2024.12.21vs琉球
水曜の敗戦からバウンスバックし、強豪琉球を下した我らがFE名古屋。1番の勝因は川辺HCが語るように、インテンシティの高い守備やリバウンド争いを選手たちが頑張ったことだと思いますが、ここでは相手の守備にどう対応してきたかについて書きたいと思います。
クーリーとカークで違う守備戦術
琉球が誇る2センターのクーリーとカークですが、昨日の試合、2人のピックアンドロール(PnR)の守り方が違っていたことはお気づきでしょうか。クーリーはドロップと言ってハンドラーから少し離れてペイントゾーンを守る守り方を、カークはブリッツと言ってボールを持つハンドラーに激しくプレッシャーをかける守り方をしています。
このブリッツ、一時的にでも2人がかりでハンドラーに当たることになるため、リスクの高い守り方であり、1Qこそその強度に屈してしまうシーンも見られましたが、2Q以降は比較的冷静に対応できていたように思います。
対抗策①スリップ+ショートロール
このシーンでは、並里がドリブルを始めカークがブリッツに出るまさにその瞬間に佐土原がロールしてペイントゾーンに侵入(ダイブ)しています。この、ブリッツとタイミングを合わせることがとても重要で、これによってディフェンスの逆をつき、フリーになることができるのです。
また、ダイブした後も中に入りすぎることなく、フリースローライン辺りでパスを受けることがとても重要です。何故なら、下まで入り過ぎると、ゴール下で待っているディフェンスにわざわざ自ら近付いてしまうことになるからです。このシーンでは佐土原に対応せざるを得なくなったローをかわすパスをヘンリーに出しています。
ちなみにこの時の並里のパスも超一級品で、ブリッツしてきたカークが気づかないようなフックパスをカークの背後から出しています。またパススピードも速いため、アルマのヘルプも一瞬遅れています。パスが遅ければもしくはアルマのブロックが届いていたかもしれません。
対抗策②外へパス
これを受けて琉球も、ショートロールしたスクリーナーに、ウィングのディフェンダーが早めにチェックするようになります。2Q残り24秒辺りからのシーンでは、スクリーナーのフェミ(これはショートロールではなくポップですが)に、元々アーロンについていたアルマがチェックし、それを受けて中にダイブしたアーロンには保岡についていた脇が対応します。それを受けたフェミは保岡にパス、脇が戻り、アーロンには戻ってきたカークが対応してローテーションを成功させています。
それを受けて修正したのがこのシーンです。
このシーンでは、オマラのダイブにローがヘルプしているのを確認した中村が、ローが元々ついていたフェミにパス。フリーになったフェミがスリーを沈めています。
この時、フェミもウィングからトップに移動しているところも重要なポイントです。
3Q1:06ごろにも同様のシーンがあります。佐土原のポップに小野寺が対応し、中村がコーナーでフリーになっています。ここではスリーを落としてしまいましたが、とても落ち着いた対応を取れていたと思います。
対応策③無視
「無視」というと戦術もへったくれもないような感じがしますが、バスケ用語を使うと「リジェクト」(拒否)となります。
3Q残り46秒頃からのシーン、アーロンが1on1からフローターを沈めていますが、これも実はブリッツへの対応策となっています。アーロンにとって左側に佐土原がスクリーンをかけに行き、カークもブリッツのためについていきます。するとアーロンはそのスクリーンをリジェクトし、カークのブリッツを無効化しつつ右へドライブしています。カークがいなくなったインサイドは守備が薄くなりドライブしやすくなる、というメリットも生まれる対応策です。
今日の展望
このように、昨日は相手のブリッツには上手に対応できていたと考えますが、それでブリッツを諦めてドロップばかりするとは自分には思えません。別の対策をするのか、はたまたブリッツとそのサポートの強度をあげてくるのか。
昨日と同様今日も冷静に修正をして乗り越えてほしいと思います。Go!Eagles!