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ロシア・東欧的な本

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私の主観なのですが、ロシア・東欧的な本を集めました。
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#読書感想文

大切な「家族」を考える「ポトゥダニ川」

<文学(19歩目)> アンドレイ・プラトーノフさんの短篇から、「家族」を考える。 ポトゥ…

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極めて良質な現代ロシアの短篇集「はじめに財布が消えた」

<文学(193歩目)> 「ロシア文学翻訳グループ クーチカ」による現代ロシア文学の短篇集…

読書ノーツ
2か月前
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読めてよかった「文化の脱走兵」、「理不尽ゲーム」「赤い十字」「手紙」の背景を知る…

<文学(185歩目)> 「理不尽ゲーム」「赤い十字」「手紙」を読んだ時から、翻訳者の奈倉…

読書ノーツ
3か月前
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独裁者が認知症を患ったら?「ウラジーミルPの老年時代」

<文学(175歩目)> とても笑える。そしてとても興味深い。でも、想像を広げていくともの…

読書ノーツ
4か月前
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川釣りですが、ちょっと日本の川釣りとスケールが違う「ボヘミアの森と川 そして魚た…

<文学(167歩目)> 釣りが好きな方なら絶対にわかる、自然の中で釣りをする素晴らしさ。 …

読書ノーツ
4か月前
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行きつくとこまでいくと不条理は笑いで表現するしかなくなる「ハルムスの世界」

<文学(160歩目)> ソ連のスターリン時代の不条理を、乾いた笑いで突く作品集です。 ハ…

読書ノーツ
5か月前
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ヤヌシュ・コルチャクさんが最後に伝えたかったこと「コルチャク ゲットー日記」

<文学(158歩目)> 「コルチャック先生 岩波ジュニア新書」で出会ったヤヌシュ・コルチャク先生が最後に私たちに伝えたかったことを80年を経て学ぶ。 コルチャク ゲットー日記 ヤヌシュ・コルチャク (原著), 田中壮泰 (翻訳), 菅原祥 (翻訳), 佐々木ボグナ (翻訳) みすず書房 「158歩目」は、ヤヌシュ・コルチャクさんは「コルチャック先生 岩波ジュニア新書」で読まれた方も多いと思います。 ワルシャワのゲットーでの最後の日々、トレブリンカ絶滅収容所に移送されるま

この作品は長く読み継がれると思います「チェヴェングール」

<文学(150歩目)> 素晴らしい自然、素朴な人々。とてもいい作品です。 チェヴェングー…

読書ノーツ
5か月前
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タイトルは長いが、章立ては素晴らしくとても良い作品「私はアウシュヴィッツと5つの…

<文学(139歩目)> タイトルそのままの内容ですが、「私はやつらのような動物になっては…

読書ノーツ
6か月前
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シブヤに憑依するチェコ人「シブヤで目覚めて」

<文学(128歩目)> チェコ人、日本文学研究者からの日本に対しての視点を学ぶ。 シブヤ…

読書ノーツ
7か月前
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しびれる怖さ「むずかしい年ごろ」

<文学(121歩目)> 「ロシアのホラーの女王」との異名はホンモノでした。後を引く「怖さ…

読書ノーツ
7か月前
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ちょっとない本「失われたいくつかの物の目録」

<文学(119歩目)> 「キリンの首 河出書房新社」よりも美しい、ちょっとない本。 失わ…

読書ノーツ
7か月前
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すごい体制批判の方法「犬の心 怪奇な物語」

<文学(118歩目)> 洗練された体制批判の手本のような作品、ブルガーコフさん「いいね!…

読書ノーツ
7か月前
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すごい才能で民族問題を考えさせられる短篇集「騎兵隊」

<文学(117歩目)> 一つの地域に複数の民族が重層的に暮らすありさまから、現代につながる色々な諸問題を考える作品。 騎兵隊 イサーク・バーベリ (著), 中村 唯史 (翻訳) 松籟社 「117歩目」は、イサーク・バーベリさんの短篇集。 この作品は、若きイサーク・バーベリさんが文学の題材を見出すためにソヴィエト・ポーランド戦争に従軍して生まれた。 もちろん、バーベリさんが考えるようではなく、現実は非常に厳しく凄惨な現実を否応なしに体験する。 その中で、戦争の現実を描