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【連載小説】あの時、僕は二人になった[6/10](7332字/総約8万字)

【2022年ポプラ社小説新人賞の(問答無用の)落選作】
 登場する人物および名称は、すべて架空のものであり、実在するものと一切関係有りません。
 また、差別的と感じたり公序良俗に反すると思われる記述がありましたらお知らせ下さい。

(十一)

 実音はいくつかの不安を抱えていた。最も大きな不安は倫也のことだ。倫也が何の前触れもなくもう一つの世界線へ突然跳んで行ってしまうのではないか、といつも気が気でない。そしてもしかすると、実音の目の前から消えてしまったまま二度と戻ってこないのではないか。そんな不安を払拭し、自分を鼓舞するためにも、実音は懸命に明るく振る舞おうと心に決めていた。
 飛高の街に行くのに、倫也は自転車で行くことを主張した。しかし、飛高の街を歩くのに大汗かいたスポーツウェアのままで嫌だ、と実音は渋った。情緒ある歴史的街並みを、実音はシマクロで買った服を着て歩きたいと主張した。結局、一雄が飛高まで車で送ってくれることになった。実音はお気に入りの服を着て行くことができてご満悦だった。
 お盆間近の日曜日、八時過ぎに朝市に着いた時には多くの人でごった返していた。川に沿った通りが朝市のために車両通行止めとなっており、その通りの両側に様々な店が並ぶ。川に近い側には、テントを屋根にし仮設台に商品を並べた露店が並び、民芸品や自作のアクセサリ、果物、花、おもちゃなど、縁日の出店に近いような商品が売られている。通りの反対側に並んだ店舗は、通りまではみ出るように販売用ワゴンを置いている。同じような商品が売られているが、露店より商品陳列場所が広いため、衣類や海産物の干物、土産物など多くの商品が売られている。レストランや喫茶店も営業しており、食べ歩きように、飲み物やかき氷、ソフトクリームはもちろん、フランクフルト、コロッケ、串焼き、みたらし団子などを売る店もある。何も買わずにその通りを歩くだけでも、朝市の情緒や活気を感じることができる。
 特に、買いたいものもない倫也は、店の商品に目をやることも手に取ることもない。一緒に歩く実音を振り返ることなく、淡々と歩いている。
「せっかくなんだから、もっとゆっくり歩いてよね。」
 そう言って、実音は倫也の左の手首を掴む。倫也は歩く速度を緩めると、黙って左手でそのまま実音の右手を握った。そして、あちこちの店を興味深そうに覗き込みながらゆったりと歩く実音に歩調を合わせた。気恥ずかしげではあったが、倫也から手を握ってくれたことが実音はとても嬉しかった。このままずっと握っていられたら幸せだと実音は思った。
 実音は、それぞれの露店や店舗に並べられている品をつぶさに見る。魅力的なアクセサリや個性的な民芸品には目を奪われ足を止める。そしてその度に「きれい!」「超かわいい!」「やば~い!」と黄色い声を上げた。
 空は雲に覆われていて日差しは届いていなかったが、夏らしい暑さだった。人出も多く、じんわりと汗が滲む。実音はソフトクリームを食べたくなった。店のポップでは、飛高で育てられた牛のミルク一〇〇%と謳っている。実音はバニラ、倫也はチョコミックスを注文し、食べながら散策を続けた。
「少しちょうだい。」
と実音が言うと、
「えっ!」
と声を出して、倫也はどぎまぎした表情を見せる。
「私のも上げるから。」
 そう言って、実音は自分のバニラソフトクリームを倫也の口元に向けた。すると少し恥ずかしそうに、倫也も自分のチョコミックスを実音の口に差し出した。
「私もチョコミックスにしとけばよかったかなあ。」
 実音が少しばかり不満げに言うと
「バニラもうまいじゃん。」
と実音に笑顔を見せる。実音は抹茶味にも未練があったが、実はどのフレーバーでもよかった気もした。はたから見れば人目を憚らず公衆の面前でイチャつくカップルにしか見えないだろう。しかし、二人でシェアして食べるからこそ感じることができるおいしさかも知れない。
 朝市の通りを出て、古い家が並ぶ通りに入る。焦げ茶色の落ち着いた佇まいの屋敷が連なり、町屋格子が優雅な風情を漂わせる。歩く人波を掻き分け、時折人力車が通り過ぎていく。まるで江戸か明治の時代に、時計の針を巻き戻したかのようだ。飛高の街ってこんなに風情があるんだ、と実音は胸がいっぱいになる。実音にとって、一生忘れることができない情景と時間だと思われた。
 永遠の時を思わせる店構えとは異なり、各店内は活気に満ちている。地酒の造り酒屋、朴葉味噌を造る味噌屋、その他にもお茶の道具屋、雑貨屋、土産物店、レストランやカフェも営業している。名産の牛を使ったにぎり寿司なども含めて、二人は結構な種類の物を歩きながら食べた。
「ちょっと疲れたね。」
 そう言って、倫也はカフェで少し休憩することを提案した。
 様々なスイーツがメニューに書かれている。実音が抹茶オレとあんみつ、倫也がアイスティーと抹茶ソフトが乗った冷たい栗ぜんざいに決めた。倫也が結構甘いものが好きなことが、実音にはほほ笑ましく感じられた。注文を済ませると、実音が朱莉の話を始めた。
「朱莉さん、間違いないって。」
 昨日の男は天長康和あまながやすかず、いっしょにいた女は正本志織まさもとしおり。志織はバイト先で知り合った女性で、志織に紹介された男性が康和だった。商社マンだという康和と一応交際してみたけれど、しつこく迫られるだけなので辟易していたらしい。紹介してくれた志織の手前、無下に断ることができないでいたと言う。
「はっきりと断る理由ができてよかったってさ。」
 自分にとってはあまり愉快ではない現象であるが、人の役に立つのであれば、もう一つの世界線へ跳ぶことの憂鬱を少しは紛らわせることができる気がした。
「うん、役に立って良かった。」
 そして、少し恥ずかしげに倫也は言った。
「実音の住所を教えてくれないかな。」
「うん。いいよ。」
 二人は連絡先を交換する。倫也の家が同じ区内でさらに結構近いことに驚いた。隣の中学校の学区だった。家からの最寄り駅も隣だ。
「もう一つの世界線のミオンに会ってみたくて。」
 倫也は、トモナリの世界線の実音がどうしているのかを知りたいと思っていた。
「そうだね……。でも、そんな悲しいことを言わないでよ。」
 実音にとって、倫也がトモナリの世界線に跳ぶことは、自分の目の前から倫也が消えてしまう悲しい出来事でもあった。トモナリの世界線の自分がどうしているのかを知りたい思いもあったが、倫也がいつ戻ってくるのか、二度と戻ってこないのではないか、そんな不安の方が大きい。
「そうだ、硬貨をもっと持っていた方がいいんじゃない?」
と言って、実音は用意しておいた数枚の五百円硬貨を倫也の手に渡した。
 注文したスイーツと飲み物が運ばれてきた。抹茶オレのグラスに、手にしたストローを差し込んだ時だった。
「あっ!」
という倫也の声。ハッとして実音が倫也の方をに振り向いたとき、そこに倫也の姿はなかった。

