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駐車監視員について

駐車違反の取り締まりの一端を担うのがこの「駐車監視員」なのですね。
この仕事は、警察OBが再就職の場と思っている人が多いですが、必ずしもそうではないようです。
もちろん警察OBが多いですが、一般の人でも一定の資格を取得することでその道に進むことができるんですよ。
調べてみましたので共有します。


|駐車監視員とは?

まず、駐車監視員について調べてみると、駐車監視員とは、
  違法車両の確認事務や取り締まりを行う人々のことをいう

と当然な結論に・・・。
取り締まりといっても交通切符や交通反則切符を作成するわけではなく「放置車両の確認業務等を行う」のですが・・・、広く一般的には「取り締まり」と表現されていますよね。

違法駐車の取り締りは、通常は警察官が行うものですが、実は警察官だけではなく、その一部の事務等を行っているんです。
2006年の道路交通法の改正により警察から委託された民間企業の駐車監視員も違法駐車、特に放置車両の確認という形で駐車違反を取り締まりの一端を担うことがになったのです。
これも、業務の外部委託、そして民活(民間活用)の影響が出ていたのです。

でも、この駐車監視員資格を取得した人が勝手に駐車違反の取締を行うことができるわけではなく、警察署長から取り締りの一部(確認事務)の委託を受けた法人に所属している人が、放置車両の確認や確認標章の取り付けなどを行う業務を担う人となることができるのです。

業務中は「みなし公務員(公務員ではないが公務員として扱う者)」となり、その業務を妨害すると公務執行妨害の対象や贈収賄の対象にもなり得ます。

駐車監視員の主な業務は警視庁が作成した下図のとおりです。

警視庁:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kotsu/chusha_kanshiin/kanshiin.files/kanshiin.pdf

|駐車監視員になるためには

では、駐車監視委になるのにはどうした良いのか?というと
  都道府県県公安委員会が行う講習を受講する
のです。

公安委員会規則で定めるところにより、放置車両の確認等に関する技能及び知識に関して行う「駐車監視員資格者証を取得するための講習」を受けて資格を取得することが出発点であり、この駐車監視員資格者講習は、駐車監視員資格者証を取得するための必須のの講習制度です。

この講習では、
道路交通に関する法令の知識その他放置車両の確認等の適正な実施に必要な技能及び知識について2日間の日程で、計14時間の講義を行い、その後、概ね1週間後に1時間の修了考査
を受けることになります。

この修了考査に合格すると、都道府県公安委員会から「駐車監視員資格者講習修了証明書」が交付され、駐車監視員資格者証の交付申請をすることができます。

道路交通法第51条の13により、
「公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関する技能及び知識に関して行う講習を受け、その課程を修了した者に対し駐車監視員資格者証を交付する。」
と定められています。

なお、参考までです、修了考査(試験)では「9割以上が合格」と明確に定められているので1点でも足りないと不合格になってしまいます。
試験は学科試験のみですがやはり真剣に取り組むことが必要なんですね。

|講習の流れ

講習の流れとしては
 「駐車監視員資格者講習の申込み」
      ↓
 「駐車監視員資格者講習」
      ↓
 「駐車監視員資格者講習修了考査」
      ↓
 「駐車監視違反監視員資格者講習修了」
      ↓
 「駐車違反監視員資格者証交付申請」
      ↓ 審査
 「駐車監視員資格者証交付簿に搭載」
      ↓
 「駐車監視員資格者証の受領」
という流れになります。

警視庁HPより

|道路交通法第51条の8第3項及び4項で規定する登録要件

公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、駐車監視員資格者証を交付すると規定されている(法第51条の13)。
つまり以下の各号に該当しないと駐車監視員としの資格者証を交付しないということである。

1 次のいずれかに該当する者
イ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関する技能及び知識に関して行う講習を受け、その課程を修了した者
ロ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関しイに掲げる者と同等以上の技能及び知識を有すると認める者

2 次のいずれにも該当しない者
イ 18歳未満の者
ロ 第51条の8第3項第2号に定める下記のいずれかに該当する者
これについては以下のことになります。
 a 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
 b 禁錮以上の刑に処せられ、又は第119条の2の4第2項の罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
 c 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
 d 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第12条若しくは第12条の6の規定による命令又は同法第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して2年を経過しないもの
 e アルコール、麻薬、大麻、あへん、又は覚せい剤の中毒者
  f 心身の障害により確認事務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの

