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アフガニスタンの度重なる地震の中で命と生活を守る

こんにちは🌞ニシザワです👩
10月16日に、フジテレビのニュース番組「ライブニュースイット!」(放送:月曜〜金曜午後 3:45〜7:00)よりCWS Japan職員がアフガニスタン西部地震に関して取材をうけました。

そこで放送された最後のメッセージは「忘れないで」。
今では、日本国内のメディアでは、まったくと言っていいほど、10月7日に発生したアフガニスタン西部地震は報道されなくなってしまいました。報道されなくなったのは、被災地の状況が改善されたからではありません。被災者の状況はいまだ厳しいままです。



アフガニスタンの西部ヘラート県では、2023年10月7日以降、マグニチュード6.0を超える浅く強い地震が相次ぎ、余震も発生しています。

UNOCHA, Herat Earthquakes: Flash Update #7,Earthquakes in Herat Province, Western Region, Afghanistan, 20 October 2023.より抜粋

10月20日時点で、現在までに完了した調査によると、21,500棟以上の家屋が全壊(8,429棟)し、甚大な被害(17,088棟)を受け、約154,000人が影響を受けたことがわかっています[1]。家屋への被害は甚大だった背景には、被災した家屋の大半が、地震に非常に弱い泥でつくられたものであることが要因として挙げられます。現在、多くの家族が非常に簡素な避難所や路上で生活しており、風雨にさらされるなどの物理的リスクだけでなく、プライバシー面での心理的不安なども抱えたままの環境で暮らしています。

被災地域の家屋が崩壊している状況©CWSA

国際移住機関(IOM)、国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連児童基金(UNICEF)などの人道支援のパートナーは、被災地域の46の村にまたがる4,235世帯に緊急支援を行いましたが[2]、現在も少なくとも56,000人が、冬が始まる前に安心して住める場所と生活必需品を必要としています[1]。

被災した地域では、非常に多くの家屋が倒壊した一方で、12月以降は本格的な冬が到来し、最低気温は氷点下になる地域です。来る冬を越すための緊急用テントや、日用品、毛布、衣類、暖房器具などの物資が喫緊の課題となっています。

事業概要

CWS Japanは発災直後から現地パートナーと連携して、家をなくした被災者が気候の影響から身を守れるよう、今後来る冬にも対応できるテントを配布しています。

冬の寒さもしのげるシェルターを配布している現地の様子1 ©CWSA
冬の寒さもしのげるシェルターを配布している現地の様子2 ©CWSA

その活動のほかに、以下の活動も実施すべく準備しています。

  1. 越冬用テントの配布
    被災した脆弱性の高い住民に対して、冬を越すために十分な質のテントの配布を計画しています。被災した地域では、十分な質のテントが困難なため、別の地域で購入し被災地に届けます。

  2. 生活必需品等購入のための現金給付
    被災した脆弱性の高い住民に対し、当座の食料や必需品などを購入、医療費などに充当するための現金給付を計画しています。世帯によって必要となる生活必需品の優先度が異なります。このように多様なニーズに対応するため現金で給付します。

脆弱性の高い住民とは、具体的には、女性が世帯主となっている世帯や、未成年者のみの世帯、障がい者や慢性疾患者、高齢者、妊婦や産後間もない女性のいる世帯、地震によって生計手段を失うなど貧困状態に直面している世帯を指しています。

すでに開始している活動を通して、被災した現地の人々の現状を紹介します。

Rehmanさん

被災者のRehmanさん ©CWSA

Rehmanさんとその家族は地震の被害が最も甚大だった地域の一つであるZindajan地区に住んでいます。幸いなことに、家族は無事でしたが、地震が発生した日に家が全壊し、住む場所をなくしました。現在は簡易的なテントでしのいでいます。

NoorさんとMariaさん

被災者のNoorさんとMariaさん ©CWSA

地震によって、NoorさんとMariaさんは、12人の家族を亡くしました。生き残った家族のなかには深刻な怪我を負っている人もいます。
2人が住む村では、すべての家屋が全壊または半壊の被害を受けており、この村にとって重要な収入源および食料でもあった家畜も失いました。これらの現状を前にして、2人は甚大なストレスを抱え、精神的に苦しんでいます。冬を越すための支援や医療支援が必要です。


このように、度重なる地震の発生と余震によって、犠牲者は増加し、生き残った人々の命をつなぐ支援のニーズが高まっています。

目指す成果

わたしたちは、支援活動を通して、最終的に地震の被害にあった脆弱性の高い人々が安全で尊厳のある生活を再建することを目指しています。

さいごに

被災地に厳しい冬の到来が迫っているため、1日でも早く支援を届けることが大切です。一人でも多くの人々の安心した生活が取り戻せるように、いち早く被災地に入った現地のパートナー団体を通じて、わたしたちも迅速に支援ができるように努めてまいります。

どうぞ、引き続き、皆さまからの温かいご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

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(文:プログラム・マネージャー/広報 西澤紫乃)

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<参考文献>
[1] UNOCHA, Herat Earthquakes: Flash Update #7,Earthquakes in Herat Province, Western Region, Afghanistan, 20 October 2023.
[2] UNOCHA, HERAT EARTHQUAKE RESPONSE PLAN AFGHANISTAN, IMMEDIATE HUMANITARIAN RESPONSE NEEDS OCTOBER 2023 - MARCH 2024, October 2023. 

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