 いったいどれだけ待てばいいのだろう。跳んでしまうことを想定して硬貨を渡したことが、逆に跳んでいくことの引き金になってしまったのではないか、という思いに実音は苛まれた。接客係の女性はそばを通り過ぎる度に、好奇と怪訝が入り混じった視線を実音に向けていた。
 テーブルには、倫也の手が付けられていないグラスとカップが残されている。グラスの外側に付いた露はもう既に流れきって紙のコースターを濡らし、グラスの中には氷が溶けきったアイスティー、そして上に乗った抹茶ソフトが溶け切って表面を薄緑色で覆い尽くされた栗ぜんざい。それらが、倫也が跳んでいったあとの時間の長さを物語っていた。
 テーブルに肘をついた両手で顔を覆ったまま、実音は泣き出しそうになるのを堪えていた。その実音の耳に、呻き声が聞こえてきた。目を開けて振り向くと、倫也が元の椅子に座っていた。しかし、その左頬は膨れ上がり、唇の端からは血が滲み出している。着ていた水色のポロシャツ、グレーの綿パンは泥水を浴びせられたかのように汚れており、背中と襟の縫い目は綻びていて、大きく裂けていた。
「えっ、どうしたの?」
 実音はハンカチを取り出すと、倫也の顔の汚れ、滲み出る血を拭いた。
「大丈夫?」
 実音の目には昨日と同じように涙が滲む。
「殴られた……」
 温くなったアイスティーのグラスを傾けて勢いよく飲んだが「いてっ!」と言って、倫也は口からアイスティーを吹き出した。口の中が切れているらしい。
 少し落ち着いてから、倫也はトモナリの世界線での出来事を話し始めた。

(十二)

