
46才のミュージシャンが慶應大学受験を突然決意し、3ヶ月の勉強の末受かった話。8
前回まで
突如世界史にハマり、慶應大学受験を決意した私CUTT。様々な動画やサイトにお世話になり、過去問が80点に届くようになってきました。それはいいとして、英語と小論文の対策は大丈夫なのでしょうか…?
おお、難しい!
配点って科目ごとに違うのね! と気づいたのが願書を出したあたりでした。そして英語の配点は世界史や小論文に比べて高く、科目としての重要度の高さがわかります。
合格にフォーカスして考えた時、世界史を伸ばすのももちろん大事ですが、英語を伸ばした方がむしろ効率はいいかもしれません。(筆者は英語の勉強が趣味で、英検もずいぶん前ですが1級を取得して、それなりに心得があります)
これからは英語も並行して勉強していこうと、文学部の昨年の問題を解いてみました。すると…
おお、難しい!
かなり高い難易度である事がわかりました。文学部の英語入試は、結構な量の長文を読み、9問ほどの問題に答えるというものですが、少し変わっているのは、辞書の持ち込みが許可(!)されていることです(電子辞書除く)。
長らく単語や熟語を暗記してきた身からすると、辞書が使えるなんて「え!いいんですか!? じゃあきっと楽勝じゃん!」と、浅はかにも最初は思いました。ところが…
ある程度抽象的な思考を必要とする、なかなか骨のある長文なので、一読するのになかなか時間がかかります。逐一辞書を手繰っている時間はありません。そして出題される問題の本質は、辞書に載っている情報ではないところにあるのです。
英語…というより国語!
9個の問題中、選択問題が2問、英訳が1問。あとは日本語を使っての「説明」「和訳」が中心になります。
これがですね、なかなかどうして難しいんです。説明に関して言えば、長文の文意を理解する能力と、それを日本語でうまくまとめて説明する能力というのはまた別な上、文字数制限もあったりするので、どこまでの情報を入れるべきなのか、切り取るべきなのかという判断も必要になってきます。
和訳に関しても「そこ訊くかね…!?うーん」となるような、日本語と英語のシステムの違いを越えさせるような、なかなか難しい問題が出ます。総合して、英語力はもとより、それを駆使できる日本語力が大きく問われます。
目から鱗がポロポロ
そもそも僕は長らくの自分の英語学習のゴールとして、
英語を英語のまま理解し、思考し、話す事
を置いていました。極論すると「和訳は悪!」みたいな価値観で勉強してきたわけです。英会話というか、目の前にいる人とのコミュニケーションという意味では、頭の中で日本語に置き換えてる時間はないですし、学習を重ねるうちに自然にそうなっていくものだと思います。その状態で十分、日本語としても理解しているつもりだったのです。
ところが、改めて
「下線部4が意味するところを、40文字以内の日本語で説明しなさい」
なんて言われると、これがなかなか難しいんですね!
「いやー、頭ではわかってるんだけどな!」と言いたいところなのですが、
果たして母語で人に説明できないことを、頭で「わかっている」と本当に言えるのでしょうか?
もちろん非言語的な体得と、言語的な理解は別物ですが、それにしてもとそれまでの自分の認識の浅さを恥じました。
「俺はわかっていなかった!」
目から鱗がポロポロです。
そして和訳や説明を考えているうちに、その作業が何かに似ている事に気づきました。
作詞に似てる?
作詞とは、頭の中にあるもやっとした非言語的な感情を言葉に変換し、メロディや音節数という基準に則り、選んだ言葉を紡いでいくという作業に(少なくとも僕の場合は)なります。そして英語問題の和訳や説明を唸りながらしている時に「この頭を使ってる場所の感じ、何かに似てるなあ…作詞や!」と気づいたのです。
どのみち作詞も苦手なので、そう気づいたところでスイスイとはいきませんが、少なくとも普段してることとの親近感を感じ、単に英語の和訳や説明というよりも「表現する力」そのものを問われているのだ! と感じて、やる気スイッチがみなぎりました。
難しい…けど面白い!
和訳を勉強すると総合的な力を上げられると感じたので、本屋さんに赴き、竹岡広信先生の「大学受験のための英文熟考 上」を買い求め、掲載されている問題を解いていきました。この本はとてもおすすめです! 和訳の奥の深さというか、自分の解答と模範解答を照らし合わせ
「そうか、このthoseを訳さないとわざわざここにこれが入っている意味ないもんね! やられたー!」
など一人でバタバタしながら、楽しく学習を進めました。
もう一冊、kindleで関正生先生の「世界一わかりやすい 慶應の英語 合格講座」を購入し、こちらも対策に大変役立ち、勉強になりました。
総じて慶應文学部の英語の問題は、難易度は高いですが正攻法で、英語とがっぷり四つに組み合っている感覚があり、間違ったとしても「なんでやねん!」ではなく「そうだったかー!」と爽快な気分で、かなり面白いものでした。
次回の更新は
今回は小論文まで書ききれなかったので、次回はもう一つの科目「小論文」と、その他の学習について書きたいと思います。その次くらいでいよいよ受験日を迎えるでしょうか?
ぜひ最後までお付き合いくださいね!