見出し画像

制作事例 - トーチリレー様 サイトリニューアル

こんにちは。
デザイン事務所 CYCLE のアートディレクター/グラフィックデザイナーのイワクラです。

今回は、株式会社トーチリレー様のWebサイトリニューアルの制作過程について、ほんの一部ですがご紹介させていただきます。



はじめに


トーチリレー様が事業を始められて1年が経過した頃、今後の事業拡大を見据えた上での拡張性を考慮し、もっとトーチリレーらしさのあるサイトを作りたい、とご相談をいただきました。

ご要望としては

● 事業全体を俯瞰したような世界観を作りたい
● ユニークなサービスのため、その概要を紙芝居のように読みやすくしたい

ということで、このどちらも直感的な分かりやすさを意図されていました。



解像度を揃えるための対話


トーチリレー様はサービスの中で、「山」を比喩として使われる機会が多くあるので、世界観はやはり「山」をモチーフにするのがいいんじゃないかと、当初は先方も私も考えていました。

全体と細部で世界観をどう統一していくかのバランスだったり、創業時からam.さんが描いてくださっているイラストとの相性、今後拡張していく事業をどう取り込んでいくかなど検討しつつ、ラフを作り意見交換をしましたが、「山」モチーフでは今ひとつ納得感が薄く、別の世界観の模索が始まります。

お互いの頭の中にある、まだぼんやりとしたゴール像を、コミュニケーションによって深掘りし解像度を上げていく必要があるので、サンプルを探したり、言語化したり、ラフを作ったりしながら、意見をぶつけて説得していくのではなく、お互いの理解を深め足並みを揃えていく対話を心がけ、やること・やらないことをひとつひとつ紐解いていく作業を進めました。

そんなミーティングの中で、「トーチング日記」というメインサービスから「手帳」というキーワードに辿り着きました。手帳には「日々の行動の積み重ね」や「思考の断片」のようなイメージがあり、世の中のお悩みと向き合うサービスであるトーチングともリンクする印象を感じ、先方も私も世界観の解像度が一気に揃うような瞬間が訪れました。



デザイン設計


世界観のコンセプトは手帳と決まり、「紙芝居のように」というご要望もあったことから、本物の手帳のようにページがめくれる仕様というのは決まったのですが、それを踏まえて、一般的なサイトのように縦スクロールや横スクロールをどう取り入れていくか、レイアウトパターンをいくつか検証していき、最終的にベースとなるページは縦も横もスクロールしない、というシンプルな設計に至りました。

また、サイトのターゲットユーザーを、SNSや口コミでトーチリレーが何を提供している会社なのか、少しでも認識している「顕在層」と設定しました。そしてファーストページは、「会社や事業について知ってもらう場所」ではなく、ユーザーニーズにダイレクトに応えられるようナビゲーションとして機能させる構成としました。

こうして手帳としてのフレームを設けた上で、デバイスが変わっても成立するレイアウトの検証を重ね、トーチリレー様らしいサイトが出来上がっていきました。

リニューアルしたサイトはこちらから



トーチリレー様からのコメント


あたたかいお言葉を頂戴しましたのでご紹介させていただきます。

イワクラさんは、一言で言えば「“こんな感じのWebサイトを作りたい”という、まだおぼろげでしかない想いを、現実のものにするまで、徹底的に伴走してくださる方」です。

このように一言でまとめてしまうと、その素晴らしさをうまく表現できず、大変惜しいのですが…「想いを現実にする」というのは、かっこよくスマートな言葉に見えて、その実は、数々の大変泥臭い仕事に支えられています。

● 膨大なリサーチを行い、「イメージなさっているのは、こういったものが近しいんじゃないでしょうか」と提案したり

● クライアントに「ごめんなさい、実際に拝見して分かったのですが、イメージしていたものとはここがちょっと違うんです…」と言われることを分かった上で、たたき台を出すとか

● クライアントに対して「イメージなさっているものは分かってきましたが、現実的には、今回のご依頼内容だと、こういった制約の中で考える必要がありますね」などと、少し嫌がられるかもしれないけれど、「想いを想いで終わらせない」ためには必要なことをしっかりと伝えたり

● クライアントが「だとしたら、考えていたものは実現できそうにないですね…」と諦めそうになっても、「この条件下で、何か他に方法がないか考えてみます。少し時間をください」と、誰よりも諦めずに考えるなど

このような姿勢・発言・行動・アウトプットを示し、リードしてくれる方がいるからこそ、「想いを現実にする」ことは達成されるものです。

イワクラさんは、素晴らしいデザイナーであると同時に、そのようなリーダーシップを発揮してくださる稀有な方であり、最高の伴走者です。

この度は、本当に素敵なホームページを制作いただき、ありがとうございました!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?