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アニメ×難民支援「Humanitarian Anime事業」とは?

こんにちは!事務局長の小美野です。

CWS Japanでは2023年末からアニメと難民支援を掛け合わせたHumanitarian Anime事業のパイロットを開始しました。今回はその取り組みについてご紹介します。


現地で本取り組み紹介文にも載せているイラストです

難民支援×アニメ?世界的に議論されているさまざまな支援方法の新たな手段のひとつとして

世界では、食料不安の深刻化、気候危機、世界各地での戦争や紛争などにより、1億人以上の人々が家を追われ、避難を余儀なくされています。これらの人々に対する人道支援、人的ビザや入国プログラム、コミュニティ・スポンサーシップ、家族再統合、労働移動、第三国での教育機会など、代替/補完的な支援方法について世界的な議論が行われています。
 
CWSは1946年の発足当初から家を追われた人々への人道支援を継続しています。日本のクールジャパン産業としても注目されるアニメ業界に、難民・避難民の方々が関わっていけるよう、この度、日本のアニメ業界の皆さまと協働し、「アニメと人道支援(Humanitarian Anime)」事業を始動しました。

トレーニングを通じてスキルを習得し、成長するアニメーション分野で未来を築く

骨子としては
■アニメ制作に必要な主要スキルを(アニメに関心がある)若い難民・避難民にトレーニングする
■十分なスキルを身につけた難民は、居住地に関係なくアニメ制作に関わっていける道筋をつくる
というものです。

当事業を通じて習得したスキルや関係性は、難民・避難民の方が第三国定住などどこに行っても、成長するアニメーション分野で収入を得るために活用できます。

日本のアニメ産業の市場規模は約3兆円と言われており、さらに伸び続けています。その半分以上が海外市場であり、海外にも多くのファンを持つグローバル産業となっている今、制作に携わる関係者もさらなるグローバル化が進むことが想定されます。

作品づくりを通し、難民・避難民の方に技術指導・雇用の創出・自立支援を行うと同時に、日本のアニメ制作現場の慢性的な人手不足解消へ寄与できればと考えています。

アニメーション制作の流れとトレーニング

アニメーション制作は以下のようなプロセスで行われ、一定の基本的なスキルやトレーニングがあれば収入を得ることができる作業もあります。本事業ではここからトレーニングしています。

アニメ制作の流れ。多くの人がこのプロセスに関わっています。

当事業でまずトレーニングしていく「クリンナップ」とは、原画をトレースして仕上げる作業で、対面研修やオンラインフォローアップを通じて技術を習得していきます。

また、タイムシート(原画や動画、カメラワークなど、アニメ制作の工程で重要な情報を、伝えていくために使われる表)の読み方も学び、図面や動きの順序を把握できるようになることも重要です。

アニメと人道支援(Humanitarian Anime)事業から想定されるインパクト

想定されるインパクトとしては、日本のアニメスタジオによる遠隔請負を通じて、難民・避難民が生計を立てるためのスキルを身につけることで、さまざまな場所で就労の問題に直面している難民・避難民にとって、未来を築く突破口となる可能性があると考えています。そして、日本のアニメ制作に携わる人も増加することで、アニメ産業の労働者不足の解消にも貢献できればと考えています。

実際に今放映されているアニメ作品にも少しずつ貢献しています。詳細は引き続きnoteやウェブサイトなどでお伝えしていきます。

(文:事務局長 小美野剛)

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