2024.10.26vs宇都宮ブレックス 東奔西走
昨日は、一時は25点差をつけられ完敗を喫した我らがFE。何故ここまでの差がついたのか、またどうすればよいのかの一考察です。
栃木のオフェンスの特徴
まずはこちらのデータをご覧ください。
これは、栃木のシーズン毎の1試合平均のスタッツ(一部)です。特に見ていただきたいのは、2ptと3ptの試投数。3ptが上回っていることが分かります。因みに栃木の3pt試投数と成功はリーグ1位です。このことから、栃木は3ptを大きな得点源としていることが分かります。
昨日の試合での変化
続いてはこちらをご覧ください。
こちらは栃木の今シーズンの試合毎のスタッツです。昨日の試合については3pt試投数は変わらないものの、確率が上がっていることが分かります。何が確率を上げたのか。実は、試投数は変わらなくても、昨日の試合で変わっていたところがあります。それは「誰が打つか」です。
この表は、FE戦を除く5試合での、各選手(平均出場時間10分以上に限る)の3pt平均成功数と平均試投数、及びFE戦での3pt成功数と試投数です(Bリーグ公式データから筆者算出)。
ここまでの5試合と比べて、ガード陣の試投数が減り、ビッグマンの試投数が増えたことが分かります。特に驚きなのは、ニュービルの3pt試投数が0であることです。これは、平均31分出場だったニュービルが昨日は18分出場だったことを差し引いても、特に少ない結果だったと言えるでしょう。つまり昨日の試合では、敢えてビッグマンの3ptを増やしたと考えられるわけです。
また、普通考えるとビッグマンよりガード陣の方が成功率は上がりそうですが、恐らくニュービルや昨シーズン3ptキングの比江島らが相手チームから厳しいチェックにあったからなのでしょう。
ビッグマンの3ptを増やした理由
ではなぜビッグマンの3ptを増やしたのか。理由は言わずもがな、オマラ・バッツの存在です。ジェレットにしろフォトゥにしろ、インサイドでオマラ・バッツと勝負するのは、若干分が悪いように思えます。それよりも、彼らが外に開き、ニュービル・比江島がインサイドにドライブしてオマラ・バッツを引き寄せ、アウトサイドで待つビッグマンにキックアウトした方がよい形でシュートが打てるわけです。
FEがとった対策
相手のPnRに対し、FEはドロップしてみたりハードショウしてみたりと、いろいろ対応を変えてみましたが、どれもなかなかうまくはいきませんでした。
例えばこれはバッツがドロップし、ハーパーもインサイドに一度寄せて中を固めますが、鵤のヘジテーションによって迷わされ、最終的にはそのままレイアップを許しています。
また、ハードショウしてもニュービルの巧みなドリブルでかわされてしまい、あっさりアウトナンバーを作られてしまいました。
さらに、スイッチをしたところでミスマッチを確実につかれて得点されてしまいます。
どんな守り方をしても、栃木はそれを上回る対応をもっていたと言えます。
ではどうすればよいのか
ただ、FEもなす術なく敗れたわけではなく、一筋の光を見出していた様に思います。それが4Qの守り方です。
栃木のメインハンドラーである小川やビッグマン竹内の3ptの確率の低さに助けられていた様にも思いますが、改めて今のうちのメインの守備戦術である、センターのドロップとハンドラーのオーバーを採用しています。
ただ前半とちがうのは、センターはあくまでマイマンのマークに徹底し、チェイスするガードにスリーをチェックさせることです。
例えばこのシーンでは、ピックをかけられた笹山がジェレットのチェックに一度下がった結果高島とのズレが起こり3ptを決められていますが、4Q8:51の渡邉に対しては最後まで追いかけ続け、フォームを狂わせることに成功しています。
この、チェイスする選手がとても重要で、もしハンドラーが3ptではなくドライブを選択した場合、もちろんヘルプサイドからヘルプが出てくるわけですが、その空いたヘルプサイドの選手に、先ほどチェイスした選手がローテーションする必要があるわけです。つまり、スクリーナーについていたビッグマン以外の選手が走り回る必要があるのです。
まとめ
対策を重ねて相手の3ptをもっとタフにすることはできそうです。ただ忘れてはいけません。昨日の試合、ニュービルは3ptを全く打っていないことを。つまり、昨日の試合の栃木はまだ第1形態にすぎないのです。
最終形態にさせるためにも、まずは走り回って相手の3ptを楽に打たせないようにしたいところです。