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12.28vs佐賀 ジャックの苦悩

 昨日の試合出場時間が10分超となったジャック。これは外国籍選手2人で臨んだ12.7の広島戦ぶりのことでした。しかし、残した成績は2得点3リバウンドと、正直目立った結果とは言えないかと思います。
 それでも、勿論、我々FEfamilyはジャックを応援し続けます。本稿はあくまで、オンコートで見られる彼の苦悩と頑張りに注目をし、成長を見つけやすくしようと試みるものです。
 いつも通りですが全くの憶測で書いておりますことをご承知おきの上お読み頂ければ幸いです。

ロールプレイヤーとして若手として

 現状ジャックがチーム内で置かれている立場は「ロールプレイヤー」と言えるものです。ロールプレイヤーとは、いわゆる「エース」と言われる点取り屋などの代えの効かないスター選手とは違い、そういったスター選手を支える立場にあります。その部分で、他の選手に合わせた動きが求められるところにあります。
 またジャックは、ロールプレイヤーの中でも特に若手であり、これまでに経験を重ねてきたベテランとは違います。ロールプレイヤーの動きに慣れているベテラン選手なら素早くできる判断も、若手としてはやや時間のかかるものと思われます。

ジャックの課題

 以上を踏まえて、ジャックが今抱える課題の一つは、プレーを仲間に委ねてしまうところであると、自分は思っています。それが色濃く表れたのが、唯一となった得点シーン(1:11~)です。 

 ジャックの戻りにより満原が遅れ、数的優位となったこのシーン。すっぽりと空いたスペースに跳びこんだジャックにアーロンがパスを入れ、ローソンをフェイクで跳ばせてファウルを引き出したナイスプレーと思います。
 ただ、これがジャックではなくジャモラントのようなアスレチックなスター選手なら、初めからリングを目指して走り込みアリウープでガツンでしょう。でもジャックは金丸の背後で一度スピードを緩ませています。
 恐らくですが、バックスクリーンを掛けて並里をフリーにさせようとしたのではないでしょうか。その判断が変わったのは、きっとボールを持つアーロンの表情を見たからなように思います。(ぜひアーロンの表情を見たい…)「自分が点を取る」より「味方の動きを助けて点を取りやすくする」が上位にある動きに見えるのです。

「どうしたい」をもつ

 この「仲間に委ねる」意識は、守備面でも表れているように思います。(3:09~)

 動画にはすべてが収められていないので分かりづらいのですが、このポゼッションの初め、金丸と満原のハンドオフによって保岡とジャックのスイッチが起こっています。このクォーター佐賀の得点を9に抑えたのはこのスイッチディフェンスによるものですし、スイッチしなければスピードに乗った金丸にそのままドライブされると判断した保岡がジャックにスイッチを促したのは決して間違ってはいないと思います。
 ただその後、金丸がガルシアにボールを戻した瞬間、スイッチを解消するチャンスはあったように思うし、保岡もそれを考えたような動きをしているように見受けられます。
 しかし、保岡のその動きを受けてからジャックが判断しようとしたその時にはガルシアがツーメンゲームを始め、ジャックはダイブしてきたラミンへのバンプを余儀なくされます。そこで浮いた満原をケアするために中へ絞らざるを得なくなった中村が、本来ついていた井上にチェックできなくなってしまったためフリーでスリーを沈められてしまったわけです。
 まずはあそこにパスを飛ばせるガルシアが素晴らしかったのですが、もし金丸がガルシアにボールを戻したその時に、ジャック自身にも「スイッチのずれをなくしたい」という思惑があれば、もう少しコンテストできていたような気がしてなりません。

 もう1つ紹介したいシーンがあります。2Q残り1:55ごろ、ガルシアが並里にローポストで1on1を仕掛けています。並里は敢えてミドルレーン寄りに位置しバックターンを誘っています。並里の狙いとしては、バックターンをしたその瞬間にビッグマンにダブルチームをさせてボールを取りたかったのだと思いますが、そこにいたジャックは「こちらを向いたからヘルプをした」ぐらいの守り方で、結局ガルシアにキックアウトを許しています。
 最終的には保岡が金丸をブロックしてくれたおかげで守り切れましたが、ジャックに「この後どうする」の意識があれば、と思うのです。

「合わせられる」という長所

 ですが、短所と長所は表裏一体とはうまくいったもので、「仲間に合わせてしまう」は「仲間に合わせられる」といった長所にもなる訳です。
 例えばこのシーン、ジャックはラミンとガルシアに挟まれターンオーバーを喫していますが、動きとしてはとてもよいものでした。(2:35~)

 ラミンがアーロンを見ている隙に、デッドローと言われるところからペイント中央に移動しています。アーロンにとっては、ジャックだけでなくその向こうの保岡にもパスコースが生まれるとてもいい動きです(保岡をフリーにするため角田にバックスクリーンを掛ける並里もさすがです)。
 アーロンがこの時はまだスコアラーモードだったのでパスが遅かったですが、アシストモードになっていれば早めのバウンズパスが出てジャックが得点できていたように思います。

 またこのシーンも、オマラに満原がダブルチームを仕掛けたその時にいい跳びこみを見せています。あとはフィニッシュ力があれば、というところです。(3:18~)


今日の展望

 佐賀の「ローソン・ラミン・満原」という重量ビッグマンを回すローテーションを考えると、今日もジャックには出番は多くあると思われます。今日こそダンクを決めて、とは言わないまでも、主体となってプレーを成功させて自信をつけて、1月からの巻き返しに繋げて欲しいと思います。加油!

画像提供:ばんばんさん

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