チームビルディング合宿/サイボウズWebチーム@小田原2Days
もっといいチームになるために、1泊2日の合宿を小田原のリノベ古民家でやってきました。チームメンバーの相互理解を深め、共通の「理想」(チームの理念のこと)を見出すのがゴール。事前に1カ月ほどオンラインでディスカッションして形にした理想を、合宿のワークショップでアップグレードしていきます。
サイボウズはチームワークを重視する会社なので、チームビルディングのイベントを促進する支援制度や支援チームがあり、その支援をフル活用した合宿になりました。
きっかけ
メンバーの「チームとしての理想の話はやっぱり一回やりたいなー」のひとことをきっかけにチーム合宿企画が動き出しました。
考えてみれば、Webチームメンバーの半数は入社2年以下。当時のWebチームの理想はその前に入社したメンバーが考えたもので、メンバー全員が自分事できているものではありませんでした。
しかし、チームワークを発揮するにはメンバー全員が目指したい共通の理想が必要です。
また、メンバーの勤務地が大阪、山梨、神奈川、東京、千葉と異なるため、普段は全員基本リモートワークで、会議も常にオンライン。働きやすいのですが、リアルで会ってお互いのことを理解する機会がほしいという意見もありました。
そこで、チームメンバーの相互理解を深めることと、共通の理想(チームの理念)を見出すために合宿を行うことにしました。
チームビルディングのイベント支援制度と、ワークショップ支援チーム
チームビルディングするにあたって、サイボウズにある2つの支援制度を利用しました。
1.サイボウズ「チムビル(対面型チームビルディング支援制度)」制度
チームメンバー間の相互理解やコミュニケーションを促進し、リモートワークが主体となった環境下でのチームワークを向上させることを目的とした制度。対面の場でチームビルディングする活動について、交通費、会議室費、飲食費、宿泊費などを支援してくれます。
2. 「チーム運営支援チーム」メンバーによる支援
「チムビル」のやり方がわからない際にワークショップの設計、運営をしてくれたり、合宿計画の相談にのってくれるチームがいます。ワークショップのファシリテーターは中立の立場がよく、意見を言うよりも傾聴や話を引き出すことが大事なため自チームのメンバーの誰かがするのは難しいことがあります。そこを第三者的な立場で関わってくれるのもメリットです。
実際に相談してみると経験豊富な専門家としてプロジェクトを支援してくれたり、ファシリテーターとして議論の質を高めてくれました。
事前のオンラインでの検討
オンラインでMiroを使ったチーム運営支援チームのファシリテーションによるワークショップと、チーム内ディスカッションを繰り返しました。
小田原のリアル合宿の場で議論すればいいという考えもあったものの、決まるまで時間がかかりそうな印象でした。そこで、理想についてはオンラインで考えて、合宿ではスケジュールを予測しやすい相互理解に注力する方針で進めました。
ワークショップ2回+ディスカッション5回。1か月以上も議論をかさね、小田原リアル合宿の前日になんとか理想が形になりました!いやー、間に合った。
共通の理想は、2つのテーマにわけて考えました。
「私たちの提供価値」と「私たちの状態」。「私たちの提供価値」をサステナブルなものにするには「私たちの状態」も大事だと考えたからです。
1日目:やっと議論して形になった、理想「私たちの提供価値」を見直す!?
やっとこさ形になったのですが、小田原ではチーム運営チームから推奨された「見直し」ワークをやることに。当日の朝、kintoneアプリにメンバーからの見直す気満々のコメント通知が続々^^;
合宿担当の私としては、さらに探求するのはいいけど短期でまとまるのかなぁ?!と心配になりました。議論の大事さと、いつまでも固まらない焦りの板挟み。小田原のベンチで悩んでいたら、メンバーが到着。
いざ、開催地の小田原サマサマステイに。いい雰囲気!楽しもう。
理想「私たちの提供価値」についての議論開始
ファシリテーター綱嶋さんによるアイスブレイクから楽しくスタート。
理想がなかなか固まらないと焦っていたものの、ええい、もうどうせ見直すなら!と「ここまでの理想だと現状でもOKと解釈できる。もっと、もーっと高い理想にしたい」とつい自爆に持ち込む。
サイボウズのサイトだけでなく、エコシステム全体に貢献したい、と。一応「それは半年後くらいに再議論」って付け加えたけど、その場で議論が始まってしまう。(やってしまった^^;)
4時間ほど集中して議論を重ねていきます。
テーマはオンラインで検討してきた理想のブラッシュアップ
一旦形になっていたものの、何となくしっくりこないメンバーがもやもやしている箇所(複数)を洗い出し、議論
ファシリテーターが深める議論になる発言をホワイトボードに可視化して、議論のポイントを際立たせる
体調不良のなか来てくださってたメンバーがワークの途中でお帰りになることに。とても残念ですが、こういうこともありますね…
そして時折斜めに向かう我々の議論をファシリテーターが軌道修正。素晴らしい
みんなの文言の違和感も詰めて、そして3時間後には何とか形に!・・・まさかまとまるとは。達成感!!