 トモナリの世界線に跳んでくる理由は、倫也にはよくわからない。しかし、トモナリの身に何かあったのではないかといつも心配が先に立つ。ただ今回は、せっかく実音と楽しい時を過ごしていたのに、と倫也はトモナリの世界線に跳んできたことをとても恨めしく思った。
 いつもの通り、病室で目を覚まさないままのトモナリを見舞い、トモナリの母ユキエに挨拶をし、「トモナリのお友達ですか?」という質問に「はい。」と答える。何回も繰り返している会話だ。何度顔を合わせても、ユキエの記憶には残らないようだ。どれだけの時間が与えられているのかわからないから、倫也はそこそこに病室を出た。
 病院の玄関を出ると、名古屋の空は飛高よりももっとどんよりと曇っていた。今にも雨が降り出しそうだ。一人の男が病院の玄関の外で佇んでいた。カッターシャツ姿の勤め人風の男が、携帯電話を掛けている。倫也は、歳の頃は四十歳前後と思しきその男の顔を見た覚えがあった。それもごく最近の記憶だ。だから百川で見かけたはずだ。しかし、百川のどこで見かけたのか、いつ会ったのか、誰であったかを倫也は思い出せなかった。しばらくすると男は電話を終え、地下鉄の駅に向かって歩き始めた。倫也はどうしても気になり、後を付いて行く。券売機で切符を買うと、男は改札の中へと入っていく。
 昨日のように硬貨が使えるのであれば、男について行くことができる。運を天に任せて、倫也は駅の券売機に五百円硬貨を入れる。ランプが点いた。硬貨なら使えることを倫也は改めて確信した。急いで男の後に付いていく。男は地下鉄を栄で下りると、あの日の事故現場のビルの隣のビルにあるカフェに入った。カウンターで飲み物を受け取り一人の若い男が座るテーブルまで行くと、その向かいの席に座った。壁に向かって座ったため、倫也は男の顔が見える席に座ることができなかった。仕方なく、倫也はそのすぐ後ろの席に座った。
「待たせたかな、ハタケガワくん。」
ハタケガワと呼ばれた若い男の顔はよく見えたが、倫也の知らない顔だった。金色に近い髪の色、派手ながらのアロハシャツを身にまとっている。到底堅気な人間とは見えない外見だった。
「命令通り、神輿は壊しましたよ。」
(あの神輿のことか。)
 倫也は録画したかったが、ハタケガワから丸見えの位置だ。音声だけでも記録しようとスマホで録音を開始した。
「これがその証拠でさぁ。」
 そう言って、ハタケガワは男にスマホの画面を向けた。
「たわけか。そんな写真は消しておけ。」
 倫也は男の声に覚えがなかった。
「まあ手始めとしては、一定の効果はあったかも知れない。」
「そうすか。じゃあ、次はどうすっすか?」
 男は少し考えてから、
「廃校をどうにかするのが効果的かも知れない。」
「じゃあ、廃校に火でも点けますか!?」
「それはまずい。放火はシャレにならん。我々の第一義は、百川の連中の意欲を削ぐことだ。」
(やはり、百川のことだ。)
 倫也は自撮りする振りをして、ハタケガワの顔を撮る。
「ダイチギ……っすか。」
「奴らがモチベーションを失う程度にしておこう。」
「モチベ……餅平?……わかったっす。で、いつやるっすか。」
 男はまたしばらく考える。
「あさってが祭りの本番だからな、明日の夜がいいだろう。忌々しいことに神輿無しでも祭りの準備を進めているらしい。まあ、祭りの準備でせわしないだろうし、警戒の目も行き渡らないはずだ。」
 あさってには、百川の祭りがある。それを妨害しようと企んでいるのだろうか。廃校を利用するという提案を百川の中之内家で話していた。その話を宗隆が百川の住民に説明したことも聞いている。その提案を妨害しようとしているのだろうか。
「礼は弾む。だが、決してバレないようにな。」
 しかし、何が目的だ。百川の住民に嫌がらせをして、何の得があるというのか。
 しばらくすると、男が席を立った。男の正体を探るために、倫也もさりげない風を装い、男に続いて店の外に出た。いつのまにか、雨が降り出していた。
 カフェを出て少し歩いた所で、倫也は後ろから肩を掴まれた。
「おい、てめえ、何もんだ?」
 ハタケガワだった。
(油断した!)
 大勢の人々の中にあっても、その中の一人が自分にカメラを向けていれば、目にとまる。疑惑を向けられて当然だ。昨日の天長に追いかけられたときに理解したはずなのに、倫也は学習できていない自分を情けなく感じた。
 倫也は咄嗟にハタケガワの手を振り払う。
「てめえ、俺の写真を撮ってんじゃねえぞ!」
「何のことですか。」
 ハタケガワは、今度は倫也のポロシャツの襟首を掴み、倫也を文字通り吊し上げようとする。倫也があの男の方を見ると、立ち止まってこちらの様子を見ているのが目に入った。そして、再び歩き出した。あの男の背中がドンドンと遠のいていく。
(あの男の正体を探らないと!)
 しかし角を曲がり、ついには倫也の視界からあの男がいなくなった。
「とぼけてんじゃねえよ。」
 倫也のポロシャツが綻びた。ポロシャツがどうなったとしても、スマホだけは盗られないようにしなくてはならない。
 いつもより人は少ないとは言え、日曜日の栄のど真ん中だ。歩道を行き交う人々は、遠巻きに好奇の目で二人を見ながらも、避けるようにして通り過ぎていく。ハタケガワは倫也を引きずり、ビルとビルの間の路地に連れ込んだ。倫也が反抗してもがくと、ハタケガワは倫也の顔面に拳を見舞った。倫也の口の中に激痛が走るとともに、錆びた鉄の味が広がった。さらに腹部に膝蹴りを決められる。倫也が苦しくなって膝をついたところに、腕の辺りに回し蹴りを食らった。それでも倫也はスマホを決して手離さない。倫也が地面に倒れたところに、ハタケガワは倫也の顔面目がけて足を踏み下ろし、まさに顔面に到達する瞬間だった。

