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出生数は減少、死者数は増加(令和5年)

厚生労働省がとりまとめ公表した、令和5年人口動態統計(確定数)の概況をひもといてみました。


|出生数は減少

出生数は 72 万 7288 人で、前年の 77 万 759 人より 4 万 3471 人減少し、明治 32 年の人口動態調査開始以来最少となった。
出生率(人口千対)は 6.0 で前年の 6.3 より低下し、合計特殊出生率は 1.20 で前年の 1.26 より低下し、過去最低となった。

合計特殊出生率とは出生力、つまり人口に対して生まれた子供の数を表す指標の 一つです。 その年次の15 歳から49 歳までの女子の年齢別出生率を合計したもので、1 人 の女子が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に子供を生むとしたときの子供の数に相 当し、人口動態の出生の傾向をみるときの主要な指標となっています。

出典:茨城県ホームページ

母の年齢(5歳階級)別にみると、出生数は 15~44 歳の各階級では前年より減少したが、45歳以上の各階級では増加した。合計特殊出生率の内訳は 39 歳以下の各階級で前年より低下したが、40 歳以上の各階級では上昇した。なお、出生数及び合計特殊出生率の内訳ともに、30~34 歳の階級が最多・最高となっている。

出生順位別にみると、出生数及び合計特殊出生率の内訳ともに、いずれの出生順位についても前年より減少・低下した 。
なお、1985年(昭和60年:1,431,577人)の半数となっている。

出典:厚生労働省「令和5年人口動態統計(確定数)の概況」より

母の年齢(5歳階級)別と出生順位別を併せてみると、合計特殊出生率の内訳は 39 歳以下の各階級ではいずれの出生順位についても前年より低下した。
なお、14歳以下については、2010年以降わずかに減少しているものの27人もいることにはちょっと驚き。

|死亡数は増加

死亡数は 157 万 6016 人で、前年の 156 万 9050 人より 6966 人増加し、調査開始以来最多となった。
死亡率(人口千対)は 13.0 で前年の 12.9 より上昇した。

死因別にみると、前年と同様、死因順位第1位は悪性新生物<腫瘍>で死亡数は 38 万 2504人(死亡総数に占める割合は 24.3%、死亡率(人口 10 万対)は 315.6)、第2位は心疾患(同14.7%、190.7)、第3位は老衰(同 12.1%、156.7)となっている。

なお、新型コロナウイルス感染症の死亡数は、3 万 8086 人(同 2.4%、31.4)で第8位となっている。
年齢調整死亡率(人口千対)は男 14.1、女 7.8 で、男女とも前年の男 14.4、女 7.9 より低下した。

|自然増減数は減少

出生数と死亡数の差である自然増減数は△84 万 8728 人で、前年の△79 万 8291 人より5 万 437 人減少し、過去最大の減少となった。
また、自然増減率(人口千対)は△7.0 で前年の△6.5 より低下し、実数・率ともに 17 年連続で減少・低下した。

つまり2005年に死亡数が出生数がを初めて上回り、2006年には一旦出生数が戻ったが2007年以降は連続して、出生数を死者数がうわまっており、昨年の出生数は死者数の半分となっている。

| 死産数は増加

死産数は 1 万 5534 胎で、前年の 1 万 5179 胎より 355 胎増加し、死産率(出産(出生+死産)千対)は 20.9 で、前年の 19.3 より上昇した。

なお、人口死産数が8382胎であり、近年減少傾向にあったが594胎増加(前年7788胎)した。

| 婚姻件数は減少

婚姻件数は 47 万 4741 組で、前年の 50 万 4930 組より 3 万 189 組減少し、婚姻率(人口千対)は 3.9 で前年の 4.1 より低下した。

|離婚件数は増加

離婚件数は 18 万 3814 組で、前年の 17 万 9099 組より 4715 組増加し、離婚率(人口千対) は 1.52 で前年の 1.47 より上昇した。

|日本における外国人の人口動態

日本における外国人の出生数(母の国籍別)は1万9714人、死亡数は9051人である。

出典:厚生労働省「令和5年人口動態統計(確定数)の概況」より

|外国における日本人の人口動態

外国における日本人の出生数は1万331人、死亡数は1791人である。なお、結婚も9254組あった。

出典:厚生労働省「令和5年人口動態統計(確定数)の概況」より

|おわりに

人口動態統計をみると
 結婚件数が減少し、離婚件数が増加
している状況にあり、かつ
 死者数が増加し、出生率が低下している
ということで状況が伺える。
なお、自然増減数は過去最も多い84万8728人であり、その分人口減少している。
いずれにしても、人口減少のの傾向はとまらない。

参考資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei23/dl/15_all.pdf