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高年齢労働者の労働災害発生状況(R5)

先般労災事故に関する記事を書きましたが、最近高齢の労働者が増加してきたことからその状況についてみてみました。


|高齢労働者の就労状況

厚生労働省の統計では、高齢労働者の定義を60歳以上にしているのでしょうか、発表されている資料では、そうなっていますのでご理解ください。
ということで全年齢に占める60歳以上の割合を年毎に見てみると下図のとおりです。

統計によると60才以上の高齢者の就労状態は、全雇用者(全雇用者)の18.7%です。

平成15年以降60歳以上の労働者は増加傾向にあり、全雇用者に占める割合も右肩上がりで増加しています。

|高齢労働者の被災状況

「労働災害による休業4日以上」の死者者の割合に占める60歳以上の高齢者の割合は29.3%です。

つまり労災事故の3割が高齢労働者といえ、平成15年の約2倍の割合になっているなど増加傾向にあります。

|高齢労働者の労働災害の特徴

60歳以上の男女別の労働災害発生率(死傷年千人率(以下「千人率」という。)を30代と比較すると、男性は約2倍、女性は約4倍となっています。60歳以上の死傷年千人率は、4.022となっています。

|年齢別の休業見込み期間の長さ

休業見込み期間は、年齢が上がるにしたがって長期間となる傾向にあります。

下記の図は年齢別の休業込み期間の長さを示すものです。
年齢が上がるに従い休業見込み日数が長くなる傾向にあることがわかります。

|年齢層別・男女別の傾向

「墜落・転落」、「転倒による骨折等」では、特に、年齢や性別により労働災害発生率(千人率)が大きく異なる傾向にあります。

男女の別でみると、男性の場合、60歳以上(平均0.93)は20歳代(0.26)の約3.6倍多くなっています。
女性も年齢が上がるにしたがって増加傾向にあります。

動作の反動・無理な動作は55~65歳くらいに多くなっていますに

|転倒による骨折等

労働災害の事故型別の「転倒による骨折等」を年齢別にみてみると、特に女性の60歳以上(平均2.41)は20歳代(平均0.16)の約15.1倍となっています。
男性も年齢に伴い増加している傾向にあります。

|おわりに

以上労災事故、特に高齢者の事故について記載しました。
統計上の60歳を高齢労働者とすることについてはちょっと抵抗がありますが、それをやむなしとしても、やはり近年の高齢労働者の増加という点はゆがめない事実ですね。

建設業などでも60歳以上の超ベテランという人たちが現役で働いていますが、やはり転落などの事故が多くなっているのも事実です。

無理な動作を避けるなどして高齢労働者の安全を確保して欲しいですね。

<参考>
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001099505.pdf

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