 飛高から中之内家に戻った倫也の姿を見て、最も驚いたのは寿々子だった。
「百川に来て怪我したなんて、友紀枝さんに会わす顔がないじゃない。」
と言って、戸惑いと困惑とをない交ぜにした表情で倫也の傷の手当てをする。
「いったいどうしたのよ。飛高の街で何があったの!? 喧嘩でもしたの?」
「ちょっと、転んだだけ……。」
ダイニングテーブルの椅子に腰掛けて、一雄と勇雄が二人の様子を見ている。
「転んでこんな傷になるわけないでしょ!……まさか、トモくん、実音ちゃんにイヤらしいことしようとして殴られた?」
 寿々子は、真顔で倫也の顔を覗き込む。
「おばさん……」
 引きつった苦笑いを見せて倫也が返答に困っていると、寿々子は
「冗談よ、冗談! まあ、言いたくないなら聞かないけどもさあ、気をつけてくれなくちゃ、おばさんが悲しくなるのよ。ね!」
と言って、倫也の腕を叩いた。
「痛いって、おばさん。」
 寿々子は「ごめん、ごめん」と笑顔で言いながら、救急箱を片手に出ていった。
「で、気になる話って?」
 勇雄が倫也に話を促す。一雄も倫也の話に耳を傾けている。
「ネットでちらっと見た情報だから、あまり当てにならないんだけど……。」
 寿々子にはもちろん、勇雄や一雄にも正直な話をすることができない。
「明日の夜に、百川の廃校を破壊する、って書き込みが有ってさ。確か、ハタケガワって名前だった。」
 しかし、正直に話す方が返って信じてもらえない可能性が高い。
「なんだそりゃ。」
と勇雄が呆れた顔を見せる。
「もう、その書き込みは削除されてるんだけど。デマとか単なるおもしろ半分かもしんないけど、神輿のことがあったばっかりだから、心配でさ。」
「そうだな。」と一雄。
「友だちに頼んで、ハタケガワについて調べてもらったんだ。」
 スマホでハタケガワの写真を見せる。
「名古屋にいるらしいことがわかったんだ。で、ハタケガワが誰かとひそひそと話をしている動画も送ってくれた。」
 そう言って、倫也は自分が撮影した動画を見せる。
「随分と探偵みたいな友だちだな。」
と勇雄が呆れたような表情を見せる。
「そんなことはどうでもよくて……、四十前後だと思うんだけど、この男、知らない?」
「顔が映ってないじゃん。」
「僕、百川で見た覚えが有るんだけど、いつどこで見たかをまるで覚えてないんだ。声はどう?」
 しばらく動画の二人の話を聞いていた一雄が
「聞いたことがあるような、ないような……。」
と曖昧な返答をした。
「実際、神輿は壊されているし、だから、ハタケガワはもう一度百川まで来て、絶対廃校を壊しに来ると思うんだよ。」
「確かにトモくんの言うように、用心に越したことはないな。それに最近、廃校に入っていたずらする奴も多いらしい。」
 百川だけでなく、廃墟となった建物に侵入していたずらや破壊行為をする例が、全国に多数あることがテレビでも報じられている。
「何とか警察に頼み込んで、明日の晩だけでも警戒してもらおう。」
と一雄が倫也に賛同した。
 廃校が壊されないことも重要だが、ハタケガワやあの男が何のために神輿や廃校を壊すのか、倫也はその理由をはっきりさせたかった。あの男は『百川の住民の意欲を下げるだけでいい』と言っていた。何の意欲なのだろうか。
 夕食後、実音から電話があった。
「トモくん、ネットニュース見た?」
 ネットニュースのURLが実音から送られてきて、クリックすると、『男が知人女性への傷害容疑で逮捕。』というヘッドラインが表示された。男の名前は天長康和で、その知人女性が暴行を受け、訴え出たことにより逮捕されたというニュースだった。男の写真が載っていて、確かに倫也がトモナリの世界線で出会ったヤスカズだった。
「朱莉さん、揉め事に巻き込まれないで良かったって言ってる。」
 電話の向こうの実音の声は、何だかとても嬉しそうだった。

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鳴島立雄
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