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自転車関連事故の実態は・・その1

交通事故が減少してきた中で自転車事故が占める割合が多いと言われている。
なぜ自転車事故の割合が高いのか・・・。とりあえず2022年までの事故で考える。


|自転車関連事故の構成比が高い|

交通事故に占める自転車関連事故件数と全交通事故に占める自転車事故件数の構成比をみてみると、自転車事故も全事故の減少に伴い減少してきた(平成15年と令和4年を比較すると約4分の1に減少)が、交通事故全体に占める自転車事故の割合は増加傾向(4.1ポイント増加)にある。
推移は下グラフを参考にしてください。

参考:ITARDA発表データを加工

この機会に24時間以内死者数だけではなく、30日以内死者数と比較してみると、2017年から2022年までの6年間の推移は下表のとおりだ。
ここで注目すべきは「30日死者(24時間を経過後30日以内に死亡した人)が多い」ということだ。

前回、事故全体の24時間以内死者数と30日以内死者数との差について最大1.23倍程度(123倍)であると説明したが、自転車事故の死者数については1.4倍程度であり、2022年に至っては1.51倍と高くなっているのだ。

参考:ITARDA発表データを加工

|自転車の30日以内死者数の割合は他の区分より高い

下表のように、30日以内死者数に占める30日死者と24時間以内死者数の割合(比率)をみると、「自転車」は31%が30日死者となっており、他の区分と比較しても突出して高くなっている。
ちなみに全体でみると30日死者は18%となっている。

参考:ITARDA発表データを加工

|自転車運転者死者の構成
自転車運転者死者の第一当事者及び第二当事者構成をみてみると下表のとおりである。
第一当事者と第二当事者の割合は若干の増減はあるものの、概ね半数となっている。

また、第一当事者の内訳では、相手方のある第一当事者と、単独事故(いわゆる自己転倒事故)に区分して割合を見て見ると2019年以降単独事故の割合が多くなっている傾向にある(2021年は同率)

参考:ITARDA発表データを加工

|死傷者数の推移  

2021年以降の自転車事故における死傷者と単独事故の死傷者数の推移をみてみると下のグラフのとおりである。

自転車事故の死傷者数は増減があるものの2017年と比較して2022年は減少している。
しかしながら単独事故の死傷者数は大きく増加しており、2022年は2017年の死傷数の3.2倍になっている。
※死傷者数は第一当事者+第二当事者の合計数である。

参考:ITARDA発表データを加工

|まとめ

以上のように、自転車事故の実態としては
○ 全事故件数が概ね4分の1に減少する中、自転車関連事故が全事故に占める構成率が高い(4.1ポイントの増)。
○ 24時間経過後の死者(30日死者)が多く、他の当事者区分と比較しても30日死者数の構成率が突出して高い。
○ 自転車事故の第一当事者の死者では単独事故によるものが多い。
○ 単独事故死傷者数が増加している。

という状況にある。
なお、2023年については後日読み解くことにする。

いずれにしても、交通事故による死者数を減少させるためには、自転車事故、特に単独事故(自己転倒事故)を防止するための方策を講じていくことが重要である。

|おわりに

自転車事故による死傷者が増加傾向にあること、単独事故による死者が多いこと、30日死者の比率が高いことなどを勘案すると、自転車利用者
○ ヘルメットの着用
○ 自転車損害倍諸保険に加入
○ 自己転倒等単独事故に対応した交通傷害保険への加入

など、自転車利用者も自らの安全対策を講じていくことが重要である。

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