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初恋と不倫

◼️ジャンル
書籍

◼️背景
山形のスイデンテラス内ライブラリーにあり読んだ
スイデンテラスの空間はかなり居心地良く(雨、稲、木、光、空気、全てが気持ちいい)本が文通のような形式だったのでスラスラスラスラ読めてしまった

◼️感想
初恋→
不倫を最後に読んだので最早記憶が曖昧であり思い出しながら書く。主人公の名前も女の子の名前も思い出せないのでここだけ調べた。初恋は、思春期での思い出は、それ以降の思い出とは分離されて存在すること。所謂上書き保存はされずに名前をつけて保存されるようなこと。お互いにふとしたタイミングで思い出し想ってしまう初恋の相手。初恋の相手が酷い目にあうことを知ったら、酷い目にあわせようとしている人のことを殺してしまうくらいに憎いのか。そうまでして守ることで、過去に守られた自分のことを守っているのかもしれない。初恋として自分を救ってくれた相手のためにと刃を向けるのは完全なエゴだ。自分を守りたいだけだ。でもそれを純粋な愛だと信じてやまない盲目さがある。それが初恋か。

不倫→
田中さんは詐欺師だったのか、だとしたら2人の配偶者同士の不倫自体も嘘だったのか。最後命を落とした田中さんは、ウーロン茶を渡してくれたおばさんのためだけに大金を作る目的で詐欺師として生きた結果、幸せであってはいけないと思ったからであるのか。幸せは自分に似合わないと思ったからであるのか。結果として不倫をしていたのは田中さんと待田さんだけだったとして、配偶者同士の不倫自体が無いと知った時、待田さんの奥さんにも何の罪もないと知った時、待田さんは田中さんのことを好きでいられるだろうか。そして最後の語りかけは待田さんの想像だろうか。2人は不倫であっても繋がっていてほしいと思わせるのは怖い。心情を知るのは怖い。だからこそ不倫は不倫、で片付けなければいけないのだ。

いずれも純愛には違いない。どちらにもマミョウダ?(変な名前の登場人物)という面白い共通の知人が出てくるが、この人のおかげで2つのお話が同じ世界線上にあることを感じられて良かった。

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