自動車の不正改造は犯罪?
ときどきみかける改造車両。マフラーを改造した昔ながらの暴走族のような車も時々みかける。改造車両は突出等があって危険、迷惑な車両もある。
一方で意外と目だたたない、何気なくやっているちょっこり改造でも実は違法改造と指摘されるものもある。
車は、通称「自動車の保安基準」に規定されている装置を改造したりすると不正改造ということになるのだ。今回は不正改造について触れます。
|不正改造とは
不正改造の定義は、
ということである。
|不正改造は犯罪!
道路運送車両の保安基準という法律によって
自動車の構造・装置について、安全確保及び環境保全上の技術基準
が定められており、これに適合しない車両、つまり一旦基準に適合するものとして製造・販売された車両を、違法に改造したような車両を運転する行為は、道路運送車両法や道路交通法(整備不良等運転)違反になる。
|不正改造車両に係る罰則等
不正改造車両については、運転していた本人はもちろん道路運酢車両法違反や道路交通法違反として処罰対象になるが、そのほか不正改造車の使用者、不正改造行為を行った人(不正改造の実施者)も違反として刑罰対象になるのだ。
〇 不正改造の実施者とは、自ら改造した場合はもちろん、車の所有者等の依頼を受けて不正に改造を行った人(業者)を含むのだ。
そして、「何人も・・」不正改造を行うと、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金である。
〇 整備命令
地方運輸局長は、自動車が改造によって保安基準に適合しない状態にあるとき、使用者に対し必要な整備を行うことを命じることになる。(道路運送車両法第54条の2)
そして、この整備命令が発令された場合は必要な整備を行わなくてはならず、整備命令に従わない場合は、車両の使用停止命令や50万円以下の罰金の対象となる。(道路運送車両法第54条の2、第108条、109条)
|不正改造の例
不正改造というと様々な改造が頭に浮かぶ。
ちなみに、暴走族が足場用の単管パイプなどをマフラー代わりに取りつけたいわゆる竹槍マフラーなどは典型的だ。また車体を低く改造したりワイドタイヤにしてフェンダーからはみ出したりというような不格好な車を思い出す。
しかしそれだけではない、もしかすると無意識のうちに何気なく不正改造を行っている場合があるかもしれない。若干事例を示すと
1.灯火の色
それぞれの灯火器には意味があり、灯光色が指定の色以外のものであれば、他の運転者や歩行者などに誤解を与え危険であるため、灯光色の変更を禁止している。
例えば
制動灯は「赤色」(道路運送車両の保安基準第39条)
番号灯は「白色」(道路運送車両の保安基準第36条)
尾灯は「赤色」(道路運送車両の保安基準第37条)
後退灯は「白色」(道路運送車両の保安基準第40条)
方向指示器は「橙色」(道路運送車両の保安基準第41条)で、点滅回数が毎分60回以上120回以下であること。
と法令で定められているのだが、この色を自分の好きな色とか規定以外の色に変えている車もある。
2.運転席及び助手席の窓ガラスへの着色フィルムの貼り付け
運転者の視野の妨げになり、歩行者を含む他の交通状況を確認できないと危険であるため、自動車の前面ガラス及び運転席と助手席の側面ガラスには、可視光線の透過率70%未満の着色フィルム等の貼り付けを禁止している。
3.タイヤおよびホイールの車体(フェンダー)外へのはみ出し
回転部分が車体より突出していることにより、歩行者の被服等を巻き込むおそれがあり危険であるため、車体より回転部分が突出することを禁止している。
4.基準外のウイングの取り付け
車体(ボディ)からはみ出したウィングは歩行者に接触するおそれがあり危険であるため、基準外のウィングの取付けを禁止している。
そのほかにも「速度抑制装置(スピードリミッター)の解除・取り外し」、「前面ガラス等への装飾板の取り付け」なども違法である。
|おわりに
いずれにしても不正改造は保安基準に違反することから、道路運送車両法違反になったり道路交通法違反(整備不良車運転)になり検挙されることになるので要注意だ。
【参考資料】
国土交通省HP
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/huseikaizou/h1/
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