「食物繊維の主な働きとその効果とは?」サイキンソー管理栄養士 | 志田結インタビュー(vol.2)
前回に引き続き、株式会社サイキンソーの管理栄養士、志田結さんにインタビューを行いました。今回は、特に食物繊維について、その重要性から意外な効果まで詳しく伺いました!
今日から実践できる内容もあるので、ぜひ試してみてくださいね!
そもそも食物繊維はなぜ重要なのでしょうか?
「そもそも食物繊維とは、炭水化物の一種で、私達人間が消化・吸収することのできない成分で、かつてはただの”食べかす”と捉えられてる時代もありました。
しかし、ここ最近では、この食物繊維が便の構成材料になったり、腸粘膜を刺激したりすることで、規則的な排便リズムにつながること、また一部の腸内細菌が腸に届いた食物繊維をエサにして、私達の心と体の健康につながる有用な物質を作り出していることなどが分かってきました。
そのため、昔と比べて、今では重要な栄養素の一つとして考えられています。」
食物繊維が不足すると・・・?
「食物繊維が不足すると、腸内細菌の中でも特にビフィズス菌のような有用菌のエサが足りなくなるため、そのような菌が減ってしまい、腸内環境の悪化から体の不調に繋がりやすくなったり、便の構成材料が不足することで便秘などに繋がってしまうリスクがあります。
また、食物繊維には急激な血糖値の上昇を抑える働きもあるため、不足すると血糖値が上がりやすく糖尿病などのリスクも高くなってしまいます。」
食物繊維の主な働きと効果は?
「食物繊維は、大きく”不溶性食物繊維”と”水溶性食物繊維”に分けられます。
不溶性食物繊維は、主に便の構成材料になったり、腸の粘膜を物理的に刺激することで、排便を促す作用があります。
一方、水溶性食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、有用菌を増やしたり、菌が食物繊維を食べる代わりに、私達の心と体の健康につながる物質などを作りだすことに繋がります。
一般的に食物繊維が多く含まれる食材、というと、キャベツやレタスのような葉野菜をイメージされることが多いですが、実はこれらに含まれる食物繊維の大半は不溶性で、これらの野菜だけで十分な食物繊維を確保しようとすると、相当な量を食べなければいけません。
一方、菌のエサにつながる水溶性食物繊維は、大麦(押し麦、もち麦)や海藻類(わかめ、昆布、めかぶ、もずく等)、きのこ(しめじ、しいたけ、なめこ、等)、ネバネバ系食材(長芋、オクラ、モロヘイヤ等)によく含まれています。
これらの食材は、意識しないと不足しがちな食材でもあるので、ぜひ積極的に取り入れたいものです。
また、最近では、特に腸内細菌のエサに繋がりやすい食物繊維を”発酵性食物繊維”と呼ぶ新しい考え方も出てきています。これは、今までで言う水溶性食物繊維の大部分と、一部の不溶性食物繊維が含まれます。
”ベジファースト”と言ったりもしますが、特に食物繊維は食前に摂ると血糖値の急激な上昇も抑えられ、効果的です!また、毎食バランスよく摂るのが理想的ですね。」
食物繊維は運動習慣とも関わりがあるのでしょうか?
「飲酒、たばこ、睡眠、運動などの生活習慣全般は、腸内環境と深いつながりがあります。激しい運動は必要ないですが、毎日8,000歩以上歩くことを目指すといいでしょう。
腸内環境は自律神経とも関わるので、運動して自律神経を整えることも大切です。運動習慣がある方に多い菌もあるんですよ。」
時間のない方でも簡単に食物繊維を摂り入れる方法はありますか?
「自宅で食事を摂ることが多い方は、めかぶやもずくなどを買い置きしておいたり、きのこ類をまとめ買いして、MIXきのことして冷凍しておき、料理をした際にちょい足しするのが手軽でおすすめです。
コンビニでお弁当を買ったり、外食が多い方は、なるべく海藻類が入ったサラダや、ネバネバ和えのような副菜を追加すると良いですね。
コンビニで売っているおにぎりも、最近は大麦入りのものなどもあるので、ぜひ選んでみてください!」
食物繊維は美容にも効果がありますか?
「食物繊維をエサにした一部の腸内細菌は、肌のターンオーバーに欠かせないビタミンB群を作り出すことも分かっているので、お肌の状態や美容面においても関係性があります。
また”エクオール産生菌”という菌が、美容と関連の深い菌で、この菌をもっている場合は、日頃から大豆製品(大豆イソフラボン)を積極的に摂ることで菌が活性化して、エクオールという女性ホルモン疑似作用のある物質が産生されるため、肌のしわの予防・改善や更年期の予防・改善にもつながると言われています。
しかし、実はこのエクオール産生菌をもってない方もいらっしゃいます。菌の有無は、腸内フローラ検査でわかるので、気になる方は、一度検査をされるのがおすすめです。」
もっと詳しく自分の腸内フローラを知る方法は?
「実際に自分の便の中に含まれる腸内細菌を調べることのできる、”マイキンソー(Mykinso)”の腸内フローラ検査がおすすめです。
腸内細菌のバランスを総合的に5段階で評価した”腸内フローラ判定”をはじめ、免疫や美容、ダイエットなど、健康項目ごとに関連する菌の結果を確認することもできます。
検査をする一番のメリットは、今の自分自身の腸内環境に合わせて、より効率の良い腸活のポイント(特に食材など)がわかることです。やみくもに腸活をするよりもその効果を実感しやすくなると思います。
自宅で便を採取していただき、ポストに投函するだけで完了します。結果はWEBでわかるので、時間がない方でも気軽に実施いただけます!」
最後に、ここまで読んでくださった方へメッセージをお願いします!
「最近は、健康への意識が高い方が増えてきていると実感する一方で、食事や生活習慣を意識しているのになかなか効果が表れないという方もいらっしゃると思います。
やみくもに腸活をするのではなく、自分に合った腸活をしていただけると、より効率的かなと思います!
自分に合った腸活を通じて、今よりも生き生きした自分を目指していってほしいと思っています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!」