自転車損害賠償責任保険について ~その2
前回は、いわゆる「自転車保険」の概括的な話を書きました。
今回はその続きです。
|家族で加入できる自転車保険
自転車保険のなかには、夫婦や家族全員、別居の独身の子をも含めて補償対象としている商品があります。
一般的な自転車保険は、月額にすると数百円から程度加入できる安価な保険商品ですが、一人ひとりが別々に加入するとなると、まとまった金額になり結構大変な金額になりますよね。
また、自転車に係るTSマーク付帯保険の場合には、自転車の台数分の点検整備費が必要になります。
点検整備は必要なことですが、台数が増えると負担が大変。
しかし、個人賠償責任保険型の自転車保険なら家族が何人でも、自己または他人の自転車であっても運転中の事故に対応でき、保険料は変わりません。
そう考えるとすっごくリーズナブル。そして家族が多ければ多いほど一人あたりの負担としては一層お安く。
|火災保険などで補償される場合もある
親が加入している自動車保険や火災保険に、個人賠償責任保険や傷害保険がセットされていることもあります。
個人賠償責任保険の場合、記名被保険者(一般的には契約者)と「生計を共にする同居の親族」も補償の対象となります。
自動車保険などの既に加入している保険のなかに、家族が自転車事故を発生させた場合に賠償責任補償を受けられる内容が含まれているかどうかを確認してみみると良いでしょう。
|こどもの事故への備えとは?
こどもの自転車事故に備えて、どのような準備をすればよいか。
家庭で、こども達に交通のルールを教示する、親が交通ルールを実践して姿を見せて覚えさせることなど、教育が必要なことはいうまでないです。
交通事故発生時、特に加害事故時の損害賠償責任という視点でいうと
○ 自転車事故に対応する損害賠償責任保険に加入する
○ 加入している保険の概要等を家族内(こども)で共有する
保険未加入であると勘違いして、自己現場から立ち去るひき逃げ事故も発生しているからこの種事案の防止を図るため。
ことなどが大事です。
親が加入している自動車保険や火災保険に個人賠償責任保険がセットされている場合があります。
こどもの自転車保険への加入を考える際は、まず、既に親が加入している保険の補償内容に、こどもの自転車事故への備えが含まれているかどうかを確認することで、補償の重複を避けることができます。
|補償内容等以外に確認しておきたいこと
自転車保険を検討する際、補償金額や保険料以外にも考えておきたいことがあります。
自転車事故で加害者となった場合、被害者と補償の交渉をすることになるので、保険会社が被害者と賠償金等の交渉を行ってくれる「示談代行サービス」や「弁護士費用特約」などがあると安心です。
自動車保険(任意保険)に特約を付けて自転車事故の補償をカバーする際には、自動車保険に付けた弁護士費用特約などが自転車事故のときにも適用されるかどうかを確認しておくとよいです。
|他の保険との重複を確認
自転車保険の補償内容は他の保険の補償内容と重複していることがあります。
個人賠償責任保険は火災保険や自動車保険などの特約で加入していたり、医療保険や生命保険に加入し自分の怪我などに備えられていることもありますよね。
個人賠償責任保険を複数契約していても、この保険は相手方に対する賠償責任を果たすための保険なので重複して保険金を受けとれません。
ただし、支払うべき賠償額が大きい場合に1つの個人賠償責任保険で補うことができない場合に、他の個人賠償責任保険の保険金額が追加できる、つまり複数の保険の合計額まで賠償することができるのです。そうでなければ保険料の無駄払いとなってしまいますね。
自分が入っている保険の補償内容を確認したうえで、補償内容を見直し整理ことが必要なのかを考えてみることも必要です。
|医療保険との違いは?
自転車保険、特に人身傷害特約付き(又は傷害保険+個人賠償特約付き)の場合、自転車運転者の身体の怪我に係る補償として、死亡・傷害が生じた場合に保険金の支払いを受けとることができます。
一方、医療保険は、病気または怪我による入院、所定の手術などを補償する保険です。
このように医療保険も傷害保険補償内容が似たような内容であることからば、医療保険で十分と考える方もいます。
しかし、傷害保険は、持病などがあっても加入することが可能ですし、保険料も医療保険と比較すると一般的にお手頃です。
また、年齢により保険料が変わらないというのも医療保険と異なる点です。
※主にシニアの方を対象にする保険で、年齢によって保険料が変わる商品もある。
|自転車保険と自動車保険の自転車特約の違いは?
任意の自動車保険には、自転車に関わる事故の補償を特約として付けて契約できる商品もあります。
自転車に関わる特約の場合、自転車で他人にケガをさせてしまったり他人の財物を壊してしまったりして損害賠償責任を負ったときは、「日常生活賠償特約」および「自転車賠償特約」で補償が受けられます。
この自動車保険に特約として付ける自転車保険や個人賠償保険の場合、会社により、自転車に関わる特約の補償内容や名称が異なります。
また、補償内容によっては、補償範囲を相手に損害を与えた場合のみに限定していたり、自分への補償がなかったりするものもあります。
特約として加入する場合にも、事前に内容をしっかり確認することが大切です。