結婚詐欺＿その１

最近ではいろいろな手口の詐欺事件が横行しています。今回はその中から結婚詐欺、ロマンス詐欺について書きます。

｜結婚詐欺って

結婚詐欺は、結婚をほのめかして、結婚するつもりがないにもかかわらず、あたかも結婚するかのように相手を騙してお金や資産を奪い取る行為をいいます。

相手からお金を騙し取るということで「詐欺行為」の1つといわれています。
実はこの種の詐欺はかなり以前からありました。
その手口は近年大きく変化しました。SNSの普及等によりマッチングアプリなどが詐欺師と詐欺の被害者となる相手方の出会いを仲介するようなパターンが主流になってきたようです。

この種アプリを使用することで、男性・女性どちらからでも気軽に異性関係を持ちかけやすくなったという社会情勢を背景に、被害に遭う人が増えている現状があります。

また、SNSなどで知り合った外国人が甘い言葉で異性を誘い、結婚という餌をぶら下げることにおりその気にさせてお金などを搾取するという結婚詐欺、いわゆる「国際ロマンス詐欺」も流行しています。
身元を明かさずに近づいてくる異性の甘言に、くれぐれも注意してください。

｜結婚詐欺師の手口

結婚詐欺師はさまざまな巧妙な手口で近づいてきます。
被害に遭わないためには、まずは結婚詐欺の傾向と対策を知っておくことがとても大事ですね。

結婚詐欺師は、ターゲットになる相手をマッチングアプリや出会い系サイトなどを通じて探し出し、言葉巧みに近づきます。

結婚式場の下見、両親への挨拶、新居を探すなど結婚を匂わせた上で、「一緒に生活すための住居を購入しよう」とか「事業資金が必要なので・・」などと理由をつけお金を借りるように装って嘘をつき、結果としてお金を騙し取るのです。以下結婚詐欺の特徴的な点を記載しますので被害にあわないように注意してください。

➤　マッチングアプリや出会い系サイトで近づく
結婚に焦っており、かつお金を持っていそうな相手を探す手段として、マッチングアプリや出会い系サイトを活用する例が多くなっています。
それはこの種の手段を使うことが一番効率がいいといわれているからです。

➤　自分の身元は明かさない
結婚詐欺師は、いざとなったら逃げれるよう自身の本当の身分等を明かさず、年齢、職業、年収などを偽って近づいてきます。
そのため出会いの段階では、結婚詐欺目的なのかを判断するのは難しいといわれています。

➤　ある程度の間、交際関係を続ける
まずはターゲットとなる相手を見つけようとします。そして対象を見つけたら、ある程度の期間交際を続けて、相手を信用させます。

甘い言葉をささやく、サプライズで相手を喜ばせる、高価なプレゼントを渡すことなどで、愛情があることを相手にアピールします。
そのため相手方はだんだん信頼する気持ちが高まってしまうのです。

➤　資産状況等を探ってくる
交際期間中に会話の中から巧みに資産状況に探りを入れてきます。
収入や貯蓄、実家の職業や資産状況などについて、会話の中から探りを入れて、どのくらいの金額を引き出すことができるかを確認するのです。

誰しもそうかもしれないですが、交際期間が長くなるほど、ちょっと不審に思っても、相手に対して疑問を持ちづらくなりますよね。その結果騙される確率も高くなってしまいます。

➤　グループで活動していることも
単独で結婚詐欺を行うこともあるが、グループで結婚詐欺を行うこともあります。
集団で詐欺行為をしている場合には任務を分担して、相手を信用させるための様々な活動を行います。
例えば、結婚詐欺師の両親や兄弟、上司を名乗り「うちの○○をよろしくお願いします」などと挨拶してくることもあります。

➤　少額の貸し借りを繰り返す
まずは理由をつけて少額のお金を借りては返すということを何度か繰り返すことがあります。これも、相手を信頼させるために結婚詐欺師がよく使う手口の一つです。

借用書を作成し、返済期限までにしっかり返済してくれることが続くと、「この人はしっかりお金を返済してくれる」と信用してしまいがちです。

｜詐欺行為の実行

ある程度の交際期間を経て十分に相手の信頼を得たあと、嘘をついて相手から大金を引き出そうとしてきます。
お金を騙し取る際のよくある「ウソ」としては、次のようなものがあります。

・結婚前に借金を完済したい
・親が病気になってしまい治療費が必要
・事故に遭ってしまい手術費が必要
・事業を始めるためにまとまった資金が必要
・結婚後に裕福な生活をするために投資をしたい
・結婚式の費用や一緒に暮らす際にかかる費用を支払って欲しい　　
など

さまざまな理由でお金を騙し取ろうとしてきますが、どの場合でも「2人が幸せな結婚生活を送るために必要なんだ」という理由付けをしてきます。
通常であれば貸すはずのない大金であっても、交際期間を経て信頼しきっている状態だと、疑問を持たずにお金を貸してしまうというのが実態のようです。
お金を騙し取る回数はそれぞれですが、怪しまれたり、これ以上お金を引き出せないと判断した場合には、急に別れを切り出す、いきなり音信不通になるなど関係を絶ってくるケースがほとんどです。

｜おわりに

今回は結婚詐欺の手口などについて記載しました。
長くなるので今回はこのくらいにして、詐欺罪に問うことができる場合とできない場合があるので、次回はそのあたりについて記載します。