2024.5.4vs富山 譲れぬもの
2023-24シーズン最終節vs富山のGAME1、試合後川辺HCも指摘した通り前半と後半とで大きく違いの出た試合となりました。その違いとは具体的に何だったのかの一考察です。
富山の攻撃を引っ張ったJ3
まずはこちらの画像をご覧ください。
こちらは、昨日の試合で富山が特に点を多くとった2Qのスコアチャートです。赤が富山、灰はFEを表しています。後半傾きが急になっているこのグラフがあらわす通り、富山はこのクウォーターであげた26点中15点を、残り4分弱で取っています。この4分弱の間に5得点2アシストを叩き出し富山の攻撃を牽引したのが、元FE戦士のJ3ことジョナサン・ウィリアムズでした。
昨日の試合での富山のスコアリングリーダーは19得点のヘソンでしたが(J3は17得点)、解説の井口さんも指摘されていた通り昨日のヘソンは対JJの意識が過剰になっており、いいチームオフェンスからの得点ではあまりなかったように思います。
J3の使い方①ローポスト
J3の一つ目のオフェンスパターンが、ローポストからの1on1です。我々も、彼の精度の高い左手のフックには幾度となく助けられました。
その武器も頭にあってか、昨日の試合ではFEはルーク一人にJ3を任せず、すぐヘルプに行けるようゴール下に一人配置していました。
しかし、その分誰かはフリーになるため、2Qはこのフリーになった選手をうまく使われてしまいました。例えば下の場面(0:54~)では、外に開いた高橋にカウンタードライブで侵入され、スクープショットを決められてしまいます。
また、下の場面(1:04~)では同様に外に開いた伊藤にフリーで3ptを決められてしまっています。
J3の使い方②エンプティサイドでのピックアンドロール
エンプティサイドとは、ピックアンドロール(以下PnR)をするボールマンとスクリーナーの2人だけにして、コーナーに誰も置かない状態のことを言います。
そうすることで、上の動画のようにボールサイドのスペースが広くなり、ヘルプに行くのが難しくなります。
下の場面(2:04~)は4Qですが、エンプティサイドでPnRをし、得点に繋げています。
2Q1:48にも、シュートは外れましたがエンプティサイドのPnRでチャンスを作られてしまっています。
FEの修正点:ポジショニング
では、J3を生かした富山のオフェンスを、FEはどのように跳ね返したのか、それはポジショニングの修正です。以下のシーン(2:24~)はたまたま上の①②両方が含まれているシーンなので、とても参考になります。
まず、コーナーにいた小野がJ3からパスをもらいつつウィングに行き、エンプティサイドでPnRをはじめますが、トップにいた笹山が距離を縮め、プレッシャーをかけます。
そこで小野はPnRを諦め、J3のローポストに切り替えると、アーロンがお約束のようにゴール下にヘルプに行きます。と同時に、笹山は先程のトップからウィングへと移動し、J3の水戸を狙ったパスを完全に読み切りスティール。きれいな速攻に結びつけたのです。
ほぼ一人でこのポゼッションを守り切った笹山のポジショニングは、本当に素晴らしかったと思います。
これを踏まえて、先の富山の得点シーンを見てみると、「ボールマンが動いたこの時に、ディフェンスはこちらに動いた方がよさそうだ。」というのが、なんとなく見えてきませんか?このポジショニングこそ、FEのチームスティール数をリーグ2位たらしめる要因だと私は考えます。(そしてこのポジショニングの理解度が上がると、バスケ観戦がもっと楽しくなります)
譲れぬもの
この修正は別に、「今はここにいるからもっとこちらに動きましょう。」などと具体的に行われたのではないように自分は思っています。なぜなら、このポジショニングこそ今シーズンFEを支えてきたチームディフェンスの肝だから。細かく言わなくても「もっと脚を動かそうぜ」と言えば伝わる共通認識になっているのではないでしょうか。
これを疎かにして負けてしまっては、今シーズンの戦いを否定してしまっているように感じます。
もうCSもありません。満身創痍であることも分かります。出場できる選手も減ってしまった。でも。あと1試合。悔いを残さぬために、今シーズン自分たちが大切に育ててきた武器を、しっかりと出し切ってほしいと思います。笑ってシーズンを終えましょう。最後まで応援しています。
Go!Eagles!!
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