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就活セクハラの実態は?

「就活セクハラ」という言葉は私には縁がなかったが、先日知人から相談を受けたのでいろいろ調べてみると・・。今回は厚労省が行った調査結果を中心に読みときます。


|就活セクハラとは

「就活セクハラ」とは、就活生が社会人からセクハラを受けること。
就職活動やインターンシップ中の学生に対して、応募する企業や採用担当者が優越的な立場を利用して行うセクシュアルハラスメント(セクハラ)のこと。
2019年には、ゼネコン大手の企業や総合商社の企業の社員が、女子就活生にわいせつ行為をして逮捕される事件もあった。

OB訪問の女子大学生にわいせつ容疑 ~ 大林組の社員逮捕
OB訪問の大学生に性的暴行容疑 ~ 住友商事元社員を逮捕 

|就活セクハラ被害は男性にも

就活セクハラと聞くと、女子就活生がOB訪問の際、男性社会人からセクハラを受けるイメージが強いかもしれないが、最近の傾向としては男子の就活生に対する就活セクハラも起きており問題となっている。

厚生労働省の調査では、男性の26.0%、女性の25.1%が就職セクハラの被害にあったと回答している。
つまりそれぞれの四分の一がセクハラを受けていたということには驚きだ。

|就活ハラスメントの実態

厚生労働省が行った学生に行った調査結果を踏まえ、その内容を厚生労働省のサイトから一部転載しながら紹介する。

|ハラスメントの具体的な行為は?

就活ハラスメントに該当する行動として挙げられるのが、セクシュアルハラスメント(セクハラ)。
女性に限らず、男性も被害を受けることがあるという。

この種事案が発生するのは、採用する側という優越的な立場にあることがひとつの要因と考えられる。
また優越的な立場を利用したパワーハラスメント(パワハラ)などもあり得るのだ。

学生の4人に1人が就活 ハラスメントを経験しているがその内容は以下のとおり。

|どのような場面で起きるのか?

就活ハラスメントが起きるタイミングは企業側の人と学生が接触するときだという。
調査結果でも、インターンシップ中や企業説明会などの機会が多くなっている。

※ここでの就活ハラスメントとは特に就職活動中等のセクシュアルハラスメントについて調査した結果。

|就活セクハラの事例

厚労省がサイトで紹介している一例である。

幹部社員が女子学生に対し、採用の見返りに不適切な関係を迫り、その後もメールやLINEで連絡を取り関係を迫った。
これを女子学生が断ると、「うちの会社には絶対入社させない」と伝え、実際に不採用とした例もある。

※「結婚後や出産後も働き続けるか」といった質問を女性だけ(または男性だけ)にすることは男女雇用機会均等法違反(募集・採用に関する性差別禁止)となります。
内定した学生に対して研修と称し、内定者でつくるSNS交流サイトに毎日の書き込みを強要する。書き込みを行わない内定者に対して社員が「やる気がない、やる自信がないなら、辞退して下さい」などの威圧的な投稿を度々行う。

|就活ハラスメントは大きなリスク!

企業においても就活ハラスメントが行われると大きなリスクを負うことになる。

1.社会的信用を失うリスク

「就活ハラスメントを起こした会社」として、企業の社会的信用を失い、企業イメージも低下します。
就職後の職場でもハラスメントが横行している会社だと学生に認識され、応募が減少する可能性があります。
働いている従業員にも、働く意欲やモラルの低下により生産性に悪影響が及び、貴重な人材の退職・流失のリスクも生じます。

出典:厚労省サイト

2.損害賠償請求をされるリスク
会社の使用者責任が問われ、ハラスメント被害者から損害賠償請求を受ける可能性がある。

3.行為者は刑事責任を問われる
ハラスメント行為を行った行為者は刑事責任を問われる可能性がある。
人事部採用担当者や役員等が就活ハラスメントにより刑事責任を問われた場合、会社の信用は回復不能になるほどの深刻なダメージを受けることがある。

|おわりに

就活が起こる実態について、厚生労働省が行った学生へのアンケート調査結果から抜粋してみたが、インターンシップ中のセクハラが最多になっていた。
いずれにしても企業側の担当者が、就職という大きなエサをぶら下げて行う卑劣な行為といえよう。

参考資料

https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001256086.pdf