▼理想:私たちの提供価値(2023.3.27時点)
補足
理想に対してどんなスタンスで関わるかはメンバーによって異なるし、むしろ特徴の違いを活かして理想に向かおう!ということで、個々人が決める『Webの「〇〇〇〇〇」として』をつけました。例えば「Webのコンサルタントとして」みたいに。
昨年までの理想は「Webサイト」という成果物について設定していましたが今回はWebチームならではの価値をより追求したものになったのでは。
1日目終了!ということで、地元の小さな銭湯、そして居酒屋で乾杯へ。2次会は買い物して宿にて。
2日目:理想の議論「私たちの状態」
翌朝。
各自スーパー銭湯にいったり、のんびりしたりして9時から開始。レイトチェックアウトにさせてもらって12時までのワーク。
眠そうだったり、お疲れ気味の方が多いメンバーたち。理想の検討以外の楽そうなテーマも用意してもらっていたけど、みなさん2つ目の理想のテーマ「私たちの状態」の詳細を詰めてみたいと。ほんと理想の探求へのモチベーションが高いんですよね。妥協しない。
今日も楽しいアイスブレイクからスタート。元気になったところで理想の議論開始。
真ん中にオンラインで決めた「私たちの状態」の案を書いた紙を配置し、各自の納得感を立ち位置と姿勢に表して意見を出し合いました。改めて過去の各自の案を見て、重要なキーワードや切り口を振り返りました。
欠席のメンバーもいるということで「私たちの状態」については完成させず出席したメンバーの大事なポイントを共有したところで終了。でも、いい議論ができましたよ。
▼理想:私たちの状態(2023.3.27時点)
成功循環モデルを意識して関係づくりを土台にしたものになりました。このモデルには異論があったものの(関係をよくすることが目的になると率直な意見を言えなくなってしまう説)、あくまで成果につなげることを目的にすれば問題ないとのチーム内での結論。
シンプルな一言にまとめられませんでしたが、そこにこだわらなくてもよいのかもしれません。運用しながら変わる状況や課題にあわせてアップデートしていきます。
理想の管理
一旦、理想は形になったものの、社会や会社の変化に応じて理想は変わり続けるため、アップデートし続ける前提で管理方法を考えてみました。サイボウズの理念だって何度もアップデートされているんですよね。
ルール
1)いつ時点の理想なのか日付を入れる
2)アップデートの議論をして結論がでなければ、原則、旧バージョンを利用する(何世代前のでもOK)
3)バージョンの数字は付けない(これはバージョン1だ、2だみたいな議論は避けたい)
忘れずツールとして利用できるように、わかりやすいところに置いておくのも大事。合宿後、その方法も議論してオンライン上のよく目に付くところに理想を画像化したものを貼って置きました。3か月後、今回の理想について振り返る会のスケジュールも登録しました。
参加者によるふりかえり
・Aminax
「あぁ、チームになったんだ」。それぞれの能力や個性の良さがでてきて、チームになったんだなって。チームの理想を策定する中で、皆様の人となりの理解が深まった。みんなやさしいなって思った。ふところが深い。よかった(笑)。
・あっきー
議論した中で自分の想いや考えを話せたし、皆さんの「個性」や「考え方」などにもかなり触れられ、チームの相互理解にとても役立つと感じる場面が多かった。
・Kokonut
「個人のこともチームの理想も両方考えたいが時間が足りないだろうと思っていたが、想像以上に両方考えられた。オンラインと比較してリアルでは、自分の発言を周囲が黙って聞いていたとしても、反応が分かりやすかったり場の雰囲気がつかみやすいことを改めて実感
・鈴木
よかった(笑)。Zoomでやってここまでできたかな。チームの理想、元々のから形が変わった。オンラインでも議論自体はできそうではあるのですが、「できる」にもグラデーションがありそうで、リアルでやることの重要性も再認識できました。また個人間の理解が深まったのもよかったです。
・こくぼ
途中帰宅にはなりましたが、合宿で何が起こったのか、どんな話し合いが行われたのかをチームメンバーがkintone上に残してくれたので、改めてこのチームでよかったなと思っております。ファシリテーションでチームだけではたどり着けない思考の深い場所に連れて行っていただけた。
・チーバ
普段のWebチームの意思決定は「担当者(決定者)+助言者」でやってますがこの理想については明確な決定者を置かずに進行します。その結果、決まりにくく時間がかかったものの、全員の当事者意識が高まる効果があり、目的を想定以上のレベルで達成できました。
・綱嶋さん(ファシリテーター)
いいチームですね(笑)。みなさんの中にあるWebチームというものが望んでいる大事なことに、みなさんが気づいて、見つけて、選び取って形にしていった2日間。ぜひこれから活かしていってほしい。
最後に合宿担当から
私にとっては、6年前からWebチームにジョインされているaminaxさんの「あぁ、チームになったんだ」っていう言葉が、ほんとに合宿をやってよかったなと実感した瞬間でした。後から、あれ??ちょっと・・・これまではどうだったの!?って思いましたが^^;
合宿で悩んだ点をあげるなら、事前のオンラインでの議論に一か月以上時間がかかり、なかなか理想の案が固まらなかったことです。時間がかかった理由は、チーム運営支援チームによるワークショップでこれまでの理想を一旦壊して、新たに考え直す誘導をしてくれて、メンバーに火が付き、これまでにない深く、活発な議論になり、それが長く続き、その結果、お互いの理解もふかまり、より高い理想に到達できた・・・つまり工数をかけてやったことはチームビルディングに必要なプロセスで、よかったんでしょうね!
大変でしたけどw
合宿は終わったものの、よりよいチームへの正解のない楽しく苦難の旅がここから本格的に始まったのではないかと、書きながら思っています。
(チーバ)
参加者:Webチームメンバーの鈴木、こくぼ、Kokonut、amimax、あっきー、チーバ。留守番:別府
ファシリテーター:チーム運営支援チームの綱嶋 航平 さん(小田原)、近長 由紀子 さん(オンライン)
日程 :①オンライン開催 2月20日~3月24日
②小田原リアル開催 3月27日・28日
開催場所:サマサマステイ
チムビル制度と、チーム運営支援チームに感謝です。ありがとうございました。