地球を一周し、内藤時浩氏に団扇で扇がれた試作MSX2
プロトタイプMSX特集第3弾。今回は最初期の試作MSX2を紹介します。MSXのLSIの開発メーカーであるヤマハのMSX2が原型のようですね。
この機体、実はカリフォルニアの山奥にあるコンピュータ博物館にあるそうなんです。今日はこの機体の辿った数奇な運命についてです。
この試作MSX2の元々の持ち主はオランダのMSX雑誌の発行者でした。彼は東京訪問時に西和彦先生本人から直々に受け取ったと言うことです。それを米国北カリフォルニアの農場跡地にあるDigiBarn Computer Museumが受け継いだとあります。つまり地球をぐるっと一周したわけですよね。何と言うロマンに満ち溢れた話でしょうか!
このお話は世界中のMSXの同士が集うMSX Resource Centerで語られていました。
実はTwitterでハイドライドの作者である内藤時浩先生からコメントを頂いたんです。この試作機でMSX2のローンチタイトルであるレイドックの開発をT&E社で行っていた時のことです。
MSXの心臓部である「BIOS ROM」が毎日のように封書で送られてきて、入れ替えると今まで開発したゲームが動かなくなったとか🤣
当時の開発環境だと毎回EPROM焼いて、さらに動作状況を「見て」判断する動作確認をするしかありませんでした。
この「日刊BIOS-ROM事件」はMSX・FAN最終号の記事にもあります。すぐ熱暴走してしまうプロトタイプMSX2を団扇でおあいで冷却したりと面白話を語って頂いています🤣
僕達が知らなかったMSX開発の現場ではそうしたご苦労が絶えなかったのだと改めて感じました。