(確認事務の委託)
第五十一条の八 警察署長は、第五十一条の四第一項に規定する放置車両の確認及び標章の取付け(以下「放置車両の確認等」という。)に関する事務(以下「確認事務」という。)の全部又は一部を、公安委員会の登録を受けた法人に委託することができる。
2 前項の登録(以下この条から第五十一条の十一までにおいて「登録」という。)は、委託を受けて確認事務を行おうとする法人の申請により行う。
3 次の各号のいずれかに該当する法人は、登録を受けることができない。
一 第五十一条の十の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない法人
二 役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第七十五条の十四において同じ。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
イ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
ロ 禁錮以上の刑に処せられ、又は第百十九条の二の四第二項の罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
ハ 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
ニ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して二年を経過しないもの
ホ アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
ヘ 心身の障害により確認事務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
4 公安委員会は、第二項の規定により登録を申請した法人が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない

(駐車監視員資格者証)
第五十一条の十三 公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、駐車監視員資格者証を交付する。
一 次のいずれかに該当する者
イ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関する技能及び知識に関して行う講習を受け、その課程を修了した者
ロ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関しイに掲げる者と同等以上の技能及び知識を有すると認める者
二 次のいずれにも該当しない者
イ 十八歳未満の者
ロ 第五十一条の八第三項第二号イからヘまでのいずれかに該当する者
ハ 次項第二号又は第三号に該当して同項の規定により駐車監視員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して二年を経過しない者
2 公安委員会は、駐車監視員資格者証の交付を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者に係る駐車監視員資格者証の返納を命ずることができる。
一 第五十一条の八第三項第二号イからヘまでのいずれかに該当するに至つたとき。
二 偽りその他不正の手段により駐車監視員資格者証の交付を受けたとき。
三 前条第五項の規定に違反し、又は放置車両の確認等に関し不正な行為をし、その情状が駐車監視員として不適当であると認められるとき
~以下略~

修了考査に合格した方には、会場にて「駐車監視員資格者講習修了証明書」が交付されます。

|駐車監視員の制服

監視員の制服は、全国統一のものを着用することになっており、ペパーミントグリーンの上着に、駐車監視員であることを証明するマークの入った腕章と帽子を着用することとされています。

全国ほぼ同一の制服なんですね。

|駐車監視員の勤務は過酷?

駐車監視員資格者証を保有していても、確認事務の委託を受けた法人に属さない限り、実際に駐車監視員としての活動を行うことができません。

そして、駐車監視員の業務は一見駐車違反の取締というシンプルなものと思われがちだが、実は過酷だという。
警察OBなどの再就職先としても活用されているようなのか、警察OBも結構いるようだが、放置駐車違反という違反の処理業務の過程において、運転者からのカスハラに近い状態の苦言を呈されたり、罵倒されることもあるが、それでも淡々と業務を遂行しなければならないのです。

公安委員会(実質的には「警察」)の代わりに駐車違反の確認事務を行っているため、違反者から何をいわれても粛々と「違反」として標章の取り付け業務を遂行するという強い信念が必要だということです。

いわゆるノルマというものはないようですが、違反行為に対してはみなす公務員として毅然たる態度で対応処理していくことが必要な仕事なのです。

|駐車監視員の月収は?

詳細は公開さえていないが、一般的に、駐車監視員の月給は15~22万円ほどのところが多く、年収に換算すると200万円~300万円程度となります。

雇用形態は、委託や派遣、パートタイム勤務など、勤務先によって様々に設けられていおり、当然勤務状態によっても月収は異なるのが特徴的です。

 これは、公安委員会(警察)から所属する民間の企業が業務委託を受けるときの委託費(契約料金)によって変わるのでしょうね。

<参考>

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kotsu/chusha_kanshiin/kanshiin.files/kanshiin.pdf

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kotsu/chusha_kanshiin/index.html

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kotsu/chusha_kanshiin/kanshiin.html




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