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父の命日に寄せて: 父の死後の手続き─弁護士相談と相続放棄の決断
前回の記事では、父が交通事故で亡くなり、私が葬儀を終えるまでの出来事について書きました。今回はその後、弁護士への相談や相続放棄の手続き、そして父の住居を片付けた際の体験についてお話しします。
弁護士との打合せ
損害賠償について
葬儀後、父の交通事故に関する損害賠償について話を進める必要がありました。保険会社に勤める知人の助けを借り、交通事故を専門とする弁護士を紹介してもらいました。幸いにも職場の近くに事務所があり、仕事帰りに数回通うことができました。
弁護士とパラリーガルはどちらも女性で、丁寧かつ親身に対応してくださり、安心して話を進めることができました。
弁護士からは、損害賠償請求の可能性について説明を受けましたが、時間や費用、さらに事故現場が遠方であることなどを考慮し、家族で話し合った結果、自賠責保険補償で終えることを選びました。特に私自身は、父とは20年以上疎遠で、再会したのも最近のことで、事故原因が特定できないとも聞いており、長い時間をかけて裁判をするより、早くすっきりさせたい思いがありました。
相続放棄の手続
次に考えなければならなかったのは、相続放棄でした。父には財産がないことはわかっていましたが、借金が残っている可能性が高かったためです。
弁護士からのアドバイスを受け、対象となる親族全員で相続放棄を行うことに決めました。特に親族に負担をかけたくなかったため、手続きの費用や実務はすべて私が引き受けることを条件に、同意を得ました。
自宅の後片付け
相続放棄を進める過程で、父が住んでいた市営住宅を訪れる必要がありました。母と一緒に現地へ向かい、父の部屋を片付けることに。後期高齢男性の一人暮らしにしては、想像以上に整頓されている部屋でしたが、膨大な量の書類や請求書を整理するのは大変でした。
母は台所の水回りやゴミの処分を担当、私は通帳や請求書など書類関係を担当。既に電気が止まっていたため、夕刻までに終えるよう暖房がない中頑張りました。
幸い通帳や借金に関する情報、保険証券も見つけ、弁護士にすぐに相談できるよう持ち帰ることができました。
相続放棄を選んだことで、住居の現状回復や清掃、家具の処分などの負担を回避できたことは、本当に良い判断だったと感じています。
最後に
母から今だに「全部任せてしまって申し訳ない」と言われることがありますが、既に離婚していましたし、私にとっては仕事の延長のような感覚で、苦にはなりませんでした。むしろ、こんな形で私のスキルが役に立つとは思いませんでした。
次回は、父の知人との会話や、検察との面談について書く予定です。