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【11カ月ぶり】TPD7周年記念ワンマンライブ【ライブレポ】

2020年12月6日(日)に、東京パフォーマンスドール(TPD)の周年ライブ
「東京パフォーマンスドール アニバーサリーライブ #1 The 7th Anniversary DANCE SUMMIT 」
が開催されました。

昼夜の2部制で、一部は2013年結成の「新生」TPDの7周年記念、二部は1990年より結成された「先代」TPDあわせて30周年となることを記念したアニバーサリーライブとなっていました。

僕は昼の7周年記念ライブに行ってきました。
有観客でのワンマンライブが開催されるのは、TPDとしては実に11カ月ぶりということもあり、様々な思いが去来したこのライブのレポを今回は書こうかと思います。

ですが、既にセットリストや音楽メディアによるライブレポ等の情報は公開されています。

TPDファンにとっては毎度おなじみの、ザテレビジョンさんによる熱いレポもとっくに上がっています。

そのため、今更素人がそれをなぞるようなことをしたところであまり意味はないかもしれません。

今回は、これまでのレポに書いていないような内容を意識した上で、ライブで披露されたなかで特に印象的な数曲をピックアップし、そこに個人的な感想を付け足しながら全体を振り返ってみることとします。

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ライブ本編へ

TPDはワンマン自体は11カ月ぶりではあるのですが、実は1カ月前の11月3日に有観客での対バンライブ(秋葉原アイドルサーキットvol.0)には出演しており、僕はそのライブも観にいっていました。
そのため、正確に書けば僕にとっては1カ月ぶりのTPDです。

ただ、ワンマンライブとなるとやはり思いは格別です。

対バンのような、TPDのファンに混じって他アイドルのファンの方達がいるような空間だと、なんとなく「よそいき感」を感じてしまいますし、ライブにおける会場の熱気も違うような気がします。

ひさびさのTPDワンマンの空気を感じつつ「この空間良いな」なんて思っている間に、ライブの始まりを告げるSEが流れ、TPDメンバーがステージに立ちました。

何をもって「無事」としていいのかは意見が種々あるでしょうが、とにかくTPDメンバー6人全員がライブ当日の12時30分、開演時間に無事ステージに立ち、それを生で見届けられたことのに対する喜びがこれまた溢れてきます。

もっとも、この段階になって誰かが出てこない!なんてことはあり得ないことであるとは承知していますが。

7周年記念ライブの幕開けは、最新曲である「TALES」の披露からでした。

※あらかじめ断っておきますと、今回のレポ、内容のほとんどが「TALES」に関することです。そのため、扱うテーマにかなりの偏りがありますがご承知おきください。

まずは、この曲「TALES」が生まれる前日譚のようなものに触れようかと思います。

そもそもこのアニバーサリーライブ、本来は6月に開催される予定でした。

6月という月は新生TPDにとっては初お披露目の月でもあり、さらにはCDデビューを果たした月でもあるなどかなり思い入れの深い月であったのですが、コロナ禍の関係で開催見送りというあまりに残念な結果となってしまっていました。

6月にはとりあえず、無観客での配信ライブというグループ初の試みによってライブは行われたのですが、公演タイトルに「DANCE SUMMIT」のみ銘打ってあるように、あくまで「周年ライブ」ではなくいち定期ライブという扱いでした。

周年ライブは、6月開催はとりあえずはあきらめたけれども、まだ開催はあきらめず、なんとか年内に有観客でのライブが行えないか模索しているような段階だったのでしょう。

とはいえ、状況もさほど良くはならず、すぐには振り替え公演の見込みも立たないままでした
その穴を埋めるかのようにオンラインワンマンライブは複数回開催され、ようやく10月、3回目のオンラインライブにして今回12月の振り替え公演開催が発表されました。

また、11月には先代の結成から数え、TPDがグループとして結成30周年となることを記念したベストアルバム「20 BEATS 20 TALES」がリリースされました。

