない安打で多くの失点となってしまう可能性が考えられます。カープは菊池矢野の二遊間を中心とした守りが強固なため2点台の防御率となっていますが、もしその強固な守備陣が崩れた場合、大きく成績を落としてしまう可能性もあります。絶対的なエースになるためには、K-BB%の改善が必須となってきます。
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