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アフガニスタンの防災力の向上を目指してvol.2
こんにちは🌞CWS Japanの広報担当ニシザワです👩
段々とですが、秋の気配🍁を感じられるような天候になりましたね。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、、、皆さんにとってはどれですか?
さて、本日10月6日は「国際協力の日」です。
日本の政府開発援助(ODA)は、1954年10月6日にコロンボ・プランに参加したことから始まりました。このコロンボ・プランとは、1950年に提唱された、アジアや太平洋地域の国々の経済や社会の発展を支援する協力機構のことで、第二次世界大戦後もっとも早く組織された、開発途上国のための国際機関です。日本もその正式加盟国の一員として、1955年から研修員の受け入れや専門家の派遣といった技術協力を開始しています。
日本政府はコロンボ・プランに参加を決めた10月6日を「国際協力の日」と定め、国際協力への国民の理解と参加を呼びかけています。
その日にちなんで、昨年11月に皆さんに報告していましたアフガニスタンの事業の後続事業が始まりましたので、紹介させていただきます📢
背景
アフガニスタンは、日本では紛争やテロなどネガティブなイメージが連想されやすいですが、そこにさらに忘れてはいけないのが災害リスクの存在です。
アフガニスタンは災害リスクが高く、また気候変動に適応するための準備が最も遅れていることから、災害の影響に対して脆弱な国として認知されています[1][2]。同国は3年連続で干ばつに見舞われており、不規則な降雨パターンが増え、全体的な雨量が減少していることも影響しています。さらに洪水パターンも変化しており、家屋や農業等へ甚大な影響を引き起こしています。今後も続くと予測される干ばつは、特に天水農業地帯の農業と家畜の飼育に大きな悪影響が出ることが予想されています。灌漑農業の生産も減少する可能性が高く、降雪による水が不足し、さらに深刻で極端な食料不足に陥る可能性があります[3]。
アフガニスタン人道危機対応計画(2023年)によれば、2023年に約20万人が主に洪水と地震を中心とした災害の影響を受けると予測されています[4]。これは近年の傾向と同じですが、繰り返される災害や異常気象は、地域のレジリエンスを低下させ、より多くの人々が被災する可能性や影響の深刻さを増すというリスクを孕んでいます。
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そのなかでも、前期事業から活動しているバーミヤン県は同国の中央山岳地帯に位置し、山の急斜面、深い谷、厳しい冬が特徴で、降雨および降雪の結果、洪水や鉄砲水が広く発生している一方、降雨/降雪量が少ないときは干ばつを誘発する地域でもあります。
事業概要
バーミヤン県の人々は主に農村の農業と畜産業に頼って生活していますが、限られた耕地をめぐる競争と誤った管理の結果、土壌浸食が広がり、自然植生が破壊されたり、放牧地が荒廃しているエリアがあります。こうした環境問題と気候変動の影響が重なり、洪水や干ばつなどの災害のリスクが高まっています。
そこでわたしたちは、同県の災害リスクの高い地域を選定して、災害リスク軽減活動をコミュニティの人々と一緒に行うと同時に、コミュニティ全体を包括した体系だったセッションの導入によって、「災害時のリスクコミュニケーションの欠如」「災害発生メカニズムへの理解の欠如」「災害関連情報や前兆に関する情報の伝達の欠如」またそこからくる「災害リスクの軽視」に対応したいと考えています。
これらの支援活動の対象となるのは、国内避難民や帰還民、女性が世帯主の世帯、高齢者や障がい者のいる世帯などの脆弱性の高い層です。
災害リスク軽減活動としての簡易インフラの設置
事前の調査によると、対象地域の村々では、毎年のように洪水、鉄砲水、干ばつなどが発生しています。それらの被害に対して、蛇篭を使った防護壁を河川にそって設置したり、土石流など上流から流れ出る有害な土砂を受け止め、貯まった土砂を少しずつ流すことにより下流に流れる土砂の量を調節する施設である砂防堰堤などを設置する予定です。
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災害に強いまちづくりのための意識啓発
上記の活動と合わせて、災害に強いまちづくりのための意識啓発コミュニティ末端レベルにまで防災の意識や習慣が根付くように体系的に意識啓発を行います。抑えるポイントとしては、以下の点が挙げられます。
• 災害マネジメントサイクル
• ハザードアセスメント、リスクアセスメント、リスク認識
• コミュニティベースのDRRとは(コミュニティDRRの考え方、地域計画の一環としてのDRR、早期警報システム)
• ー般市民の意識啓発(役割と責任)
目指す成果
上記の活動を通して、アフガニスタン・バーミヤン県における脆弱な人々の気候変動によって激甚化している災害のリスク軽減能力および生計回復・維持能力が向上することを目指しています。
さいごに
これらの取組は今後のコミュニティもしくは各世帯の災害への強靭性(レジリエンス)を向上する上で重要だと考えています。習得したこれらの技術・知識をもって、今後同様の人的被害の可能性や社会経済的ショックが起こったとしても、コミュニティの人々自ら、被害の軽減を試み、環境に適応できるよう、現地パートナー団体ともに邁進してまいります。
どうぞ、引き続き、皆さまからの温かいご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
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(文:プログラム・マネージャー/広報 西澤紫乃)
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<参考文献>
[1] UNOCHA, Afghanistan Humanitarian Response Plan 2023 (March 2023), 9 Mar 2023, p.20.
[2] INFORM Risk Index 2022, https://drmkc.jrc.ec.europa.eu/inform-index/INFORM-Risk
[3] Notre Dame Global Adaptation Initiative, https://gain.nd.edu/our-work/country-index/rankings/
[4] UNOCHA, Afghanistan Humanitarian Response Plan 2023 (March 2023), 9 Mar 2023, p.30.