そんな、コロナの影響をモロに受けた状況下でリリースされたアルバムの中で、唯一の新曲として書き下ろされたのがこの「TALES」でした。

会いたい人と会えない、当たり前って何だろうと不安になってしまう。
そんな日々でも、前を向いて生きていければ、といった、まさに昨今の時局にリンクしたような曲です。

◆TALES MV

初公開時のザテレビジョンの記事の引用になりますが、リーダーの高嶋菜七さんはこのような素敵なコメントとともに紹介しています。

本当に会いたい人に会えないとか、今まで経験したことがないことを経験した1年でもあって、そういう気持ちもたくさん入ってる楽曲でもあります。あなたの思い浮かぶ大切な人たちを思いながら聴いていただけたら

背景が長くなりましたが、そうしたことを思いながら、長い長いライブ自粛期間開けの一発目に「生で」聴く「TALES」というのは、我々を感慨深い気持ちにさせてくれますし、「エモい」という言葉がどこからともなく出てくるのもうなづけます。

何より、これを歌うメンバーが活き活きとしていて良いです。
メンバーみな「良い曲」と口を揃えるくらい気に入っているというコメントもオンラインライブのMCで耳にしましたし、それぞれ思うところはあるのでしょう。

「TALES」の間中は、音楽を介してメンバーとファンとで「長かったね」と言い合うような、素敵な空気が広がっていたような気がします。

「TALES」の総論はここまでとして、つづいて各論として、あるメンバーのボーカルを取り上げてみようかと思います。

「TALES」の1Aメロは、橘二葉さんのソロパートから始まります。

無色透明な空を どんな色で どんな形で (橘)
描こう 何一つ決まっちゃいないけどね (橘・浜崎)

曲の構成としては、まずメンバー全員のユニゾンに続いてイントロが流れ、その次にくだんのAメロといった順序になります。

そのため、この曲でまず最初にメンバーの声を認識するがAメロでの橘さんパートなのですが、大事なこのパートを任されるに十分すぎるくらいに歌声が光っています。

ただ、橘さんのこれまでのパフォーマンスにおいてフィーチャーされるのは、その歌声というよりもダンスのほうが多いです。

本人も好きだと公言していますし、インスタにも動画を上げるなどしています。

実際ライブでもつい目で追ってしまうくらいには素人目にも抜けており、ステージ上で魅せるバキバキダンスのカッコよさと、ひとたびMCに移ったときにあふれ出る妹感のギャップというのが一つの持ち味だったりします。

このように主にダンスで十分にキャラが立っているからか、あまり橘さんの歌というものにスポットライトが当たる機会が無いような気がしています。

実際、歌割についてもメインを張る高嶋菜七さんや浜崎香帆さんと比べると明らかに少ないと言わざるを得ません。

けれども、僕としては彼女の歌声、特に高音の伸びがすごく好きです。
ハイトーンの綺麗さで言えば、個人的にはTPDメンバーの中でも突出しているような気がしているのです。

そろそろもっと橘さんパートを増やしてはくれないかなと、今回のライブを観てその思いが強くなりました

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TALESの話が長くなりましたが、一気に飛んで中盤のユニットコーナーに移ります。
ユニットコーナーでは、脇あかりさんと上西星来さんのユニット「赤の流星」から「In The Wonderland」が披露されました。

ここ最近は機会がありませんが、赤の流星はTPD本隊のワンマンでのユニットコーナーにとどまらず、単独ライブをやったり大きいアイドルフェスにもTPDとは別枠で出演したりしています。

この曲で印象的だったのが、上手/下手に別れた脇さんと上西さんをそれぞれ照らす青と赤のライトが、二人が重なったときに同様に重なって紫色となったところです。
「青+赤」で紫ということなのでしょう。
この和はあくまで絵の具などの色材を混ぜたときの話で、光の混色となるとまた違った色なのでしょうが、そんな理屈は要らないですね。
ただただ綺麗です。

見入っているだけでその世界に入り込める赤の流星のステージは、このTPDワンマンだけに留まらずまた以前までのようにフェスなどでも観たいです。

後半戦へ

また一気に後半に飛びます。
ライブで欠かされることのほぼない「SURVIVAL!!」。

これまでの投稿で散々書いてきましたし、もう言うことはあまりないのですが一言だけ、とにかく楽しめました。
ここ最近はノンストップのTPDライブには珍しくフルコーラスで披露されることも多く、今回もそれだったのですが、この傾向は今後とも続けていってほしいです。

