「分電盤の点検に行きます」の電話から始まる勧誘に注意
分電盤の点検商法に関する相談が 2024 年度に入り急増しているそうです。国民生活センターが注意を呼びかけていますので、それを参考に概要を記載します。
|相談件数が急増
分電盤は、内部に屋内配線の安全確保等のためのブレーカー等が内蔵されており、一般的に玄関や洗面所等に設置されています。
その分電盤の点検をうたった詐欺的な商法に関する相談件数が増えているそうです。
相談件数は 2024 年 11 月末時点で 2023 年度同期と比べ約 25 倍となっているからちょっと驚きですね。
そして契約当事者の約8割が 70 歳以上だという。
相談事例では、業者が電話等で突然分電盤やブレーカーの点検を持ち掛けて訪問し、「すぐに交換しなければ漏電して火事になる」などと不安をあおりその場で分電盤の交換を迫る手口がみられます。
中には電話口で電力会社やその委託会社と名乗り、信用させる例もあるという。そこで、トラブルの未然・拡大防止のため、寄せられる相談事例を紹介するとともに、消費者に注意を呼びかけます。
|相談事例
高齢者等の不安をあおるような言動を用いて契約をさせるというような手口が多いと言います。下記の事例を参考に被害に会わないようにしましょう。
なお、参考までであるが、一般的に分電盤は下図のように一般送配電事業者の所有物と消費者の所有物と区分されます。
【事例1】不安をあおられ分電盤の交換契約をしたが、高額なのでやめたい
訪問した業者が、分電盤を 点検してすぐに「これは古いのですぐに交換しなければ漏電して火事になる」と言われた。今ま でトラブルはなかったものの、何十年も交換していなかったため、信用して約 15 万円の交換工事 の契約を結び、前金を支払った。しかし、後からよく考えると高額ではないかと思う。工事を中 止してほしい。 (2024 年7月受付 80 歳代 女性)
【事例2】電力会社の委託を受けたという業者の点検後に交換工事を契約したが、委託というのはうそだった
契約している電力会社に委託されたと言う業者から「分電盤の点検をする」と電話があった。 昨日訪問してきて、点検後に「分電盤が古いので漏電する可能性もある。危険なので交換した方 がいい」と言われた。漏電したら困ると思い、約 23 万円で契約し、数日後に工事予定だ。念のた め、契約している電力会社に確認したところ「この業者は当社とは関係ない」と言われた。不審 なので解約したい。 (2024 年6月受付 90 歳代 男性)
【事例3】漏電による火災は保険が下りないと言われ不安になり契約した
先月、女性から電話があり「ブレーカーの無料点検に行く」と言われて来訪を承諾した。業者が来訪してブレーカーを点検した後、「漏電などで火災になるかもしれない。漏電で火災になった 場合には火災保険が下りない」と言われた。火事になったら大変だと思い、訪問した業者とブレ ーカーの交換工事を契約した。2日前に工事が終わり、代金約 16 万円を支払った。家族に話をし たところ、高額で悪質な業者ではないかと言われた。工事内容も安全なのか心配だ。(2024 年7月受付 70 歳代 女性)
【事例4】分電盤は 15 年で交換することが法律で決められていると言われ契約してしまった
事業者から電話があり「無料でブレーカーの点検に行く」と言われて来訪を了承した。昨日、 事業者が来訪し「ブレーカーは 15 年ごとに交換が必要と法律で決まっている」と言われ、15 年以 上経っていたので交換工事を了承した。契約金額は約 16 万円で工事終了後に現金で支払うことに なっていた。後刻、家族に報告すると「不審だ」と言われた。解約したい。(2024 年8月受付 80 歳代 女性)
|相談事例からみる問題点
(1)電話等で電力会社やその委託会社を名乗るなどして突然点検を持ち掛ける
電力会社(一般送配電事業者)には4年に1回以上の頻度で調査(点検)を実施することが法律で義務付けられているが、事例の中には、電力会社やその委託会社を名乗って電話をかけてくるなど身分を偽っているものもみられる。
(2)点検後に不安にさせ分電盤交換の契約を急がせる
電力会社等を名乗り信用させ、「古いので交換した方がよい」「このままだと漏電して火事になる」などと消費者の不安をあおり、その場で分電盤交換の契約を持ち掛け契約させる。
(3)分電盤交換は法律で定められている、分電盤の漏電では火災保険が下りないなどとうその説明をする
法律の定めはないが、「法律で交換が定められている」「火事が起きた時、漏電が原因だと火災保険がおりない」などというその説明をしている
などの例がみられる。
|この種事案の被害に会わないために
国民生活センターでは以下の点についてアドバイスしています
○ 電話等で点検を持ち掛ける業者には安易に点検させないようにしましょう
○ 点検させたとしてもその場では契約せず、十分に比較・検討しましょう。
○ クーリング・オフ等ができる場合もあります。
○ 4年に1回の無料法定点検について日頃から確認しておきましょう。
○ 不安や不明な点があれば、すぐに消費生活センター等に相談しましょう。
相談先
*消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
参考資料
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20250115_1.pdf