それから本編ラストの「One Day One Life」。

◆One Day One Life

以前の投稿でも書きましたが、これも非常に良い曲です。

この曲、詳述はしませんが、前回10月開催のオンラインライブで披露された際には少し「あれ?」と思う箇所があったのですが、それもすっかり解消されていました。

こちらはコロナ禍以前にリリースされた曲ではありますが、けなげな前向きさをが伝わってくる曲で、「TALES」が存在しなければこのライブ一発目の曲にチョイスされていても不思議ではなかったかなと個人的には思っています。
歌詞をかみしめながら歌うメンバー(特に浜崎香帆さん)を観るだけでこみあげてくるものがあります。

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さて今回の7周年記念ライブ、振り返ってみると披露されたのは本編18曲とアンコール1曲のみと、本編だけで22曲に加えてダブルアンコールまであった去年の6周年ライブよりもボリュームとしては若干控えめでした。

アンコールの際のMCでも、6周年記念ライブの時は高嶋さんが感情いっぱいのコメントをしていたのですが、今回はそんなこともなくわりかし短いコメントに留まり、ことのほかあっさりと終わったような感覚をうけました。

昼夜2回公演ですし、むしろ先代と一緒にパフォーマンスする第二部のほうに比重が大きくなることも当然かと思いますが、それにしても物足りなさを感じなかったといえば嘘になります。

ですが、それを補って余りあるほどに、この公演が成功裏に終わり、さらにMCで次回ライブの日程が発表されたことの喜びがありました。

メンバーの櫻井紗季さんもこのようにツイートしていましたが、MCでなされた告知で何よりうれしかったのが、「次もライブがあること」でした。
これで終わりではなくまだまだ物語は続いていくことを実感します。

物足りないとかそんなことを考えるのが無粋かもしれません。
TPDがこうして会える場を作ってくれ、1年前と変わらぬパフォーマンスを見せてくれただけでなく、その先の未来まで提示してくれたことに何より感謝するべきでしょう。

次のワンマンは翌2021年2月14日(日)、渋谷ストリームホールで開催されます。
2年前に開館したばかりの新しいホールですが、6カ月連続のライブシリーズの最後の公演や6周年ライブなど、TPDの節目にあたるライブも開催された場所で、かなりなじみ深い会場です。

もちろん椅子アリかつ間隔を開けて座っての観覧になるのかとは思いますが、まだまだ先は見えなく、本当に無事開催されるのかも分かりません。
開催されたらラッキーくらいの感覚で待とうと思います。

長いTPDの歴史

僕が観たライブのレポとしてはここまでですが、最後に、結成30周年を迎えたTPDというグループそのものについて触れようかと思います。

先述の通り、この日の第二部では、1990年にデビューした「先代」TPDのメンバーも一部パフォーマンスに加わっての、30周年記念ライブが行われました。

TPDが結成された頃は、歌って踊れるグループアイドルがほとんどなく、そのはしりとしてのTPD結成というのは今のアイドルシーンにも大きな影響を与えています。
結成当初には当たり前に多かったソロアイドルは今日では絶滅危惧的になり、どこを見渡しても4人以上からなるグループアイドルばかりです。

いわばTPDを起点に、こんにちのグループアイドルが多く誕生していったようなもので、アイドル業界の趨勢を変化させたわけです。

このようにTPDは歴史あるグループですが一方で、当時を知らない(僕も知りませんが)メンバーによって2013年より結成された新生TPDにはその長い長い歴史が逆に足かせになっているんじゃないか?と思う面もありました。

メンバーもまるで違いますし(当然ですが)曲のもつ雰囲気もかなり異なっています。そうした事実を受け、YouTubeのコメント欄などでもたまに、「先代と全然違う」といったコメントを見かけます。

ただ、まるで違うグループのようであっても、新生TPDがTPDの看板を守り続けていたから今回こうして30周年をお祝いでき、事実上の解散(?)から時を隔てて先代メンバーが一部の方ですがステージに集まり、しかも先代曲を披露してくれたわけです。

これまでも、先代曲のリアレンジバージョンを多数レコーディングしたりライブで披露するなど先代・新生のつながりはありましたが、今回のように両者の有機的なつながりを色濃く打ち出したのはこれまでそうなかったでしょう。
そうした意味では、相当な価値のある一日だったのではないでしょうか。

見出し画像 TPD公式ツイッターより


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